第 5話 「脱隊 胡沙笛を吹く武士」

主要ゲストキャスト
鹿内薫:鷲生功、小つる:吉野真弓、国枝大二郎:伊庭剛

まずは道場でのシーンから。
原田と総司の二人が稽古を見ていて、隊士の一人鹿内薫が、総司の目に止まります。
総司の目に留まったことに原田は嬉しそうだけど、総司はまだ人を斬ったことがないなって。結構シビアな見方だね。
で、この後土方さんのナレーションで、局中法度のことが語られます。この時近藤さんに土方さんが書面を差し出す場面です。

さて、今回の重要な場面の登場です。
井上源三郎と隊士・国枝との稽古を、屯所に侵入した二人の浪士があざ笑うシーン。
「大した芸」と哂われるんですけど、いやそれも無理からぬものが。だって、勢いあまって面をつけた頭を二人、ごんと突き合わせて、こけちゃうんですよ。二人でなくとも、笑っちゃいますよね〜。
嘲笑した浪士が悠々と屯所を出て行くところに、総司が帰ってきてすれ違うんですが、何か不審なものを感じたのか、見送った後少し引き返して門の外を見遣ったところに、刀を持った国枝と井上が現れて、追い駆けようとするところを、総司は井上を呼び止めて、訳を問い質します。
そして、訳を聞いて、総司は監察へ。このままにして置くわけにはいかないってところですね。
「何者だ」って聞かれて、「それを調べるのが監察だろ」って強気の総司が、可愛いですよ。年上に向かってあんな口も利くんだな、って。

髪結いの女性・小つるが墓参りをしていると、何処からともなく淋しげな笛の音が。
それに誘われるように歩みを進めると、笛を吹いていた武士と出会い、吹いていた胡沙笛を聞かせてくれと願う。
時化ると言われるというように二人は雨に降られて、軒を借りに茶屋先に駆け込み、結局茶屋へ上がって雷の鳴る中、男女の仲になっちゃいます。
この胡沙笛を吹いていた武士が、総司が最初に人を斬っていないと言った、鹿内です。

近藤さんと土方さんのご登場。井上さんらが嘲笑された件のお話で、もっと根が深いんじゃないかと近藤さんのご心配ですね。
その後、井上さんが褌を洗っているところへ近藤さんが来て、「小者に洗わせたら」「自分でやった方が綺麗になる」との軽妙な遣り取りが。
しかも昔語りをしつつ、「剣術よりも洗濯の腕が上がった」って、嫌味でなく飄々というのがいいなぁ。そして、近藤さんに井戸の桶の水を注いでもらうと、恐縮するのがまたいい。
でもさ、道場での一件を、どうけじめをつけるのかと、わざわざ近藤さんが言ったらば、きつい感じがするなぁ。
もっとも、井上さんに「言われたようにするだけだ」と言われた後の、近藤さんの微笑みは優しかったけど。
でも、先輩への義理で井上さんを京へ誘ったとは、酷くないかい??(笑)

総司が歩いていると、土方さんが井上さんと国枝の二人に、道場での一件の始末をつけるように言う場面に出くわしちゃいます。
井上は言われた始末を「仕事」と言い、土方さんは「武士道」と言う。その辺、微妙にニュアンスが違いますねぇ。
そうそう、この「武士道」ですが、今回は「士道」の文字が、近藤さんの部屋の掛け軸に掛かっていて、頻繁に画面に映りますよ。
手配の人相書きが、監察にでかでかと貼られていま〜す。で、井上さんは監察部へ入り浸って、そこへ国枝まで催促に来るものだから、山崎さんが怒髪天! 笑っちゃいますよ〜。
密偵が報告に来るも芳しくありません。

道場での稽古を、最初と同じく総司と原田が見てるんですが、鹿内の稽古振りが以前と違って不甲斐なくいぶかしむ感じです。
逢瀬を重ねる鹿内と小つるだけど、小つるが一緒に暮らしたいと言い出しているのに、関係があるよう。

井上さんと国枝の二人で、肥後訛りを目安に探す算段で、小川亭に二人だけで行ってしまいます。大丈夫か〜〜、井上さん!
で、途中橋の袂に立て札が立っていて、それを横目に通り過ぎるんだけど、あれは今回の浪士の手配が書かれてあったんでしょうか? ちょっと達筆で読みづらいんですけど。だとしら、さすが芸が細かいですね。
小川亭を見張る二人だけど、そこへ山崎に報告に来た密偵が近づき、小川亭の内情を言いに来て、井上さんは彼に任せて立ち去ります。でも、思うんです。密偵が片目で眼帯(?)をしてるのって、凄く目立つと思うんですけど、どうなんでしょうね?
さっきの立て札、今回の手配のことかと思っていたら、やっぱり当たり! でしたね。
夜になって、数人の浪士が墨で汚し引っこ抜くという暴挙にでましたよ。三条制札事件が元ネタですね!
昼間立て直した立て札を見ている人間の中に、近藤の休息所にいるお考や、手配中の二人の浪士もいて、浪士の暴言にお考は何か言いかけるんですよ。気丈ですよね〜。
でも、男たちの「女にうつつを抜かす腰抜け隊士」って発言は、何処から出た言葉でしょうか? 隊内の内情を知らないと言えない言葉だと思うんですけど。
夜になって、近藤さんは休息所でお考に酌をされながらその一件を聞き、だけど「良い女は薬だ」って言うと、お考は近藤さんにとってはそれは誰かと聞く。気になるんですねぇ、女心です。この後、随分直接的な言葉で、お考は口説くんですが、近藤さんは据え膳を食わないんですよね〜。

さて、場面変わって胡沙笛の音が響く中、近藤さんと襷掛けをした総司。
ここで、笛を吹く隊士が鹿内で、女にうつつを抜かし、剣の腕を落としたことを、総司が近藤さんに告げます。
いや、それにしても何で襷掛けなんだろう? 手に持っているのは洗濯物?? まさか、洗濯を取り込んでいたとか?
そして、制札の張り込みに新撰組が当たることになって、近藤さんと土方さんが、原田に担当を指示します。これは、原田の十番隊が出ることによって、女にうつつを抜かしている鹿内に手柄を立てさせようとする意図でしょう。原田には、その意図は不明だけど(笑)。
で、十番隊の面々を二手に分け、制札場に潜む探索方に鹿内を含む2名を当てるんですが、この時の鹿内の表情は、えらいお役についたという表情で……。浪人が近づいただけで震えているし。
橋上で乞食に扮して制札の監視なんだけど、あんなに目だっていいのだろうか? 普通橋の下とかにいない? 恵んでもらうためには、あそこが良いんだろうけど、広くもない橋の上だし邪魔だよね。

変わって、小川亭を見張る国枝と、監察部に居続ける井上さん。井上さんがくしゃみをして、山崎さんが書き損じをするのが、可愛い感じ?
小つると鹿内は一緒に暮らしてる風です。そんなことが平隊士に出来たとは思えないけど。
制札場を見張るために昼夜逆転の生活の鹿内に、小つるは凄く不満そうで……。
小つるを家に残し、見張りにいく鹿内だけど、浪人が近づくだけで震えが。なおかつ、要らぬ妄想も渦巻いてしまい。
おかげで、橋本は浪人の間を抜け注進に行くけど、鹿内は動けなくて。
橋本と共に駆け戻ってきた原田たち隊士の激闘が展開される中、鹿内は逃げ出してしまいます。
土方さんが嬉しそうに守護職の感状を広げて見せま〜す。可愛い〜い。うっふっふ。
褒美が隊士たちに、近藤さんから手渡されていきますけど、当然逃げ出した鹿内にはなし。でも、当然過ぎる話ですが、逃げ出しておきながら処罰されずに要るのが不可解。
結局、新撰組に居場所がなくなったと感じた鹿内は、隊を抜け京を離れて二人で暮らそうと、小つるに言うけど、田舎は嫌だと一蹴されちゃう。なんか、進退窮まった感じの鹿内で……。

小川亭を見張り続けていた国枝は、とうとう目当ての浪士を発見!! でもあの遠目で、頬に傷のある男はともかく、紋のまさかりのぶっ違いが良く見えるなぁ。いい目をしてるよホンと。
後を追いかける国枝は、例の制札場の前を通り、そこで密偵が出てきて、代わりに後を追っていく。うまく制札場の事件を取り入れて、出来てるものです。
さて、二人の追った密偵は、姿を見失ったかと慌てたが故に、二人に斬殺されています。その死体を見た国枝は、屯所へ駆け込んできたところを、総司に見つかりま〜す。
袴の繕い物をしている井上さんの元に国枝は行き、事の次第を告げると井上さんは繕った袴を悠々と穿き、二人で出て行っちゃいます。
国枝は、監察に応援を頼もうと言うんですけどねぇ。
そうそう、この時の井上さんの袴のつけ方は、本当に着慣れている感じで素敵です!
二人の会話を聞いていた総司は、土方さんに注進に行きま〜す。やっと二人っきりだ〜!! なんてね。
土方さんは書類の整理かしら? えらく散らかしてますが。
でも、土方さんの部屋に現れたときは、総司は既に鎖を着込んでます。立ち聞きしていたときには着てまないけど。
この後の総司と土方さんの会話が、いい感じだな〜〜。土方さんに此処まで意見が言えるのって、総司ぐらいですもんね。土方さんの所為だなんて、さ。
総司を送り出した後、土方さんは近藤さんへ報告しに。で、総司たちだけでは足りんと、近藤さんと土方さんも出ます。二人は局長と副長だから、馬に乗ってるんですよ〜。総司は走ってるのにさ。
最初に着いた井上さんらの御用改めに逃げ出す浪士。
だけど、浪士は石を結びつけた梯子を、二人に倒せかけたりします。ただ、そんな用意をいつしたのか疑問だけど?
川原に追っていって、そこで剣戟が始まるんだけど、肥後藩邸に加勢を求めに行ったほうが、何故総司たちより早く着くのか不思議です。行って戻ってくるのは時間が掛かると思うのだけど。
しかも、総司と近藤さんたちと着くのが同時ってどういうことよ? 時間差があっても良いと思うんだけどさぁ。
それに、井上さんが足を切られて苦戦している相手を、近藤さんはばっさりって、立つ瀬ないじゃん。
さて、ばっさばっさと土方さん・総司・原田ら隊士が斬りまくる、その中で一人鹿内は背中を切られて逃げ出して行っちゃう。
その姿を、井上さんの怪我の手当てをしている近藤さんが、見ちゃうるんですよね。う〜〜ん。複雑だろうなぁ。折角目を掛けようとしている相手なのに。
怪我した井上さんを代わりに馬に乗せ、その横を歩く近藤さん。土方さんも国枝に馬を譲ってあげてますよ。

小つるの元へ逃げ帰った鹿内は逃げよう、お前の望むところへと言うけど、小つるは背を向けちゃう。
で、翌日かな? 戻ってきた鹿内は、原田に脱隊させてくれっていうけど、局中法度に寄れば、敵前逃亡したらそれだけでも切腹じゃない? う〜〜ん、不可解だわ。
その話を土方さんは、たまたま通りかかって聞いちゃう。
で、その処分を近藤さんと話し合って、決断をしてもらうんだけど〜。なんともいえない見詰め合いがありまして……。ほほほ……。
鹿内を処断することになって、原田が連れ出したはいいものの、何故か鹿内が刀を抜く前に、後ろにいた隊士が原田に代わって斬っちゃう。それってあり?? てな展開に。
近藤さんも、見届けにわざわざ出向いているし。

でも、女って現実的なんだけど、男の死の恐怖までは分かんないんですよね。
分かっていれば、男は死なずに済んだかも知れないのに。
いや、それでも田舎暮らしは出来ないと言うのでしょうか?

原作と違う気になるシーン
小つると鹿内の仲が、原作ではすぐには深くならないですが、TVではそこまで描くのは無理かな?
それに、鹿内の胆力を示す逸話が、TVでは全く削られていて、脱退しようとした話も全く摩り替わっています。
あと、鹿内は抜擢されて、助勤になった後、降格されてます。それで、所帯を持てたわけですね。が、どうも原作では助勤は組頭の下に位置するもののようです。
国枝と井上の出会いのシーンが、TVではないです。井上を寺侍と勘違いするシーンですね。
それに、国枝が井上と稽古をつけるまでの経緯が一切合財省かれてます。
また井上が褌を洗っている井戸端に行くのは、原作では土方さんです。
小川亭での梯子の使い方も違いますね。
第 6話 「妖艶 前髪の惣三郎」

主要ゲストキャスト
加納惣三郎:黒田勇樹、田代彪蔵:松井範雄、湯沢藤次郎:伊藤昌一

新入隊士の採用試験から始まりです。勿論審判するのは総司ですよ。
加納の腕を見て、近藤さんが興味を示しま〜す。それを土方さんが、加納の履歴を教えるんですよ。
何試合か他の人とやって勝った加納が、とうとう田代(加納の後の衆道相手ですね)と試合ます。
二人の試合を見て、この二人しか隊士にはなれないだろうって話になります。

近藤さんと土方さんが碁を打ってるところへ、新入隊士としての二人が挨拶に。出来たら総司と碁をしてて欲しかったです、土方さん。
平伏していた二人が顔をあげると! 近藤さん土方さんの驚きの表情が! 加納の美貌に近藤さんの碁を打つ手も止まっちゃいます(うぷぷぷ)。田代はもう不細工で〜す。
18歳で師範代の加納君。総司もこれぐらいの時には師範代だよね〜。
加納は近藤さんのお小姓に。田代は一番隊所属。その時、「沖田」の一番隊だなんて他人行儀な。近藤さんの前なんだから、「総司」って言ってくれなくちゃ、いやん。
土方さんは、加納の顔を見たら、柄にも無くドキッっとしたって! 若衆のその道の気は無いんですって。まあ、総司とはそんな関係じゃないものね(もっと超越してるよねぇ)。
衆道を心配した土方さん。前髪を落とさせようってまで考える始末。

噂の加納の最初の仕事は、入隊した翌日の金策した隊士の首斬り役。見事に大役を果たし、褌姿で体を拭っていると、田代が登場です。うーん、この辺りからとっても妖しくなります。画面でこうやって男同士のシーンを見ると、とっても恥ずかしいのはなぜかしら? 土方さんと総司だったらもっとくっつけ、って思えるのに。
田代は加納の体を拭ってやったり。拭った手拭を舐めたり。着物を着せてやったり。告白したり。この時の田代の目が厭らしいのなんのって。
四番隊の湯沢が、加納を祇園へ誘って行くのを、田代に見つかって連れ戻されちゃいますです。で、告られた田代に何処かで休んでいこう、と言われて頷いちゃうのがなんとも。誘い受けか〜、って言いたくなっちゃいました。

近藤さんと土方さんに、加納と田代のことを告げる山崎さんがと〜っても言いにくそうで、要領を得ないのが可笑しいです。土方さんにもそう突っ込まれるし。
放っとけばいいって言う近藤さんに釈然としない土方さん。
で、すぐ総司が魚取りしている所へ行っちゃうんですよね〜。えへへ、やっぱり総司って土方さんの憩いかしら〜。ちゃんと居場所も把握してるしさ。
「相変わらずだな、お前も」っていう土方さんの声が、優しいです。
加納と田代のことを総司に相談しようとして、総司に「苦手だ。男と男のことは皆目分からない」って言われちゃいます。あったり前でしょう! 総司と土方さんのことは、もっと超えてますものね〜。ふふ。
二人の腕はどっちが上か、って総司に聞く土方さん。自分も見てたのに、剣のことでは総司に一目置いるんですね。総司は、加納って答えるけど、再度試合させると、勝ったのは田代。これで、加納が田代の女になったと確信する土方さんです。

手鏡で自分を見てる加納が、とっても妖しいです。
加納が田代の女になったことを土方さんに告げられた近藤さんが、山崎に島原に連れて行くように言いつけます。この時、私が連れて行けばいいんですね、私も一緒に、って念を押す山崎さんが可愛いですよ。
加納を島原に連れて行こうとするけど、一回目は失敗。田代が見ていて、加納が島原に連れて行こうとされたと告白、その二人を見る怪しい人影。それは加納に懸想する湯沢。
湯沢迫られて加納は関係を持っちゃいます。田代と切れろという湯沢、それに対して二人で決着をという加納。直後湯沢は殺されます。

「ふるさとへ向かって急ぐ五月雲」って、土方さんが近藤さんに向かって、句を読むシーンがあって、そこへ湯沢の死の知らせが……。側には加納が控えてます。土方さんが席を外した後で、加納に湯沢のことで何か知らないかという近藤さん。
湯沢の下手人が分からないでいるところへ、永倉さんが土方さんに二番隊での噂話を話します。その噂は、湯沢が若衆好みで、加納に言い寄っていたというもの。
総司が、田代も含む隊士を率いて戻ってくると、加納が出迎えそのまま表へ。それを見送った田代は何故か奥へ駆け出します。それを見ていた土方さん。土方さんったら、総司が帰ってくるのが心配でいつもお出迎えかしらん。

噂からの想像で、加納を奪い合った末の刃傷かというとこまで分かるけど、噂ばかりでと土方さんにこぼす山崎さん。その土方さんに、加納を島原に連れて行く話はどうなったと、言われて弁明する山崎さんが、とってもラブリーv
加納を島原に連れて行って、田代を罠に嵌めようとします。山崎は加納に真実を正しつつ、島原に何とか連れ出します。途中加納の鼻緒が切れ、それを山崎が直してやると、加納の雰囲気が変な方へと……。とにかく加納を床入りさせて、安心して帰る山崎だが、それを襲う人間が。
その後に残った小柄を犯人の者と睨み、探したところ小柄の無い者は、田代のみ。
土方さんと山崎は、それから、湯沢を斬り、山崎を襲ったのは田代と推察。土方さんは近藤さんに報告に行って、田代の処断を決め、その討手は加納に。

介添え役が総司と近藤さん。なんで土方さんじゃないんだろう? 加納が、近藤さんの小姓だからという理由ですが、局長自らが行くのは如何かと……。
加納が田代を呼び出す場所で、先に来ている総司と近藤さん。そこへ二人が現れて。
加納が田代を処断する理由を告げるのは総司です。が、田代には見に覚えの無いことばかり。
斬りあいになって、加納に手を掛ける間際までいきますが、逆に田代が斬られてしまって。
結局、田代を処断する理由は、誰かに陥れられたものと分かり、総司はそれを「汚ねぇ」って言って、近藤さんを置いて立ち去っちゃう。
役目を果たして一緒に帰る途中で、振り返る近藤さんににっこり笑顔を見せる加納を、近藤さんは一刀両断。
最後には、土方さんが近藤さんに、事の顛末を語り、近藤さんは心の内の魔物を斬った、と。

原作と違う気になるシーン
最後の介添え役が、原作は総司と土方さんですが、TVでは総司と近藤さん。
また、原作では総司が加納を斬りに戻ります。
第 7話 「土方謀殺計画 山南脱走」

主要ゲストキャスト
長坂小十郎:吉見一豊、中倉主膳:木村栄、明里:有沢妃呂子、東雲:滝沢涼子、
伊東甲子太郎:峰岸徹、篠原泰之進:船越英一郎、服部武雄:谷口高史、鈴木三樹三郎:湯口和明、佐野七五三之助:入江毅

山南が歩いていると、拾い物を。その拾い物に、うどんを食べさせて、身上を聞くと、水月流居合術の宗家の出身者。会計方として勧誘します。

伊東登場! この伊東ちょっと濃いですね。土方さんの方が優男だ。
伊東が京へと上ってきて、参謀に。

勘定方に配属された長坂です。そこへ、会計方全員に稽古にでるように永倉が告げに来て、伊東に隊士全員の稽古を見せることに。長坂が一人稽古しているところへ、土方さんが、稽古を皆に見せてみろとなって、斎藤と素面素小手の木刀でということになり、斎藤の変わりに土方さんが自ら相手に。で、相手を見極めますよ〜。格好いいですね、こういうところ。
土方さんは、長坂に今度は真剣を見たいといいますが、山南さんは大反対。
ここで、近藤さんに「歳は喧嘩師だからな」って言われます。このシーン台詞は無いですけど、総司も勿論そばにいます。

伊東は、身内を集めての酒宴で、土方さんが邪魔だと、斬る算段。だけど丸ごと新撰組を戴く腹積もり。会計方の長坂が、山南の子分だということで利用しようとします。芹沢の流れを組む天狗党の残党・海仙寺党が新撰組を敵視していて、これも利用しようとします。

海仙寺党に斬られる新撰組。情けなくも海仙寺党には逃げられて、去っていくそこへ、伊東らの面々。翌日、三樹三郎たちが、海仙寺へ昨日の手並みを見たと訪問して、趣旨を告げて、金丁までします。

場面変わって、遊女に手伝わせての土方さんの身繕いです。土方さん、女郎遊びですか〜。総司が妬くぞ〜〜。
無愛想なとこがいいそうですよ〜、土方さんは。
山南さんと土方さんが、遊郭の一角ですれ違い。それを見ていた伊東派の面々。五日おきに、土方さんは遊女屋へ行くとの情報をつかみ、海仙寺党へとお知らせに。そしてもう一仕掛けを施します。
遊んでいる会計方の隊士・中倉が斬られ、後ろ傷のため処断をするが、その首切り役を長坂に、土方さんはさせます。そのことを聞き、山南さんは会計方を苛めているのかと詰め寄ります。ですが、武士の覚悟は会計方にもあるべきで、隊士の使い方は副長の責任で、と明言。
言い渡された長坂は、中倉と共に隊を抜けることに決めますが、そこへ山南さんが。そして、それを見ていて、もう一押しを画策する伊東派は、中倉を逃がして、それを斬ります。最後には土方さんが、追いかけて止めを。「馬鹿なことして苦しんで死にやがった」と言う土方さんを、長坂は斬ろうと刀に手に掛けますが、押し留められ立ち去ります。それを見送る山南と伊東。

山南を押し留めるようで煽る伊東。このシーンは山南さんが障子の向こうで、影だけです。直接顔を見てのシーンじゃないのがいい感じです。
そして、山南さんに土方さんの今日の行動を確認する長坂さん。
山南さんは明里の元へ。でも何か考える風。「ええ人呼んであげますし」って言って明里が呼びに行く人は、土方さん。二人それぞれの女に引き合わされて、びっくり。仲直りをって目論む二人に、山南さんは飛び出して。それを追いかける土方さんです。「待ちない」って呼び止める言葉がいいですね。なんか粋で。
ここで、「山南さんを嫌いじゃない、互いが違ったのか残念」って言って、廓を出て行く土方さんを、山南さんが引き止めて、甘酒に誘って、「私は邪魔だろう。君の新撰組にとって」って。「尊皇攘夷の志を失って、公儀の走狗になる」と言い、「あんたは否定する。会計方の始末も惨すぎる」と。土方さんは「中途半端だから、苦しむことになる。中途半端の甘さが、人を惨い羽目に陥れる。中途半端をすると隊が乱れ、皆が危うくなる」って。
それを隠れて聞いてた長坂は、土方暗殺のため海仙寺党と一緒に斬るはずでしたが、その仲間からはずれ、彼らが中倉を斬ったのを知り、先回りして一人で海仙寺党を殲滅。格好いいですよ〜〜。

土方さんが、事の顛末を近藤さんにご報告。でも、近藤さんは、水戸の藩士を斬ったことを懸念して、長坂を隊から抜けさせることにして、長崎へ旅立たせます。山南さんにも内緒で。
「バラガキの喧嘩の戦法で通る」って近藤さんの台詞がいいです。こういう言い回しって好きですね。

さて、山南さん脱走です。
それを土方さんに告げるのは、総司です。背が高いんですよね、総司は。敷居を跨ぐのに、頭を屈めないと入れないの。
「どうするんです」って総司に詰め寄られ、考え込む土方さん。苦悩の表情。
総司は、山南さんを追って行くのは嫌だと、土方さんに言うんだけどね〜〜。
「志と違うから、江戸へ帰る」との置手紙を、土方さんは近藤さんに見せて。「示しがつかん」と言うのは近藤さん、「逃がしたい」と言うのは土方さん。
土方さんは、山南さんを長坂と同じ扱いにしたい、と。しかし、近藤さんは、長坂は去らせないと隊が危うかったが、山南さんは局中法度通りにしないと隊が危うい、と。
結局、総司に追えと土方さんが告げ、大津まで追っていなければ報告に戻れって、土方さんに言われて総司は馬を飛ばします〜。ちょっと遠目で、本当に総司役の人が乗ってるかは分かりにくいんですが、格好良いんですよ、このシーン。惚れ惚れしちゃいま〜すv
茶屋で休んでいた山南さんは、馬で来る総司を両手を広げて呼び止めちゃうんですよね〜、これが。しかも嬉しそうに。総司は戸惑い気味。
総司は、私を斬って行ってくれ、もしくは逃げてくれ。っていうけど、山南さんは首肯せずに、結局屯所へ戻ってきます。
明里が屯所へ駆け込んできて、涙涙。窓から覗く山南との別れ。
でも、いつでも思うんですけど、遊女ってそんなに簡単に外に出れるんでしょうか?
(訂正:島原は吉原と違って、外への出入りは自由なようです。どうも吉原のイメージが強く、外へは一切出れないのでは? と思ってましたが、どうやら違うようですね。遊郭ではなく花街、娼妓ではなく芸妓だそう。そういえば、今も島原に現存する揚屋では、接待する大部屋はあっても小部屋はないですからね。となると、いったいどこで太夫と××したのか気になるんですが……。まぁ、そんな訳で訂正です。お教えくださった方、ありがとうございました!!)

近藤さんが、山南さんに切腹の宣告を。伊東は、その場で一首を詠んで。
総司が介錯ですね、やっぱり。刃を突き立てた後、総司の一刀が……。
見ていた永倉らが身を引くと、そこへ総司と斎藤(?)が土壇場から引き上げてきて、この後水杯で別れを。
試衛館の同じ釜の飯を食った7人が6人にと言って、天然理心流の極意ってなんだっけと、藤堂(?)が言うと、井上がそれを見せます。ここは、井上の見せ場ですね。
新撰組は何処へ行くのか、それは時代が何処へ行くのか、と言うこと。それを人に聞くな、己で答えを出すこと。というのが最後の土方さんと近藤さんの台詞ですが、心に沁みます。

原作と違う気になるシーン
中倉主膳の扱いが全く違います。違いすぎて言えないほど。
長坂小十郎の入隊の経緯も全く違います。
そもそも、原作では、山南さんの脱走話は、これに絡みません。
第 8話 「潜入 長州の間者」

主要ゲストキャスト
深町新作:石田登星、おその:八木小織、松木主膳:磯辺勉、品川弥二郎:竜川剛、坂本竜馬:岡野進一郎、西郷吉之助:大河内浩、桂小五郎:勝野洋

琵琶湖の竹生島弁財天が、縁結びと金を増やすのに霊験あらたかで、原田と永倉の二人が女連れでお参りに行くところから。
竹生島行きの船に無体な浪人たちが、町人を降ろして乗り込もうとするのを、浪人・深町新作が撃退。この時傍に居て助けた女性・おそのと仲良くなって、夫婦者と勘違いされた二人が、そのまま懇ろに。

小間物屋(おそのの兄)は長州の密偵のようなことをしていて、品川弥二郎に新撰組に潜入させる浪人が欲しいと告げられます。そこで、妹の相手である深町に目をつけます。
桂小五郎と品川弥二郎が走り去り、その後を新撰組(原田・永倉)は追いかけていましたが、逃げられてしまいます。しか〜し、逃げた二人は頭巾をしてるんですよ〜。どうして二人が分かるんでしょうね? 不思議です。
桂と品川のいる座敷へ深町が連れてこられて、新撰組の間者になるように勧められます。
深町の父は、元長州藩の者で、公金費消の責めを負い浪人の身に。その家名回復と主取りが条件です。あと浪人の身であるがために、おそのに小間物屋に婿に来るように言われて、切羽詰っていたせいですね。

場面変わって、新撰組の入隊試験。深町が、近藤・土方の前で総司を相手に立会いしてます。
総司の衣装は、紺の刺し子の胴着に赤い胴ですよ。
総司が、皆と井戸端で汗を拭っていると、土方さんが「総司」って手招きでお呼び寄せ〜。でも、他の人は上半身裸の人も居るのに総司はしっかり着込んだまま。残念ですぅ。
土方さんは、総司に深町の腕の確認。対して、総司は「自分からは進んでは斬りたくない」んじゃないかって深町を評価。総司が、自分もそうだからって。
「鍛えろ」との土方さんの言葉に、「人斬りを作るなんて」って反発するけど、結局押し切られちゃいます。この辺の二人の遣り取りは、やっぱりいいですね。軽妙というか。
各組頭に試験に合格した隊士達が、名前を呼ばれて、手を挙げて返事するのが、小学生が先生に呼ばれた時の様で、ちょっと笑えます。
斎藤・藤堂・谷に替わって、永倉・原田が出てきて、深町を見て竹生島で出合った浪人だと互いに気づいて意気投合。そこへ総司が現れて、深町の一番隊所属を告げ、直属の上司の伍長・松木主膳を紹介します。

薩摩屋敷別邸付近への出動(一番隊・二番隊・十番隊)です。斬り合いになりますが、斬るのを躊躇する深町に、伍長・松木に斬れと命じられ、斬る嵌めに。
そして、長州者を斬った事を、おそのの兄に報告して、薩摩屋敷に出入りの人間で、坂本竜馬の名前があがっていないか、問われます。疑われているのではという深町に、先に入っている間者の方が先に疑われるから、心配なくと告げます。
おそのとは、おそのは深町が新撰組に入ったのが不満で、この頃不仲に。
原田の家で、深町の歓迎会。永倉も女を連れて登場。人を斬るのは天下国家のためじゃ無いのか、って深町は言うけど、原田らは、仕事で稼いで後はパァ〜っと飲んで楽しくやればいいって。二人らしいですよね〜〜!
そこへ、三人の隊に出動命令が。しかし、無駄足で薩摩藩別邸には、誰も現れず。それが4日続いて、情報が漏れてるとしか思えず、泳がせていた3人の間者を斬る事に。
近藤さんと土方さんは、薩摩別邸で何が起こっているのか気にしていた時、そこでは坂本の仲介で西郷と桂が面談し、薩長密約が結ばれていました。
坂本が別邸で閉じ込められていて、退屈しのぎに水撒きをしているのを、山崎に見られ、土方さんと近藤さんに報告され、坂本と桂を捕らえるために網を張ります。そのためにも、隊の間者は、完全に始末することに。

新撰組の道場では、皆が稽古中。一人稽古をする深町に、松木が一緒にと声を掛け、遣りあったあと、真剣を使うかと深町を連れてでます。そこは、永倉・藤堂(?)・原田らが、髪結い中の間者を始末してるところ。松木は、この間者の内の一人を、深町に斬らせる予定だったけど、間に合わず。で、この斬られた間者って言うのが、御蔵伊勢武・荒木田左馬之助・楠小十郎なんだけど。この三人がこの時点まで、生きてるはずが無いだろう〜〜。実在した隊士だけど、おかしすぎです。だけど、原作もそうだから仕方が無いかな?
だが、その間に桂と坂本は逃げます。この坂本を探知した伏見奉行所に囲まれますが、お龍の知らせで無事脱出。

近藤さんと土方さんは、裏をかかれたことで、まだ間者が残ってると気づき、山崎らに命じて今一度間者の洗い出しです。
総司も、所属の隊士に確認をしますが、深町に確認すると出ていないという答え。今日は外出してもいいかと聞かれて、気さくにOKのお返事です。
深町は出掛けに、局中法度を見て何か感ずるところでもあったかのよう。そして、松木とすれ違い。
土方さんを囲み、幹部の面々が。間者が発覚して、すでに屯所から消えてます。その相手は、総司の一番隊に所属する隊士で、総司が処断をしなければなりません。本当に嫌そうですよ、総司は。それを永倉・原田が手伝うことに。
逃走経路は、大阪や山陽道ではなく、琵琶湖の方だろうとの、土方さんの指図で皆が散っていきます。

新撰組を脱して、京を出ようとおそのに逃げようと告げ、三条大橋で支度するおそのを待つ深町。そこへ松木が。その松木を追っ手だと勘違いした深町が、脱走を告げると、逆に松木に間者であることがばれたので逃げるから、お前は残れといわれてしまいます。
しかし、その二人の元へ、総司らが到着し、隊服姿の松木と旅姿の深町を見て、疑問だらけです。なにせ追ってきた相手は松木ですからね。その様子を見て、松木は自分が生き残るために、深町を身代わりの逃げ出した間者に仕立てようとしますが、返り討ちに。何故此処にいるのか、松木を追ってきたのかと聞く永倉に対し、総司は違うなと。そして間者であり、脱走者である事を総司らに告げ向かっていく深町は、原田に斬られて絶命。
そこに、兄と言い争いを終えやってきたおそのが。何故殺されなければとの問いかけますが、総司が長州の間者で、しかも脱走者であることを告げますが、それが殺すことの程のことですかと聞かれて、言葉も無く背を向けます。その立ち去る背中に、おそのの「人殺し」との声が。この時の総司は、一切刀を抜かないけれど、なんか切ないですね。

家に帰ってきた原田と永倉は、酒を飲んでパァ〜っと憂さ晴らしをしようと。でも、しんみりとしてますよ、さすがに。
土方さんの報告を聞きながら、近藤さんは真剣の手入れを終えて、素振りを始めて。
「真っ直ぐで正直な者ほど損をする」と近藤が言うのに、深町と新撰組のどっちのことを言っているのかと土方さんは思った、とのナレーションが最後に。

原作と違う気になるシーン
深町とおそのの馴れ初めが少し違います。永倉や原田とは知り合いになりません。
原作では、おそのにいるのは姉で、深町と会う武士は、吉田稔麿です。
深町に、総司が疑念を抱き、斬り合いの時に声を掛けるのも総司です。また、京を脱して逃げようとするくだりも違います。
第1〜4話 第9〜11話
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