駆(かける)がお尻に違和感を覚えたのは、棒がブースターの穴に突っ込まれたときだった。
電磁力を帯びた棒が奥へ入るたび、まるで座薬でも挿入されるかのような圧迫感を感じていた。
「ンン…ううう」
パイロットスーツの生地が奥まで突き上げられ、直腸の粘膜にねじり込まれるような感覚を覚えたとき、
以前デッドカイザーに関する資料で読んだことを思い出した。
<デッドカイザーは人間の弱い部分を突いてくることがある>
とっさに、こないだ保健の授業で習った内容を思い出し、「ああ、そういうことか」と、なんとなく意味を悟る。
直後、機長権限を使って、クィーンセイバーと隆也のパイロットスーツとの神経リンクを遮断した。
高谷隆也という前途多望な『地球人』少年を、これ以上アーク星の戦いに巻き込めないという責任を感じて。
(傷つくのは、ぼくだけでいいんだ)
ときどき、鏡を見たくないぐらい自分を嫌いになることがある。
この女の子みたいな顔を、人は羨む。
学校の成績は上の中ぐらい、運動も苦手じゃないし、絵もそこそこ。ゲームでも負けたことはない。
だけど、それが何だというのだろう?
家でも学校でも、ずっと仮面を被って生きてきた。
妹の茜の前では完璧なお兄ちゃんであり続けた。
(二人目の)母さんを困らせない、利発な息子を演じてきた。
先生の前でも、松岡司令の前でも…気さくで温和で、頼りがいのある模範的な児童を演じてきた。
ぼくはアーク星の戦士。なのに体格で既に、リュウに負けてる。
そして今、地球を守るはずだった戦闘マシンを通して自分の貞操を犯されてる…!
「ひああっ…アッ……」
クィーンセイバーはアーク星神話に登場する女神を象って作られたといわれている。
まさにその蜜壷に女の快楽を流し込まれているようなものだ。
【アアァンッ……アッ……】と、今にも電車のお姉さんの声が漏れてきそう。
快楽は神経リンクを伝ってビンビンとスレンダーな肉体に流れ込み、背骨を伝って電撃のように脳に昇ってく。
今年の春先にはオナニーを覚えていた駆。家族が誰もいないときを見計らってペニスを擦るときと似て非なる、とろける感じがお尻の奥のほうからジワリとくる。
(しかもぼくっ、縛られてるし……)
パイロットスーツの内側で独りでに勃ち上がったおち○ちんに、うつぶせに倒れて地面にこすられる、クィーンセイバーの股の感覚が加わる。
しかもその先端は排尿パッドにより、まるで強烈にキスされてるみたいに吸引され続けているのだ。
くにゅっ…くにっ…ふにっ…ぷにゅっ…
「ハァッ……アッ……ウッ…ン……」
座席に座りながらにして引き締まった小尻にハリガタを突っ込まれ(駆はハリガタという玩具の存在すらまだ知らないが)、
ペニスを床に擦りつけ、吸引され、手足は縛られているかのような感じ。
棒が綺麗な穴の内側でゆっくりと、上下運動を開始する。
じゅぶっ……ぐちゅっ……ずちゅ…
ピクピクと細い腰をくねらせながら、手でパイロットスーツの上から薄い胸肉を弛緩する。いつもオナニーの時やってるみたいに。
「アッ…ううン……ヤ…ハッ…アアッ…」
多くのクラスメートから羨望された少女の顔が歪む。
左のモニターを見ると、下の階にいる隆也が、カメラに向かって自分の名を呼びかけてるのが映ってる。
こっち側からの映像は切ってあるから、実際には自分の姿は見られていないのだが、見つめられているという錯覚がますます興奮を呼び起こす。
くにゅっ…くにっ…ふにっ…ぷにゅっ…
ふふっ…ぼく…こんなんになっちゃったんだよ……
母にも茜にも隆也にも、誰にも見せたことのない、自分の中でいちばん嫌いな表情。
でもオスとして生を受けた駆の本能は、普段の人一倍の理性さえも消し飛ばしてしまうほどのパラダイスをもたらしていた。
「ハァッ・・・ハァッ……ン……」
ピストンは徐々に自分の深いところ、奥へ滑らかに挿入されていき、腸を突き上げている。
その動きに呼応してゴリゴリとこすられる、おち○ちんのちょうど裏側。
ずぶっ……ぐちゅっ……ぐちゅ…
「あっ…アッ……ンウ〜〜……」
男の子の証の前と後ろからいじくられ、たっぷり性汁の含んだ海綿体を搾り取るように、
ビュビューッと透明な粘液が先端から吹き、パイロット・スーツの内側を汚す。
光沢あるテントの頂点にじわり滲んだ染みを、排尿ホースがジュジューーッと吸引して吸い取ってく。
誰をオカズにしているわけでもなかった。弄られれば勃ってしまい、射(だ)してしまう年頃の男子の真実は、
アーク星人でも地球人でも、そのハーフでも変わりなかったのだ。
『カケル!!痛いの!?苦しんでるの!? カケル〜〜〜〜〜〜〜!!』
涙声みたいなリュウの叫びが、スピーカーから響いてる。
くにゅっ…くにゅっ…ふにゅっ…ぷちゅっ…
ふふっ……ぼくはだいじょうぶ。キモチイイこと一杯されて……きみを守るよ……ぜったい…れったい…守る…か…あ……あはっ…
口もとからよだれが垂れ落ちる。汗で水分が飽和し、透けて貼り付いたパイロット・スーツに全身の凹凸がうっすら浮かび、雫が艶かしく流れ落ちる。
勃起したペニスのヒクヒク脈動するのに合わせ、排尿ホースもまたピクンピクンと上下している。
射精感が近かった。
ビクンッと細い腰、胸を海老反りにして、ペニスがぷるっと震えた。うねる腰つきが早まり、栗色の髪から汗雫がキラキラと散る。
「アッ…ハァッ…あんっ……あっ…………ぼく・・・イクッ…!!…イッちゃう〜〜〜〜っ!!」
どくどくっ……ぴゅううっ……どくどくどくっ……びゅるるるるる〜〜〜!!
学年一の美少年が、アーク星戦士の遺伝子をパイロット・スーツの中にぶちまけた。
コクピット内にぱあっと栗の花の青臭い香りが広がって、薄い生地を突き抜けたスペルマが吸引機にジュルジュルと吸い取られていく。
三日前にオナニーしていたためかミルクの粘度は高くなかったにもかかわらず、若さを反映してか、
吸い取りきれなかった精液が腿を伝って膝のあたりまで濡らすほどの量だった。
「はぁっ…はぁっ……」
たっぷり出した満足感を感じながら、駆は細い体重を座面に委ねていた。
指でパイロット・スーツの、勃起してヒクついてるペニスの上に溜まったザーメンをしゃくり上げ、トロッと垂れ落ちるのを恍惚と眺める。
「……母…さん……」
全身は汗まみれで、体の内側からも発せられた熱に頭はますますくらくらする。
神聖なる戦の女神の胎内で果ててしまった背徳感とともに。
(ああ…ぼくは……)
イケナイ子だ、と自責が芽生えた頃。
ふと、指についた白濁液に、ほんのりと赤が混じってることに気付く。
そればかりか座面がべっとり濡れてく感触があった。
次に尻の疼く快感が、激しい腹痛を伴う痛みに変化していった。
恐る恐る視線を下に向けると、呼吸に合わせてピクピクとおへそが上下するお腹があって、
さらに下にはまるでお尻から血の塊でもひり出したみたいに、赤い池になった座席があった。
「い……やっ……」
慌て見上げたモニター画面には<損傷率37%>の表示とともに、クィーンセイバーに差し込まれた棒の細く尖った先端が、
ちょうど上部コックピットに入り込んでいる図が映っている。
ブースター開口部から奥深く突っ込まれた棒は機長のシートを突き破り、パイロットの尻からお腹にかけて突き刺さっていたのだ。
「うわっ……い……や…だ……」
シートから床に流れ落ちる、赤い血。おしりの奥から溢れてくる。
ベルトで縛り付けられた上に棒で串刺されて、立ち上がることもできなかった。
とろけるような快楽にかわって駆け巡るのは、身を引き裂かれる凄まじい痛み。
「ぐうっ……あああああああああああ〜〜〜〜!!」
ずぶずぶずぶ!!じゅぷっ!!
流れ出た血をヌルッと潤滑油にして棒がさらに深く捻りこまれ、鋭く尖った先端がおへその上あたり、締まったお腹を突き破って頭を出す。
「ああ……ひぃぃっ……おおっ……ああああああああ〜〜〜〜〜!!」
その動きに合わせ、裏側を圧迫されたペニスの先端からまたトロリと精液が吹きこぼれる。
昔、まだお父さんが家にいたころ、清流の川上にある小屋までドライブして、アマゴ料理を食べたことがある。
生きたアマゴを口から尾まで竹串で串刺しにして、炭火で炙るのを見たときは「残酷だなあ」って呟いた。
お店の人はきょとんとした顔をしてたけど。あの川魚も今のぼくと同じくらい苦しかっただろうか?
とにかく、お尻からこれを抜いて病院にいかなきゃ、ぼく死んじゃう!
それは均整の取れた細身の、美しい少年の肉体の生き刺しであった。
若い身体をびくびくとくねらせながら、何をなすべきか分からない真っ青の表情で、吸引機で血を吸い取る駆。
血を集めて、なんとか身体に戻さないと……出血多量で……ねっ…ははは……
『カケル!?カケル!?』
ふと足下からガンガン叩く音が響いているのに気付き、はっと我に帰る。
画面には隆也の戦闘状態が「油圧操作モード」と表示されている。
(えっ…リュウのやつ)
『なにやってんのさカケル! 戦闘はまだ続いてんだぞ!?』
一瞬、機体がゴォン!と動いたかと思うと、クィーンセイバーはレーザーブレードで触手を断ち切ってジャンプした。
霞む視界の中、モニターに映った上空の映像に目をしばたかせる。
『集中だよ、ちゃんと前を見て!! 勇気出して!!』
友の掛け声が、少しだけ落ち着きを呼び戻してくれる…いつもの冷めた平常心からは程遠いけど。
大切な気持ちが胸に戻ってくる。
そうだ。戦いはまだ、終わっちゃいない……。
汗みずくの駆はゲホッと血を咳き込んだ後、赤く染まった手で操縦桿を握りなおした。呼吸は早く、胸の上下が小刻みになってくる。
(ぼくの命が果てても、守るために力を尽くさなきゃ。ぼくを支えてくれたリュウを、茜を、地球の皆を)
パイロットスーツに盛り上がった上向きのペニスは自ら射出した生臭い蜜に濡れながら、鼓動にあわせて半勃起状態のまま脈打っていた。
まるで少年の生の残り時間をカウントするかのように儚く、最後のいのちを振り絞って。
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