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第五回 システィーナ歌舞伎

2014年2月14日(金)~2月16日(日)
大塚国際美術館 システィーナ・ホール

配役

午前の部(11:00開演)/午後の部(15:30開演)

「満月阿波噺(まんげつあわのよばなし) Le Mariage de Figaro フィガロ」

作・演出:水口一夫

福江五郎、金光十郎:六代目 片岡愛之助
鈴絵:初代 中村壱太郎
伊賀源内:初代 片岡松十郎
毬代:瀬戸内美八
露路:六代目 上村吉弥
有間三輪大夫:上杉祥三

データ

料金

(美術館入館料・観劇料込)
S席:12,000円
A席:10,000円
※当日は500円増 ※未就学児は入場できません。

筋書:入場時に1枚の紙を3つに折ったものが配られた。

雑誌

『演劇界』2014年4月号

愛之助丈関連
54~57ページ:「報告 第五回システィーナ歌舞伎」
 ・舞台写真「満月阿波噺」福江五郎(カラー 5枚)
 ・舞台写真「満月阿波噺」金光十郎(カラー 1枚)
 写真は第5回のみだが、第1回~第5回までの説明が載っている。
演劇界 2014年 04月号 [雑誌]

感想

感想


15日昼の部を中央舞台付近で観劇。
奥、中央、入口付近に小さな舞台があって、花道?でつながっている。客席は四方にある。
前日は大雪だったが、無事に大塚美術館までたどり着くことができてほっとした。空席もあったが、関東方面の方だろうか。

まず、たぬき(愛一郎丈)が登場してご挨拶。
たぬき達が退場した後に、OSKの皆さんが出てきて踊り、若衆姿の役者さんも踊る。
そこへ現れた福江五郎(愛之助丈)と鈴絵(壱太郎丈)。互いに一目惚れして、その場は別れる。

その後、システィーナ礼拝堂(ただしレプリカ)に響き渡る愛之助丈の美声w 歌うとは聞いていたけど、いきなり歌い始めるもんだから、思わず「ブフォw」と噴いてしまった。(←本当にファンか?)
愛之助丈の歌が上手いのは、数年前に永楽館で『近頃河原の達引』を見て知ってたけど、これならミュージカルもできそう。(ミュージカルやるよりは、もっと歌舞伎をやってほしいけどな。)

2階のバルコニー?から鈴絵が現れる。
「フィガロはよく知らないけど(←無知)、これ、『ロミオとジュリエット』じゃない?」と思った。
確か、ここで壱太郎丈も歌ってた。女形の声で歌うので、ちょっと辛そうだが上手だった。
流石に「ああ、五郎、どうしてあなたは五郎なの?」とは言わなかったが、「不実な月」云々の台詞があって「ああ、 やっぱり『ロミオとジュリエット』だ」と思った。

さて、満月城の殿様(上杉祥三さん)は女好きで浮気するくせに、奥方・露路(吉弥丈)が他の男になびくのは嫌という、典型的勝手な男。でも、ちょっと抜けててとぼけた感じで、愛嬌があっていい感じ。
歌舞伎役者さんに囲まれてるのに違和感がなくて、上手な役者さんだなぁと思った。
奥方は殿の浮気に嫉妬しつつも、殿一筋。吉弥丈はやきもち焼きのコワ~イ奥方役が多いような…?

家来の伊賀源内(松十郎丈)は奥方に横恋慕していて、金光十郎(愛之助丈・2役)に殿の殺害を依頼する。
殿様の危機をを救ったのが、福江五郎。
ここの立ち回りは愛之助丈の早変わりがすごくて、舞台中央で入れ替わった時は仕掛けがさっぱりわからなかった。
何度も何度も、役を入れ替えて立ち回りをする。
愛之助丈の帯はマジックテープ式だった。板の向こうで、大急ぎで衣装を替えているんだろうなぁ。

五郎は城を救った褒美は何がよいかと問われ、「鈴絵と祝言を挙げたい」と答える。
しかし、殿様は鈴絵にご執心、老女・毬代(瀬戸内美八さん)は五郎にご執心で前途多難。特に、毬代には「借りた20両を返せなかったら夫婦になる」と約束しているから、さあ大変!
これまた、毬代がキョーレツでいいキャラしてるんだ。
おまけに、奥方に懸想しているお小姓(妃鳳こころさん)まで出てくるもんだから、てんやわんや。

殿様は、鈴絵に毒を飲ませていったん殺し、五郎に諦めさせた後に、解毒剤を使って生き返らせることを計画する。(このあたりも、『ロミオとジュリエット』っぽい。)
怪しい医者(関口義郎さん)が解毒剤をポカリに混ぜて飲ませてるとか、オロナミンCがどうとか、大塚製薬の宣伝もちゃんとしてた。
鈴絵に毒入りの薄茶を飲ませる場面でコントが繰り広げられる。
源内の機転によって鈴絵に毒を飲ませることに成功し、五郎が恋人の死を嘆いて歌うところで一幕が終わった。

幕開けは、墓場の場面。
棺桶に十字架がくっついてるのに、「なんまいだー、なんまいだー」って… このミスマッチがとってもシスティーナ。(←注:褒めてます。)
バイオリンに三味線、オルガンに長唄が交互に流れ、もはや“システィーナ歌舞伎”というジャンルの歌舞伎。

医者が鈴絵を生き返らそうとするのを、金光十郎が影から見ている。死体のばーさん(比奈三丈)が『らくだ』みたいで面白い。
十郎がすごくいい声で「ポカリ」というので笑ってしまった。
十郎と鈴絵が生き別れの兄妹ということがわかり、五郎は三日月城の若君、毬代は若君の乳母、源内が敵… と後半に入ってからは怒涛の(でも、歌舞伎にはよくある)展開。
吉弥丈の歌も聞ける。(皆さん、本当に歌がお上手。)
奥方と鈴絵がグルになって、殿と五郎をからかう場面もある。

五郎と源内の立ち回りでは、愛之助丈も松十郎丈も頑張っているんだが、音楽に全部もってかれてた。
松十郎丈は憎々しい敵役という感じが出てるんだけど… 役者さんの動きと曲のテンポは(妙に)合っているんだけど… なんというか… こう…
はっきり言ってしまおう。
笑いました。ごめんなさい。(前の席のお嬢さんは爆笑してたぞ…)
敵役がもがいて死ぬ場面に、あの音楽(というか、効果音?)はやりすぎw
役者さんはかっこよかったんだけどね。

最後は、五郎と鈴絵の結婚式。五郎は裃、鈴絵は白無垢。
毬代オンステージの後、OSKの皆さんがギラギラの着物でキラキラのポンポン?を持って踊る。「マツケンサンバか!?」と思ったが、音楽はサンバじゃなかった。(多分)
【追記】
↑サンバだったらしい。
五郎と鈴絵は、名古屋山三と出雲の阿国みたいな恰好で再登場。2人で舞踏会みたいに踊ってたけど、何という踊りかは知らない。(←無知)

カーテンコールがあり、最後に愛之助丈がご挨拶。
「雪の中、足元の悪い中、来てくださってありがとうございます」「来られなかった方は残念でしたが、このメンバーで再演したい」「来年もここで会いましょう」みたいなご挨拶だった。(うろおぼえです。)
『GOEMON』みたいに松竹座で再演するんだろうか…?(再演するにはちょっと時間が短い気がする。)
それもいいけど、古典歌舞伎もやっていただきたい。

とても楽しい舞台で、いろいろと記憶が飛んでいるので、記憶違いなどがあるかも…
大雪でどうなることかと思ったけど、行ってよかった。楽しかった。
来年もここで歌舞伎をするならまた見に行くけど、雪だけはもう勘弁。ほんとに。

おまけ


↑愛之助丈に届いていたお花。


↑愛之助丈に届いていたお花。


↑ガーデンランチ。
1Fのレストランで食べた。


↑愛之助丈が選んだのは…


↑『ラ・ジャポネーズ』。