ジープを運転するベージュの帽子をかぶった白人はミラー越しに、後方でトラックが横転、爆発するのを見た。

「くそっ、またターザンだ!」

小さな影が今度はジープを追ってきた。

「だがな。今回、我々には新兵器があるのだよ」

後部座席に乗った、口髭を生やした白人が呟いた。
以前に一度、罠にはめたターザンを断崖に追い詰めたことがあった。
そのとき銃弾の集中放火を浴びせた。
古代の未知なるパワーに守られた少年にはほんのかすり傷程度しか与えられなかったが、
白銀色の甲殻の小さな破片を回収することができたのだ。
彼らは金属に宿るエネルギーを中和し、ターザンを無力化する研究に成功していた。

チーターにまたがったスーパーターザンは時速100キロ近い猛スピードで並走するジープ2台の後方40メートルにぴったりとついてくる。
白人たちは後方にマシンガンの掃射を浴びせるが、前面に張られた理力の盾が弾幕を跳ね返した。
少年の右腕が光り輝く槍を構え、澄んだ眼光が右側のジープを睨みつけた。




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