「そうら、演技も何もない、素の都築綾太を晒け出してくれたまえ」
異次元空間の暗闇の中で、綾太は悪魔に犯され続けていた。
小さく締まった尻肉は何度も悪魔の巨根・・・人間ではあり得ないほどの太さと長さをもつ肉竿・・・を飲み込んでいた。
ドチュッ・・・ズチュッ・・・ドスッ・・・
機関車のように巨大なピストンの運動エネルギーを、音を立てて受け止める細い骨盤。
突かれこすられる奥の腸壁。その入り口となる綺麗な菊門から、白濁した粘液が飛び散っていた。
「ははは!いいぞ・・・きつく締まるいい穴だ・・・それっ!」
後方から綾太を抱き抱えるように寄りかかる悪魔。その大きな両手は小さな若い胸肉を揉みしだいている。
陰毛の生えていない、真っ赤な粘膜が半分顔を出した包茎は芳醇な香りとともに、とろとろと透明な液体を垂らしていた。
「感度の良い肉だ」
「はァッ・・・!あぁ・・・・ん!」
かすれたボーイソプラノが歌い、腰を痙攣させたとき、新鮮な白濁液が細い腰の中に流れ込んだ。
腸の中を逆流して、口から吐き出すんじゃないかってぐらい大量に。
流れ込んだ悪の種汁は妬けるように熱い。乱暴されたから、内臓がいくつか潰れてるのかも。
菊門は激しく痛み、何度も体内から突かれる美少年の竿は半勃起状で、既に透明な粘液しか吐かなかった。
「ははは! いい顔だな、都築綾太!これにて悪魔との契約は完了した」
悲しみと嫌悪と脳内麻薬で破裂しそうな脳。瞳に宿る希望の炎は風前の灯であった。
もう一層のこと、お尻から裂かれて死んだほうがましだ。そんな思いが頭をよぎる。
「・・・殺すなら・・・さっさと殺してくれ。覚悟はできてるから・・・」
消え去りそうな涙声の綾太。
悪魔は綾太の尻に栓をするかのように、肉棒を挿入したまま、長い黒髪のかかった耳にふーっと息を吹きかけた。
そのおぞましい感触にゾクッと震えた汗ばんだ背筋を、後ろから抱きしめる悪魔。
「・・・美しい」
綾太の顎を指で当て、顔を覗きこむ。
柔らかく薄い肉に覆われた、綾太の細く未発達な骨格が所々、ゴツゴツする。
悪魔はその抱き心地の気持ち良さを全身で確かめるかのように、肌をぴったり密着させた。
密着した体毛がチクチクして、肌がかぶれてかゆくなりそう。
「本当に、殺してしまうには惜しいが・・・鋭く研磨された宝石のように危なっかしい美だ」
僕はこれからどうなってしまうのだろう? 僕のお腹の中はどうなっているのだろう?
・・・お父さん!お母さん!・・・助けて!
小さな子どものように泣き叫んでしまいたい絶望を、自分は勇者なのだという一抹の誇りが何とか食い止めた。
・・・そうだ。僕は腕輪に選ばれた戦士なのだ。最後まで悪魔と戦わなきゃ。
乾きかけの雑巾から元気を振り絞るように、綾太は消え去りそうな声で悪魔に訊ねた。
「悪魔・・・なぜ、あなたは人々を困らせる」
一瞬、眼を細める悪魔。
「ふん・・・」
突然思い立ったように、勢い良く尻の栓を抜いた。
「うあああぁああぁぁぁ!」
顔をしかめる綾太。腸のヒダヒダの隅々まで満たしていた悪魔の子種が、ぷしゅうっと尻穴から吹き出て、腿を伝って流れ落ちる。
「兜童子・都築綾太・・・貴様の勇気に敬意を表して教えてやろう」
柔らかな尻から白い粘液を流しながら床に這いつくばった綾太の横にどっしり座り、悪魔が語り始めた。
遠い昔、T市のあたり一帯の国を治める豪族の長をしていた男がいた。
ある日戦乱が起こり、別の豪族が攻め入った。
村は焼かれ、最愛の妻も、息子も、一族を皆殺しにされた。
男は無念の死を遂げ、宿った怨念が数百年の時を経て、陰陽師の力を借り、男を悪魔として復活させた。
憎き人間どもに復讐するために。
綾太は腹を押えながら起き上がった。
「もう日本はとっくの昔に統一されてるんだよ?子孫だってどうなってるか分かったものじゃないのに・・・なぜ?」
「歴史の中に、我々の悲劇があったことを忘れさせないためだ」
「そのためにまた多くの人々を悲しませるのか」
「ふん・・・平和な時代、幸せな家庭で何の不自由もなくぬくぬく育ったガキに何が分かる!」
尻を平手で打ちつけた。菊穴の奥に残っていた精液がぴゅくっと出る。
ぱしん!
「きゃうっ!」
「我が怨念が晴れない限りは、封印されても何度でも蘇る!」
ぱしん!
「はぁんっ!」
「君を見ていると、私の倅を思い出す。美しい子だった。そういえばどことなく似ているな。
悪さをしたとき、こうやってぶってやったのさえも懐かしい」
なっ・・・何昔を思いだして遠い目をしてるのさ!?
ぱしん!
はっ・・・きゃんっ!
「ぼっ・・・僕のお父さんはもっと優しいもんね」
憎まれ口は新斗を真似てみた。
「きっと、息子さんはお前の行いを喜ばないぜ。『お父さん、破壊はもうやめて・・・!』ってね」
少年俳優として慣れた演技口調で再現する綾太。
その一言に一瞬顔色を変える悪魔。
「くくく、無駄話はここまでだ。さすがは尖った宝石というわけか。心によく刺さる」
僕は本当は優しい男だぜ?
「どうした? 殺すならさっさと殺せよ。たとえ僕が死んでも、他の誰かが・・・新斗がお前を倒すだろう」
「ふん・・・殺しはせん。それよりもっと役に立ってもらおう」
悪魔が持ってきたのは、鬼の腕輪に似たリストバンドだった。
銀色の輪に、赤い宝石が埋め込まれている。
悪魔はそれを、綾太の細い左手首にはめた。
「こすってみろ」
はっと気付く綾太。
「ま・・・まさか・・・」
「そうだ。私も真似て作ってみた。100%同じとまではいかなかったがな」
「これで僕に新斗と戦えと?」
「兜童子が何度でも現れるなら、私もそれに対抗する兜童子を立てればよい。いいアイデアだとは思わんかね?」
「誰がおまえなんかのために戦うもんか」
綾太の顔を見て、悪魔は高笑いした。
「こいつは私の身体の一部を切り離し、触手に再構成して作ったものだ。つまり管理者の思い通りに動かせるのだ!」
悪魔は自分の腕をこする仕草をした。
すると、綾太が触れてもいない腕輪の宝石が反応し、赤色に光った。
綾太はこれから自分の身体に何が始まろうとしているのかが理解できた。
「うわぁっ・・・やめてぇぇぇぇぇぇええええええぇぇぇ!!!」
高く澄んだボーイソプラノが叫び、慌てて腕輪を外そうとしたときには遅かった。
<バイオアーマー起動>
男性の電子音声が脳に響く。
「ははは、鋭く美しい宝石よ、私の剣に生まれ変わるが良い!」
綾太の白い裸体が、腕輪から伸びる濃い紫色の「膜」に覆われ、真っ黒に黒光りする合金装甲が浮かび上がる。
<全身防護システムOK>
<エネルギー充填装置正常 充填率20%>
変身させられてなおも抵抗しようとする綾太。
だが、時間が経つにつれて身体の自由がきかなくなっていく。
「運動神経が良いだけあって、操りやすいわ綾太!」
悪魔の精液が綾太の内側から全身に染み込んで侵食し、身体機能の制御を乗っ取ったのだ。
支配は脊髄を通じて脳に達し、だんだん都築綾太としての意識が薄らいでいく。
さようなら、僕の心。
さようなら、新斗・・・!
「悪魔との契約」の意味。それは闇の兜童子として、悪魔の膝元に屈服することであった。
悪魔の一部に全身を支配された綾太は最早、美しく黒光りする悪魔の宝刀・・・悪魔の武器に過ぎなかった。
「美しきわが戦士よ」
2メートル半の巨体の前に、1メートル半の細くスレンダーな身体が静かに跪いていた。
「・・・はい、マスター」
悪魔が口を寄せるとその髭を蓄えた口に、幼い戦士は自ら口づけした。
舌同士が絡まり、口を離すと糸を引いた。
「いい子だ。貴様はもうずっと、私のそばから離れられないのだ。私の作品なのだからな」
悪魔の大きな手が、黒い兜童子の頭を撫で、正面から抱擁した。
黒い兜童子はそれを受け容れた。
ごつい大きな身体に絡まった華奢な肢体はまるで、紳士の装飾品のように美しい輝きを放っていた。
← Back
→ Next
△ Menu