「サーベス!大変だ!」

仲間の一人がアリーナの対戦相手側を指差した。

サーベスが目をこらすと、さっき倒したのと同じ型のイーター・プラントがクラクトン隊を襲っているのが見えた。

「なんてことだ、もう一体いたなんて」

向かいのシャッターは赤く染まり、クラクトン隊員は半数以上が床に倒れ、立っている者も深手を負っている。
そしてイーター・プラントのツルに巻かれている小柄な少年を助けようと、レーザーナイフを手に対峙するチェスカ。

「アゼル!」

ハルが叫んだ。

「サーベス!アゼルはぼくの後輩なんだ!あっ・・・あっ・・・食べられちゃう」

「動ける者は僕について来てっ、助けるよ!」

走り出すサーベス。弱めの重力場のせいで、走るというよりピョコピョコと跳ぶ感じで駆けていく背中。

「待ってよ、サーベス!」

ロンバルド隊員二人とフリードに続き、ハルもふらつきながらサーベスの後を追った。






「アゼル待ってなさいっ、今助けるから!」
「チェスカ隊長ッ・・・ぼくのことはいいですから・・・・逃げ・・・」

アゼルは中学時代、ハルより一級下の後輩だった。
サーベスをひとまわり小さくしたような体型でハルより背は低く、真ん中で左右に分けた長めのストレート髪、ハッとした二重の目。
庶民の家の出だが両親に溺愛され育ちの良い、親しみやすい美男子。穏やかな性格で皆から好かれていた。

「あっ・・・わあぁぁぁっ!!」

イータープラントの花が細い右腕に食らいついた。
外側に引っ張られ、ビキビキと軋む肉。毛の生えていないすべすべのワキに、胸から腕にかけて描き出された肉筋。
歪む顔、ずれたバトルスーツの隙間を押し上げて飛び出た性器がブルマーの中にムクムクとテントを立ち上げた。
その横を上から伝ってきた赤い雫が流れ落ちる。

「おのれ化け物っ!」

イータープラントに立ち向かった美少女の頬に血飛沫が飛んだ。耳の横を、風を切る音を立てて少年の腕が通り過ぎる。

「ひっ・・・きゃあああああっ!!」

びっくりした隙を突いたイータープラントの口が、チェスカの右胸のほのかな膨らみにかぶりついた。

「吸うなっ・・きゃっ・・いやあああああああああああ」

乳肉を貫通する歯。引き裂かれた体操着の下、バトルスーツの生地を通し、母乳と血を吸いださんと吸引される若すぎる乳房。
その間も柔らかな少女の腿を締め上げたツタが、甘く汗薫るブルマーの股間へ滑り込もうと覗っている。

「あっ・・・やあっ・・・どこ触ってんだよぉっ!!!このっ・・・・このっ・・・!!!」

精力を送り込むバトルスーツのせいで、ツンと立った乳首が、クリトリスが疼き、すぐに快感をシャットアウトしてくるカチューシャ。
顔を赤らめ、片手でナイフを振り回す。隣では、左手で右腕の付け根を押さえた少年が真っ青な顔で血を吐いてる。


「アゼル!!こんなとこで死ぬんじゃないっ!!」


叫んだお嬢さんの口と、その口から一本の管で繋がったもう一方の口に同時にツタがなだれ込んだ。

「アアアーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」


くびれかけの腹を突き上げるツタ。揉み上げられる乳。


やだあたし、妊娠しちゃうっ・・・・・・・


絶望に身を委ねようとした身体がふわっと舞った。

「助太刀する!何人戦える!?」

『敵』の王子の声を聞き、一瞬で元の自分に戻る。






床に横たわったチェスカ。何人かの両隊隊員たちが、習いたての応急措置を施していた。
おっぱいの付け根から血が吹き出、はりついた生地に乳房が浮き出ている。

「たいした怪我じゃない、すぐに塞がるさ」

とサーベス。

「アゼル・・・アゼルは!?」
「失血がひどく容態は良くないけど、あの腕はまだくっつくと思う」
「二人死んで三人は使い物にならない。くそうっ・・・あたしの判断ミスだ」
「見たところ損傷は激しくない。急いで蘇生機に突っ込めば間に合うかも知れない」
「ああ・・・あたしもまだまだ未熟者だな。実力を思い知ったよ」

そこへ、アゼルのほうへ行っていたハルが戻ってきた。

「大丈夫か!?・・・て・・・あわわわわ!!!」

はだけた胸、半開きの腿の奥に透けた割れ目。
前を隠そうともしない美少女の姿にほんのり顔が赤くなる。

「やだー、ハルったらあたしに股間をおっ立てて」
「バトルスーツの作用なんだから仕方ないだろう、きみも知ってるはずだ。だれが宇宙一凶暴な殲滅姫なんか・・・」
「あんですって!?あとで覚悟なさい!」

ふと、ハルの隣にいる少年を見上げるチェスカ。

「彼・・・見慣れない子だね」

「太陽系惑星、アースから来た留学生、フリード」

ハルが紹介する。

「まあっ綺麗な子!嫉妬しちゃいそうなくらい」
「『名将も負けることはある。が、名将は奇襲されることはない』・・・・って格言を残した地球人の将軍の末裔さ。
僕たち、いま奇襲されまくってるけど」

「へえーっ、勝ったら後でゆっくりお話しましょ」

起き上がった殲滅姫。

「さあ、あたしもまだ戦える」

両隊の少年戦士数名が取り囲む、イータープラントの動きが再び激しくなった。

「ハル。ちょっとフリード君を借りるわよ」
「ああ。たっぷりシゴいてやってくれ」
「んなんじゃないわよ!あとで地獄に落としてやるから覚悟なさい!」
「地獄で会おうぜ」

チェスカから逃げるように、「みんな、いっくぞー」と数人引き連れ、肉食植物に立ち向かっていくハル。






Back
Next
Menu