17 碁と双六と合わせ遊び
碁や双六は平安貴族たちの間では日常的に行われていた遊びでした。
碁は現在と同じく、碁盤の上に碁石を打って陣取りをするものでしたが、双六はかなりルールが違います。今のバックギャモンのような遊びで、相手の陣地に自分の駒を先に送り込んだ方が勝ちです。
碁は知的な遊びとされましたが、双六は考えなくてもできるので、あまり上品な遊びと捉えられていなかった節があります。碁を嗜む姫君は評判が高く、双六ばかりで遊んでいる姫君はあまりお利口さんとは言えないという訳ですね。
他にも男性は蹴鞠や狩りなど外で遊ぶこともありましたが、宮中では合わせという遊びが頻繁に行われていて、これは右方左方に分かれていろんな物を持ってきて優劣を競うというもので、それにかこつけて宴が行われたりしました。
合わせる物で有名なのは『歌』。天徳の歌合わせは特に有名で(源博雅が歌を読み違えたヤツです)、現在も歌合わせの次第を記録した書物が残っています。
合わせには他にも『香』『松』『絵』など様々ありますが、面白いのが『貝』。
私は貝合わせといえば、二つの貝を選んでぴったり合う物を探す遊びを思い出すのですが、平安当時の貝合わせはまた別物で、合わせのルールに乗っ取って左右に分かれてそれぞれ貝を出し、珍しい方を勝ちとする遊びです。私が思っていた貝合わせは本当は『貝覆い』といって、貝合わせと混同されるようになるには、もう少し時代が下るようです。 |