Koji Wadaの歴史、ここに始まる。 古きよき70年代のアーケードを、このゲームに託して…。

 このゲームを開発するきっかけは、あるゲーム業界関連のニュース記事を目にしたときでした。

 それは、今を遡ること9年前の、「某大手ゲームメーカー2社が共同で次世代のレーシングゲームの開発」という記事でした。

 自身は愕然としました。
 
 「レースゲーム自体が飽和状態なのに、レースゲームを作り続けるために、ここまでしなければならない時代になってしまったなんて…。」

 やがて、あることを考え付きました。
 「そうだ、レースゲームの原点、トップビュータイプのゲームを作ってやろう」

 これが、このゲームの開発の始まりなのでした。

 既にこの頃、同じHSPで作られたトップビュータイプのレースゲームがいくつか出回っていましたが、スピード感やゲームシステムというものもあり、それらのゲームを参考にせず、嘗て自分がプレイしていた記憶だけを頼りに制作することとしました。

 そして1ヵ月後、満を持してゲームは完成、タイトルは、よりレトロらしさを意識できる名前にしようと、音楽でよく耳にする、「オールディーズ」という言葉を借り、「オールディーズGP(グランプリ)」と名づけました。


 このゲームの開発当時は、人々のレトロゲームに対する認識は今より薄く、面白さよりも、むしろビジュアル面を重視していたものも少なくなく、とりわけ、進化したハードの性能に任せ、ポリゴンを駆使した3D表示前提のものが殆どでありました。素人である自身ですら、ハードの性能はやがて限界を迎えるだろうと憶測していました。

 そして完成から1年後の2003年4月、第1回「HSPコンテスト」が開催されることをきっかけに、コンテストに応募する形で発表しました。レーシングだけでも、テレビゲームの原点を見つめなおす機会を作ろうという思いを込めての発表でもありました。

 残念ながら賞には届きませんでしたが、結果、このゲームは多くのユーザーからの好感を受けることになり、後の「NEWオールディーズGP」などとあわせ、人々にレトロゲームの良さ、素晴らしさを伝える担い手として貢献し、今日のゲーム文化の一部分を築くまでになっています。

初期バージョンの未発表版オールディーズGP

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