バシーーーン!

「わああああああっ!!」
「うおおっ!?」

太い根っこが一気に5人もの少年戦士をなぎ倒した。

(想像してたより強いかも・・・)

いま、首のないイーター・プラントに向き合っているのはもう、サーベスただ一人だった。
花が斬れ飛んだとはいえ、あちこち茎から突き出た蕾がグロテスクに小さな口を開いていた。
大地を踏ん張る体操着の剣士。白いソックスに両足首にツタが巻きつき、その軽い身体を引きずらんと手前に引っ張ってる。

「うわっ・・・ああああ〜〜〜〜〜〜〜っ」

立ったままズルズルと両足を怪物のほうへ引きずられていく。

「くっ!おまえなんか・・・」

細い腕がナイフを持ち上げ振り回すが、成長期の美肌を這い昇ってきたツタが手足の自由を奪った。
本体の茎に腹這いに押しつけられるように捕えられる華奢な身体。

「っ・・・!」

手のひらに入り込まれたツタのせいでナイフを落としたサーベスは、イータープラントの茎を抱きかかえるような格好で手足を縛られた。
そして茎に開いた何個もの蕾が歯を剥き、サーベスの胸肉を、無駄のない腹を貪り始めたのだ。

「あっ・・・ああっ・・・ぐっ・・・」

すぐにカチューシャが感応し、痛みをシャットアウトするが、肉をほじくられる感触は気味の良い物ではない。

(ぼくを捕食して回復するつもりかっ?)

弱ったイータープラントの顎の力は、人間の肉を食いちぎるほどは強くない。
だが細かい歯がサーベスの肉を引っ掻くように傷つけ、
バトルスーツが血を感知し、少年の発育途上の幼いペニスに精力を流し込んでいく。

「はぁっ・・・・ァァアッ・・」

両手首を縛られ、吊り上げられる格好になったサーベス。
足首に巻き付いたツタに両腿を外側に引っ張られ、 腰に不気味な感触が当たった。
ひらひらのハーフパンツに入り込んだツタが小さなヒップをこじあけ、バトルスーツの薄布に覆われた菊門を突き上げているのだ。

「っ・・・そこは・・・そこは・・・っ!」

端整な顔が歪む。

「隊長ッ!!」

声のしたほうに視線を向けると何人かのロンバルド隊員がナイフを構え、イータープラントを攻撃する隙を覗っているのが見えた。
そのときサーベスの身体が宙で一回転し、光沢あるハーフパンツが引き裂かれた。
視線は隊長の腰に注がれ、隊員の顔には驚きと動揺があらわれた。

サベスチャン・アストレイ。
宇宙規模で社会の仕組みが大きく変革される契機となった銀河大戦より前は、アストを代表する有力貴族だったアストレイ家。
その末裔の三男坊として、兄たちと等しく子孫の種を受け継いだ神聖なる股。
アストの長い歴史の中、アストレイ家の子息が軍隊に志願し、一兵士として戦う例は数多かったが、
事故に伴う不可抗力とはいえ、肉体の一点をこわばらせる痴態を人目に晒すのは稀少な事であったに違いない。
しかも、どこから見ても超優等生で、エロティックなイメージとは全く重ならぬ、清楚な美少年に育ったサーベス。
そのサーベスが今、最も敏感な部分をガチガチにし、薄布にテントを持ち上げているのだ。

「どうしたの、みんな!?はやくっ・・・はやく攻撃して」

性感はカチューシャがコントロールしてる。
だが、歯から傷口に注入される粘液がサーベスの抵抗する力を弱らせていく。

「しかしっ・・・隊長を巻き添えにするわけにはッ・・・」
「みんなを纏める者が居なくなる」

ふと背中に当たってる植物の茎に、脈動している部分を感じるサーベス。

(ここが節ッ?僕を盾にしているのか)

隊長の僕ががんばらなきゃ!!

「くっ・・そっ・・・」

地面に転がったレーザーナイフ・・・あのストラップに足が届けば・・・っ
だが足を伸ばそうと股を広げるほど、尻に入り込まんとする突き上げは力を増す。
最後の尻の貞操を布一枚の鎧に託すが、引き締められたバトルスーツはますます膨らんだ性器をくっきりと形作っていた。

その間もモグモグと全身のあちこちで肉を咀嚼しつづける蕾。
悲鳴を上げんばかりに小さく脈打ち、汗と血で透けるテント。




いっぽうのハルとヒナタはツタに幾重にも絡まれていた。
ねっとりしたイータープラントの液で濡れた全身は、あちこち蛍光ペンのように光っている。

「ヒナタ、後悔はしてない。きみのように勇敢な兵士と共に戦えて嬉しかったよ」
「ハル、ぼくも同感さ。この広い銀河のなかで君と引き合わせられ、共に死ぬことのできる運命に感謝する」

口では言ってるが、内心はそれぞれ

(やだやだ僕、まだ死にたくないよっ、お母さんたすけてぇ〜〜〜〜)
(あ〜ぁ、アストまできて、ハルと抱き合って死ななきゃならない運命って・・・)

と思っていた。
幼くして母を亡くしたヒナタを傷つけまいと、間違ってもほんとうの思いを口に出してはならぬと頑張ってるハル。
いっぽうのヒナタ。最期のときが迫ってるにもかかわらず、どこかあっけらかんとしているのは、
常に帰還できぬ危険を背負って出撃することに慣れすぎた、航空兵のサガなのかも知れぬ。

観念したように二人が目を閉じたとき、二人の背後に小さな靴が大地を踏みしめるのを聞いた。

「ヒナタさん、ハル!許してください!」

「えっ!?」
「えっ!?」

立っていたのは長い金髪の少年だった。
破れた体操服。上半身が半裸でスパッツもまたあちこち穴が開き、白く透き通る肌に食い込んでいる。
フリードは両手でナイフを構えた。

「わわっ・・・フリード!正気か!?」

ハルに覆い被さってるヒナタの背中を斬り刻むように、何度もナイフを振り下ろした。

「ああーーーーっ・・・・」

ツルの破片が飛び散り、ヒナタの青いパイロット・スーツが布片となって舞った。


「ヒナタッ、ヒナターーーーー!!・・・フリード!なんてことを!」




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