ハリハリノ 玻璃の器の裏方話・平安時代にまつわることなど
 

23 裾

『玻璃の器』第六章13で、馨君が惟彰に『裾』を踏まれ…という話が載っていますが、この『裾』というのは『きょ』と読み、単なる服のすそではありません。
束帯や、親王の大君姿などで、袍や直衣の中に下襲と呼ばれる物を身につけるのですが、これが後ろに長く伸びた方形の部分を『裾』と呼びました。飾りのような物です。
なので、いろんな織りや模様で華美に作られ、宴になると庭にお尻を向けて簀子に座り、殿上人たちが競うように裾を高欄から外へと垂れ下げて、室内装飾の一つとして華やかさを添えていたようです。

これが時代が下るにつれて、競争心や虚栄心から段々長さが伸びたりしたそうですよ。初めの頃の、身の丈ほどの長さっていうだけでも、十分長いような気がしますが…。
もちろん、下襲をつけている時は裾を床にズルズル引きずって歩いている訳なんですが(さぞかし床はピカピカだったろうなあと思うのは、私だけ?)、長く出てる分、逃げられないようにこっそり踏んでおくには最適のシロモノなのではないでしょうか(笑)

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玻璃の器へ (c)渡辺キリ