【6】

若すぎた救世主。美少年拳士・ミーシャは繰り返し犯された。

「っンッ…ンンン〜〜〜〜〜〜〜〜!」

くぐもったボーイアルトの裏返った喘ぎ。
そのとき、わたしは知らなかった。尿道に細いストローのような管が突き刺され、
文字通り最後の一匹まで吸われようとしていたことなど。

「ふははははっ…弱いッ…弱いぞミーシャ!サカリのついた勇者など、我々の敵ではないわ」

少年の性器は、蓋さえなければぐちゃぐちゃどろどろの大洪水になっていたはずだった。
乾ききった大地の上に、いや…少年の小さなふたつの腰袋に、これほどの水分が溜まっていたのかと驚くぐらいに。
同じくらいの汗が、肌から湯気となり揮発していっている。
弄られるおっぱいが夜の冷気にキュンッ!と締まる。
背骨が溶けてペニスから流れ出しているのではと思うくらい、ミーシャの脳は快楽に満たされ、
全身すべてが性感を感じる器官と化していた。

くちゅっ…くちゅッ・・・クニュッくにっ…ずちゅっ・・・

「あ゛あ゛あ゛゛あ゛あ゛゛あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・」

幼い陰茎を捏ね回す触手獣の動きがますます盛んになり、白目を剥いた少年の三度目の絶頂が月にこだましたときだった。


<マッド・デビルズ>の兵士の一人が報告に走ってきた。

「大変でございます隊長!西から鷲の旗を立てた騎馬団がこちらに向かっております!」
「なにぃ!?」

のろしが上がり、見上げた夜空がぱあっと昼間のように大地を明るく照らす。
そこを次々にヒュンヒュンと火矢の明かりが無数の赤いビームとなって横切る。

「敵襲ッ、敵襲ーーーッ!!応戦用意!シーマングラブは搾取を中止ッ!」

ドクロワッペンの黒装束が整列し、西の方角へ向けて銃撃を開始する。
だが、その頭上では何本もの矢を受けた淫獣が吸い上げた白濁液を吐き散らし、のたり狂っていた。
少年の3つの穴からずるずると触手の栓が抜け、手足を縛ってたのがにゅるりと外れた。

「畜生っ…ふげっ!」

見上げた大男の顔にドスンと落下する、ペニスから粘液を垂らした少年の細い腰。
顔の凹凸がぷるんと柔らかな尻肉に埋まり、しかし次に骨盤の硬さと重力加速度のついた体重で鼻を押し潰す。

「痛ぇな小僧っ!」

『隊長』は鼻血を流しながら、宙を堕ちるミーシャの背を蹴り上げながらわたしの娘に手を伸ばした。

「お嬢ちゃんも一緒に来るんだっ、このイケメンくんと結婚させてやろう!」
「いやああああっ!」
「いいか!?遺伝学的に娘は父親に似るという。ミーシャ似のおなごを沢山産んで、わしの妾に…!」

おいおい、そっちかよ!
以前にミーシャも言ってたっけな、
<おっさんの娘ならお断りだ。あんたの顔を見ればだいたいどんなのか想像つく>って。
そのミーシャはうつ伏せに這いつくばり、大男に尻を踏みつけられていた。
圧迫され、大地にこすれた陰茎の先端からまたドクンと白濁液を噴き出した。

「あぅっ…」

わたしは懸命に娘の腕を引っ張った。

「させるかぁぁっ!わたしのシルビアを…そしてミーシャをッッ!!!」
「…おいオヤジっ、娘をはなせ!」
「お父さぁぁぁん!!」

わたしだって昔ラガーマンをやってたのだっ……でもっ……ぐきっ。
アイタタタタ!もう歳だ……!
ついにわたしの手のひらからシルビアがすぽりと抜けてしまった。

「シルビアーーーーー!」

ドカッ!!

大男が体勢を崩したのを見計らって股間を蹴り上げるミーシャ。

「でやぁぁぁぁっ」

股間でも腿の動きにあわせ、ふるんっと性器が揺れる。
その足の指は棒状手裏剣を握っていた。

だが0コンマ数秒後、悲鳴を上げたのは高い声だった。膝を抱え、痛みに顔が歪む。

「ふはははは!きさまの切り札はお見通しだ。股間には鋼鉄のプロテクターが仕込んであるのだよ」
「あぁ…うぅぅっ…」
「殺してやる」

首根っこを掴んで軽く持ち上げたミーシャをベアハッグで締めつける大男。
力が入って一層太くなった腕と比べると、少年の長い手足はあまりにか細く見えた。

「ふんぬっ…!小僧…死ね…」
「゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

少年の声にならない叫びとともにバキバキと骨が軋み、ミチミチとしなやかな肉繊維の弾ける音が響いた。

「自慢ではないがな…わしは野生の熊を絞め殺したことがあるのだよ」

青く澄んだ瞳が虚ろになってく。

「ふはははは!これで最期だ」

言った時、シルビアが大男の手に噛み付いた。

  (その子をっ…放しなさいっ…)
「いててててっ!小娘がぁぁぁっ!」

大男が太刀を抜き、振り上げたときだった。

ざしゅっ…

顔とつながった太い首が宙を舞った。

「なっ…」

「お怪我はありませんか!?」

巨大な矛を持って現われたのは馬に跨った30歳代ぐらいの男だった。
身長は2メートルくらい。筋肉質なガッチリした肉体は甲冑で覆われ、
頬骨のすっきりした、なかなかの整った紳士顔は口髭を生やしている。

「あなたは…」
「拙者、世界に再び光をもたらさんがため旅を続ける者。ロラントと申します」

この男が、勇者ロラント…!?

名は聞いたことがある。
もとの身分はオージー共和国の奴隷戦士。
戦争で世界が破滅する間際、仲間たちと共に奴隷解放のため蜂起したという。
以後、世界各地に広まったマッド・デビルズによる暴力で押さえつける独裁支配に抵抗し、
レジスタンスを組織し、自由のために戦っているという噂の豪傑。
肩には確かに、バーコードの入った焼印の痕があった。





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