第9話 「貞女 幾松」

主要ゲストキャスト
幾松:岡江久美子、お縁:新井春美、桂小五郎:坂口徹郎。

ストーリー
元治1年7月19日、蛤御門の変後。

蛤御門の変で長州と戦った新撰組は、新撰組が京の町を焼いたと噂されていた。
勘定方で戦場に出なかった多喜人と、皆の間に人の死に対して少し隔たりができてしまう
京に残る桂の居所を聞き出すため、幾松を捕まえては? という案が出るおり、幾松が乞食に扮した桂から高杉に宛てた手紙を託され京を出るところを捕まるが、拷問を受けても頑なに口を噤み、手を焼いた新撰組は解き放つ。

感想
蛤御門の変が勃発する前の布陣って、めったに見られないシーンなんじゃないかな。
そういうところで、新鮮さを感じました。

皆が走ってるシーンで、土方さん・近藤さんに続き、沖田の顔も見えたので一安心
でも、土方さんが先頭きって走ってるけど、ドラマだからそうでないと絵にならないけども、実際は先頭は可笑しいよね(笑)

屯所に戻りついた途端に、傷病人が溢れてるって、思わずどうよ! って突っ込みたくなったのは内緒で(笑)
しかも、死ぬ間際の人間に急須で水ごくごく飲ませるなんて、ありえないっしょ!!

島原での戦の祝勝会で、綱太郎が人を切ったことに対して色々言ってることは、なんだか今更だと思えるなぁ。
新撰組に居る以上は戦場であろうとなかろうと、人と刃を向け合い斬りあうことになるかも知れないってことは、日常茶飯事だと思うんだけどな。

おっ! 幹部だけは別の静かな場所で宴会ですか。
メンバーは、近藤さんをはじめとして、時計回りに土方さん、沖田、原田、山崎。で、後一人よく見えないのは誰だろう? 永倉・藤堂あたりだろうけど?
あと、沖田だけ座高が高く見えるのは、一人だけ胡坐を組んでなくて、行儀正しく正座なのかな? だったら、なんだか可愛いなぁ。
でも、沖田はよく映らなくて残念だわ。一言ぐらい喋ってくれてもいいじゃんねぇ?

祝勝会帰りの酔っ払った隊士たちとニアミスしたのはたぶん桂小五郎で、伊之助たちが握り飯をやった乞食の一人も桂だよね。
まぁ、偶然って恐ろしいわぁ(笑)

幾松は芸妓でお座敷に出てる身の上。
だから、幾松の顔ぐらいとっくの昔に新撰組は知ってたはずだと思うんだけどな。
土方さんじきじきの尋問で、一緒に居るのは捕まえてきた山崎と、出番の多い原田だね。
拷問しても口の堅い幾松を見て、土方さんは何を思ったのかなぁ?
きびすを返したその足で、近藤さんの所にご報告。
近藤さんの「歳さんでも苦手な女が居るのかね」って台詞が秀逸。いいわぁ(笑)
で、幾松の拷問を山崎と原田に押し付けて出て行った土方さんに対する、二人のぼやきがまたいいわ。

桂から預かった手紙はどうなったかなぁ? と思っていたら、やっぱり襟に縫いこんでたのね。
でもさ。それぐらい見破って欲しいよなぁ。
一応全部身包み剥いで、チェックするぐらいはして貰わんと、新撰組の名が泣くぜ。
それはさておき、幾松が「誰が新撰組なんかに桂を売るような真似をするか」っていうけど、伊之助たちが昨日乞食におにぎりやったこと知ってるって喋ったことは、勘がよければあの中に桂、もしくは関係するものが居たと言ってる様なものだと思うんだけどさ。
事実、伊之助はそう思ったみたいだし。へたれだからそれ以上のことは何もできなかったわけだけどね。
第10話 「友禅流し」

主要ゲストキャスト
小つる:太田由美子、猪俣蛾次郎:遠藤憲一、伊東甲子太郎:竜崎勝。

ストーリー
元治1年9月、近藤の江戸行きから、10月の帰京直後まで。

近藤が江戸に行き留守の為、体内の規律が緩み土方は眉を顰める。
ある日寝坊をした峯太は、その引き締めの見せしめにされ、土方の扱きによって怪我を負い、伊之助が代わりに探索を行なった。
しかし、ちょうどその時峯太が寝坊してまで手紙を書いた相手である友禅流しの女・小つるが訪ねて来たのを土方に見咎められた峯太は、功を焦り相手を逃がして隊務を外されてしまう。
その後、伊東甲子太郎と一緒に入隊して来た猪俣蛾次郎が、峯太の代わりに探索方に入り活躍してしまい、さらに居場所をなくした峯太は脱走しようとしたが、一緒に逃げようとした小つるに拒まれて、探しに来た伊之助らと隊へと戻り、ようやく探索方へ復帰する。

感想
友禅流しの女・小つると峯太の追いかけっこから始まるけど、ほんと追いかけっこが好きだなぁ。伊之助たちとも追いかけっこしてるよ。
近藤さんが留守中とはいえ、ちょっと羽目を外し過ぎな気もするけど……。
まぁ、原田と山南さんが微笑ましく見てるからいいかぁ。
ただ一人土方さんだけは、おっかない存在のようで、対処を相談しに山南さんのところへ行ったりして。
こういう土方さんを宥める沖田っていう構図を見たかったりするんだけど、このドラマでは叶わず悲しいな。

で、沖田の出番なしかと思っていたら、隊士たちへの気の引き締めとして、局中法度の唱和中に沖田の姿が遠目にちらりと見えたので嬉しくなったりしたけど、山南さん・原田・藤堂の顔は大写しに出たけど、沖田が出ないってなんか問題でもあるの??
土方さんが道場で扱くシーンでも沖田は出てこないし。つくづく沖田は冷遇されてるなぁ。

峯太を扱く土方さんを伊之助は怒るけど、それはお門違いな気がするよ。
発端はたかが寝坊だけど、されど寝坊だと思うし。
それとは別に、土方さんの書道の稽古(なんだろうか?)中に、原田が峯太の処遇について直談判に来るのが男らしいな。

それにしても、実際包帯巻いたままの姿で探索なんか出来ないよね〜〜。
目立ちすぎて隠密行動できないじゃん。
で、仕事に失敗した峯太を隊務を外すだけで切腹もさせない土方さんって、なんだかんだ言いつつ優しいよねぇ。
私はてっきり、あの失敗で腹を斬らされるものだとばかり。

土方さんと伊東の初対面は火花バチバチと飛び交ってましたね〜〜♪
でも、そんな土方さんの背後にいたのは、原田と藤堂。なんで、沖田じゃないのよぉ!! ケチね! ちょっとぐらいサービスしてくれてもいいじゃない! なんてね。

居なくなった峯太を探し回る場面、大声出していたら、すぐにばれるというか、見つかると思うのよ? 
脱走した峯太が小つるを連れ出そうとして、「和歌山の海は見たい」が「京の女子は京以外では住めへん」と断られるあたり、うんうんと納得してしまった。
結局は、女は男と違って夢だけでは食っていけないってことだよね。
第11話 「湖の宿」

主要ゲストキャスト
明里:五十嵐めぐみ。

ストーリー
慶応1年2月、屯所の移転問題と、山南の切腹。

脱走者に対する切腹の是非を巡って、山南と土方の意見が対立。
そんな中、西本願寺へ屯所移転の話が持ち上がる、
それを知った伊之助たちは、お里たちとの別れを予感していた。
屯所移転を推し進める土方らに対して反対していた山南は、新撰組での居場所をなくしたと、明里の元で鬱々と酒を飲んで居続け、伊之助の迎えにも首を横に振るが、説得を続けた伊之助に心を開き屯所に戻る。
しかし、戻ってきた数日後に、山南は脱走し切腹に至った。

感想
山南さんと土方さんの二者会談かと思ったら、近藤さんと伊東さんも含んだ四者会談だったのね。
ここでは、「脱走は切腹」などの局中法度による締め付けの議論してるわけだけど、これが山南さんが脱走したときの切腹への流れになるんだろうな。

明里から預かった手紙を、脱走者が出たりしたとはいえ、いつまでもぐずぐずと渡せず、あまつさえ水の中に落とし、そこに通りがかった山南さんに対して、さらに隠して島原までのこのこ付いていくなんて馬鹿じゃない? で、結局ばれてるし。

西本願寺移転を押し通そうとする土方さんと、反対する山南さんか。お約束の構図ですね。
このときの並びは、上座の左に土方、右に近藤。あと時計回りに伊東、原田、山南、以下略(っていうか誰だかわかんないよ)の順。
前の四者のときは、近藤、土方、山南、伊東だったので、並びに基準はないんだな。
なんかきちんと決まっているようなイメージがあるんだけど。

山南さんの書いた「心機一転」の文字が、なんだか結末を知ってるだけに、物悲しい。
などと思っていたら、書いてから数日後に破り捨てられていたね。
でも、実際に山南さんが脱走に至った訳は、一切触れられていなくて謎のまま。
「心機一転」と書いておきながら、山南さんが出来なかったというのか、それともさせれなかったという意味なのか。

ところで、山南さん脱走後に、近藤・土方のところに来た三人はいったい誰だ? 藤堂・永倉・原田のように見えたけども。いまだに、藤堂と永倉の区別が付かん。

山南さんが沖田に捕まったところ、ナレーションでさらっと流すなよ!!!
なんで、そこまで沖田を蔑ろにする訳? ちっとは、出番を増やしてよね!
この後の山南さんが帰ってきたシーンでは、その後ろに泣きそうな顔をした沖田がやっと登場したけど……。あれだけでは、納得できな〜〜〜い

再度の脱走を望む藤堂と、伊東。それに明里との格子越しの別れも、定番中の定番。

大津で捕まったのは、明里の遊女が初めてのお客にする嘘の身の上話であった「大津に捨てられていた」というのを信じたかららしい。
だから、大津のシーンでは居もしない明里と一緒に居るシーンになっていたんだ。
そして、明里から嘘と聞いてショックを受けた顔をしながらも、「そんな御伽噺を見抜けなかったと思うのか」と山南さんが言うのが、本当に哀れというか。
しかし、明里が血を吐いたのは、なにか今後の伏線だったのかしら? 今回の部分に必要な部分だったとは思えないのだけれど。
第12話 「掟」

主要ゲストキャスト
お吉:佐野アツ子、松原忠司:若林豪、おぬい:神崎愛、高橋倉太郎:升毅。

ストーリー
慶応1年4月、松原の壬生心中の前振り。

西本願寺に屯所を移し、人数の増えた新撰組は組織を改め、砲術や柔術の鍛錬に明け暮れていた。
その柔術の師範である松原は、酔いも手伝い些細なことから安西という男を斬ってしまい、その罪悪感から意気消沈した安西の女房のおぬいに代わり、葬儀などの手筈を整える。
それと前後するように、以前から三郎と妓を巡って諍いのあった見廻組の高橋倉太郎が妓を殺したが、高橋の策略で三郎に妓殺しの疑いがかけられた。
その濡れ衣を晴らそうとする奔走した伊之助らの努力も空しく、峯太が見つけた証人を連れ帰ったときは、既に遅く三郎は……。

感想
鍛錬を見てる並びは、近藤さんを真ん中に、向かって右に土方さん、左に伊東。
大砲ぶっ放したときの、お坊さんのこけ方が、ずっこけた? という馬鹿馬鹿しさを感じるもので、思わず噴き出したくなりました。
で、この鍛錬の一つとして、柔術がクローズアップされて松原が登場ですが、今までこれほど存在感のある松原はみたことない。しかし、ここに来ての初登場に違和感ありあり。
以前から在隊していた隊士ならば、唐突に登場させるのではなく、もうちょっとそれらしくちらりとでも顔見せさせておいて欲しかったなぁ。

前川家の下女を辞めることになったお里と、伊之助はお里の両親に二人の仲を許してもらおうとするけど、いったいいつの間にそこまで深い仲に?
今までお里がやきもち焼いたりするシーンはあっても、直接告白とかのシーンがなかったので、そんな実感がなかったのでびっくりだ。単に好きだけど……、って段階かと思ってた。

そして変わった場面で、なんか不自然な人だと思ったら、人を背負った松原で、例の「壬生心中」の話になるかと考えたら、やっぱりビンゴ! でしたね。
まだ、そのほんのさわりだけだったけど。

三組目のカップルの三郎の馴染みの妓・お吉が殺され疑われた三郎への詰問で、土方さん、山崎のみならず、近藤さん直々だなんて、平隊士にしたらガクブルもんだろうなぁ。
第7話の冒頭近くで三郎が浪士に斬られ、女の元へ行って手当てをして貰って、見廻組といざこざを起こしたのが伏線になってるのね。
少し前の話だったんで、思い出すのに時間がかかっちゃったよ(笑)

あと私的にNGがいくつか。
千石が見廻組のことを「同じ会津の配下」って言うけど、そんな間違いしないで欲しいなぁ。あっちは幕府の直轄だってばよ。
それと、山崎さんが高橋の身分を持ち出して、「寄せ集めと違うわい」などと、自分たちを卑下するような言葉は言って欲しくないものだわ。
あと、三郎が捕らえられているところに、探索方とはいえ簡単に忍び込まれるのは情けないなぁ。
また、その見張りをするのに篝火を焚いて見張るなんて、物々しく大仰過ぎ。平隊士を郎に閉じ込めてるだけで、間者でもないのになぁ。

伊之助は三郎の延命を直訴された近藤さんは格好いいなぁ。惚れ惚れするぜ!!
「掟は血であり、肉であり、心でなければならん」だって。
でも、冤罪であったと分かっていても、処罰しなければならないっていうのは、なんとも理不尽なことではあるよね。それほどいつでも身を潔白にしてなければならないというのは、正直しんどいと思う。
このドラマの近藤さんは、潔癖症なのだなぁ。

三郎の首斬り役はたぶん藤堂かな?
顔がアップになっても、登場回数が少ないせいで印象に残ってなくて、いまいち分からん(笑)

最後の最後で松原が、「名誉に命を賭けてる武士だ。だが、死を恐れてはならんのだ」って台詞を言うけど、あれは自分に言い聞かせている言葉に思えた。
今回の回がきっと松原の「壬生心中」へと繋がっていくんだろうな。
しかし、高橋はこのまま何のお咎めもなく終わりだろうか?なんとなく後味が悪いんだけど。
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