「ただいま!」

ドアを開けると、10年親しんだ我が家の匂いに心がホッとする。

「おーっ、我が家のスターが帰って来たぞー」

居間に置かれたトリニトロン管29型テレビの前で、スナック菓子を頬張りながらうつぶせに寝転がっている新斗。
Tシャツにハーフパンツ。締まったお尻をふりふり、おち◎ちんをカーペットに擦りつけながら、
サッカーアニメのVHSビデオを見入っている。

「こら、お行儀が悪いじゃないの! お兄ちゃんを見習いなさい」

説教している母。
兄弟を生んだだけあって、40を過ぎても美人である。
今夜はママさんバレーがなかったらしい。
兄弟の運動神経もまた、母親譲りなのかも知れぬ。



「綾(りょう)ちゃん、その格好どうしたの?制服は?」

体操着姿の綾太を見て、非難するような口調の母。

「ごめんなさい。この格好で局に行く途中に悪魔に出くわしてパニックに巻き込まれているうちに、
 制服を入れたかばん、なくしちゃったんだ。明日の着替えはあるから大丈夫。」

でまかせの嘘をつく。目を合わさず、平然と鞄を下ろす綾太。

「・・・そーお? 綾ちゃんも目立つようになってきたから、『いじめ』にでもあってないか母さん、心配で心配で・・・。
 夕食にする?お風呂にする?」

そのニ択なら答えは決まっていた。



まだじっとり湿った体操シャツと紺のショートパンツを脱ぐと、大人の男になりきっていない少年の、細く美しい裸体が姿を現した。
華奢な腕を伸ばして洗濯物カゴに入れる。
そういえば、ブリーフパンツが入ってないのは不自然だ。
後でカモフラージュに1丁、入れておこう。
鬼の腕輪は・・・さすがにつけて入るわけには行かないので、棚に隠した。


全身を縦長の鏡に映してみる。
家のトリニトロン管テレビで見る自分と同じ、美しい顔が映っている。
悪魔の舌にしゃぶられたおっぱい、締まった腹部、背中、肉付きの薄いおしり、無毛のおち○ちん、
まだ産毛しか生えてないフトモモ、すね・・・特にアザや傷がついたりはしていないようだ。

開脚して、ピンク色の菊穴を映してみた。
決して誰にも見られることのない、自分だけが知っている秘部だ。

・・・この美しい肉体をはだかんぼーで抱きしめ、この秘部を見てみたい。
・・・声変わりを迎えていない澄んだボーイソプラノをあえがせたい。

そう密かに妄想している男女が全国に少なからずいるという事実は、綾太には知る由もなかった。


浴室でシャワーを浴び、泡の中でおち◎ちんの皮の裏までしっかりと洗う。
皮を剥くと、夕方の戦いでバイオアーマーの触手にいじられまくった粘膜がまだ赤い。
一人でお風呂に入ってると、いろんなことが浮かんでくる。
昼間の悪魔のこと。仕事のこと。学校の友達のこと・・・。



一日の疲れを癒そうと、ゆっくり湯船に浸かっていると、いきなり新斗が浴室のドアを開け顔をのぞかせる。
ばしゃっとおちんちんを隠す綾太。

「なっ、なんだよ、いきなり! 」

「まあまあ、落ちつけって・・・兄貴、長い付き合いだろ?男同士なんだし」

綾太よりややハスキーがかった、陽気な声が返ってくる。

新斗は服を脱ぐと、浴室に入ってきた。

1歳年下だが、背丈は綾太とほぼ同じ。
女性のように綺麗な肌の綾太と違って、新斗は健康的に日焼けし、サッカーで鍛えた細くも筋肉質な肉体。
夏休みは体力づくりにプールに通ったせいか、綾太よりやや小さな包茎おち◎ちんのあたりだけが、
日焼けせずに白くなっている。

さっとシャワーで汗を洗い落とす。
小麦色の肌を、シャワーの水玉が流れてキラキラと輝く。

さっとボディーシャンプーで汚れを落とすと、いきなり綾太のいる浴槽に入ってきた。
広い浴槽ではない。中1と小6が2人入ったら一杯だ。
ザバーっと豪快に水が溢れる。

「ああん、お湯が勿体ないよ、新斗。まだ後でお父さんが入るんだよ?」

「へへっ、こうやって2人で入るの、久しぶりだな。3年ぶりか?」

白い綾太の首に、日焼けし綾太より太い腕を回す新斗。

ふたりとも、あれから成長したものだ。

綾太は小4のとき、記念に応募した子役オーディションにたまたま合格し、タレント生活がスタートした。
新斗は小3から、最初は健康のために始めたサッカーで才能を開花させ、
今や地元の小学生サッカーの名門チームでキャプテンをしている。


何と幸運に恵まれた兄弟なのだろう?
その幸運を子供のうちに使い果たすのではないかという不安も、ないわけではなかったけど。


新斗の体温を感じながら、美しく澄んだ瞳が黙って下を向いている綾太。

「へえーっ、これが街中の注目する、アイドル様のカラダかぁ〜。」

綾太に背中から抱きつき、脇腹あたりを揉み揉みする新斗。

「あン、何するんだよ、もうー」



綾太がその手を振り払ったとき、新斗の口からギクリとする言葉が出た。

「なあ兄貴、今日のテレビ、緊張してたね」

「・・・!!!」


「それだけじゃない。さっき、母さんの前で隠し事してただろ」


「何を言ってるのさ?」と、平静を装う綾太。

「ほらそうやって、痛いところを突かれると御魔化す。僕、何年兄貴の横にいると思ってる?
 僕は都築綾太の綺麗なところも汚いところも、兄貴以上に知っているんだぜ?」

新斗の意地悪い視線が、綾太を突き刺すように攻撃する。

「何を抱え込んでる?」

そう言った新斗を逆に睨み返す綾太。

「君に僕の何が分かる? 知ったような口ききやがって」

立ちあがる綾太。新斗の顔の前に、美しい尻が浮かび上がった。

「お・・・おい、僕は兄貴のこと心配して・・・」

細い腕を掴む新斗。

「心配無用さ。都築綾太は、新斗が思ってるほどヤワじゃない。・・・先に出るよ」

そのとき湯舟のタイルに足を引っ掛け、綾太の身体が前のめりになった。

「あっ・・・」

とっさに湯船から立ちあがり、抱き抱えるようにかばう新斗。

「兄貴、あぶない!」


ばっしゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

気がつくと、綾太を下に新斗が押し倒すように、裸で向かい合って抱き合う形で倒れていた。
ほとんど造詣の違わぬ美しい顔が向かい合った。その距離10数センチ。お互いにかかる吐息。
新斗の頭から垂れる汗混じりの雫が、ポタポタと綾太の頬に滴る。
お互いのおち◎ちんがこすれ合って、敏感な生殖器官を通し、まるで神経がひとつにつながっているかのような錯覚。


「痛・・・・」

「あっ・・・兄貴、ごめん!」

ビジュアル的ヤバさを感じ、弟を突き放そうとするが、狭い浴室の中、絡まった肉体はなかなか離れない。

「離れろよ! ったくもう〜」

「兄貴こそ!」

揉みあう二人。

廊下から足音がしてきた。

「ちょっとー、あんたたち、今の音は何? また喧嘩してるなら許さないわよ」

母の声。

(おい兄貴、これはやばい! この体勢を母さんに見られるのはやばい)

(なんとかしてぇ〜)

以心伝心のアイ・コンタクト。
それは兄弟共通の「敵」が現れたときにのみ発揮する能力であった。




がちゃっ。

母が浴室のドアを開けると、立ち上がった新斗が両腕で綾太の両足を掴み、足裏でおち◎ちんに電気あんましていた。

「うりうりうりぃ〜、どうだ悪魔、まいったかぁぁ〜〜」

「ぐわあぁぁぁぁああ兜童子には勝てない〜〜・・・・あははははははは、くすぐったいよもう〜〜」

じゃれ合ってる二人に、呆れ立ち尽くす母。脱力し、怒る元気も消えうせる。

「・・・はぁ〜、いつまでたっても子どもなんだから・・・もう中学生なのに・・・
 ふたりのこの姿を雑誌にでも知られたら母さん、恥ずかしくてもう街を歩けないわ・・・ブツブツブツ」

独り言をつぶやきながら去っていく母。
綾太のアドリブと抜きん出た演技力は、幼少時から弟と母によって鍛えられてきたという要素も否定できない。

「ふぅー、難は去った」

新斗の、普段ボールを蹴る足に踏まれた刺激で、綾太の竿がヒクヒクと半勃起している。

「わーっ、兄貴ーやーらしー!僕の足、気持ちよかったの?」

そう言う新斗のおち◎ちんも勃起している。本能的に、サディズムの興奮を感じたに違いなかった。

「僕・・・先に出る!」

綾太は顔を真っ赤にして浴室を出た。







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