綾太がステージ上に駆けつけると、男は完全に獣人姿の悪魔と化していた。

「現れたか」

ステージの上で対峙する身長2メートル半の悪魔と、150センチの綾太。

「幼い子供の命を・・・許せない」

「ふん・・・ここを何の会場だと思ってる」

えーと・・・たしか、ここは隠し芸大会の会場のはずだ。

「え・・・?」

綾太が見回す視線の先に、赤いペンキの水たまりはなかった。
ステージの照明もセットも、元通りになっている。
観客が嬉しそうにステージを見つめていた。

まさか・・・全ては悪魔の作り出した幻影だったのか?
いつもなら、
「タネ・仕掛けのあるはずの手品に本物の魔力を使うのは反則でしょう?」
ぐらいのツッコミは自然とひらめくものなのだが、さすがの綾太も今は口が開かなかった。
ふふふっ、僕の足、ガクガク震えてる?これが武者震いという奴なのか?


「で・・・仕事を放り出して変身して良かったのかな?都築綾太君?」

・・・え・・・?どうしてそれを知っているの・・・??
綾太の顔から一瞬にして血の気が引く。

悪魔は指に持った、ビリビリに破れた白い布を見せた。そこにはプラスチックの黄色い名札がついていた。
それは悪魔と初めて戦ったとき、兜童子への変身の際に破れたカッターシャツの断片だった。

「君を始末する機会を伺っていたのだよ。だが、まさかこんなに上手くいくとはねえ」

手の中で、ネームプレートを粉々に砕く悪魔。

「クックックッ、大勢のファンの前で血祭りに上げてやろうぞ」

そこまで言われて、自分が悪魔に嵌められたことに気付いた。


「おおっ、これは何かのアトラクションか?」

沸き立つ観客。


大勢の観客に危害が及ばないよう気遣わねばならない綾太は圧倒的に分が悪い。
畜生!悔しいけど、もう後には引けなかった。
この状況下で勝つしか、生きる道は残されていなかった。




綾太は鬼の腕輪に聞いた。

「どうやって叩けばいい? 何度も戦った君なら弱点を知っているだろう?」

(奴は不死身と言われているけど、体内には悪魔の力を全身に供給する核(コア)があるの。それを突かなきゃ倒せないわ。
今からパワー全開にするから、左の腎臓の下・・・左脇腹のやや下を狙って一撃で決めて)

綾太は右手の剣を構えて悪魔と対峙した。
腰をかがめ、両足を大開きに立つ。小さな尻肉の内部では触手が綾太の菊門奥深くに入り込み、
ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てながらエネルギーを供給していた。
慎重に間合いを詰めると、右から斬りかかるようにフェイントをかました後、左脇腹めがけて突いた。
だが剣は悪魔の左脇を素通りし、逆に綾太の右腕が悪魔の左腕に挟みこまれてしまった。
ニヤリと笑う悪魔の髭面。

「しまった・・・!」

「何度でも同じ手にかかると思ってるのか!」

左腕を大きな右手に掴まれると、悪魔の巨大な爪先が綾太の腹にめりこんだ。

「お・・・おげぇ・・・」

<腹部装甲板 25%損傷>

膝がまるでリフティングするかのように、綾太の胸や腹、股間を打つ。

<胸部装甲板 10%損傷>
<耐衝撃防御力 20%低下>

ダメージが重なり、合金装甲が凹んでいく。

(ごめん・・・例によってあなたの力、借りるわよ)

渾身の力で悪魔の脇から右腕を引き抜き、一旦悪魔から離れ距離を取る。
股間にするすると巻きつく細く無数の触手。
イソギンチャクのようにおち◎ちんに巻きつき、性刺激を開始する。

幾度の戦闘経験により、綾太の性感帯を覚えてくれているバイオアーマー。
綾太が性的興奮に達するのに、そう時間はかからなかった。
だが、背後からバイオアーマーのとは明らかに違う、別の感触があることに気付いた。




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