餓狼



総司を元の塒の傍の川岸で見つけた歳三は心底安堵した。
ここまで走り通していた間、えもいわれぬ焦燥に駆られていたからだ。
その理由は総司がここにいなければ、どこを探せばよいのか、皆目見当が付かなかったからである。
それに、普通の狼の数倍も嗅覚が優れているとはいえ、空を自由に飛びまわる鷹の後を追うのは至難の業だろう。
膝を抱えて蹲る総司に不意をついて驚かさぬように、わざと音を立てて歳三は近づいていった。
それでも嫌がって逃げるかと思いきや、総司は逃げ出しもせず顔を伏せたままだ。
どうやら、少し顔を見たくなかっただけらしい。
『どうした? 帰って来ないから心配したぞ?』
獣の姿では、人の言葉を発することができない。
その代わり、心話というべきものが使え、それによって意思の疎通ができるのだが。
歳三が心話で語り掛けながら、身を乗り出すようにして総司の膝に頭を乗せると、いつもは甘えるように擦り寄り毛皮に顔を埋める総司が逆に顔を背けて、
「いや! 他の人の匂いがする」
そう言って、歳三から離れようとする。
『総司っ』
当然歳三には総司が何を言いたいのかよく分かったが、総司とは違う女ではもはや満足できず、それどころか虚しくなりさえした歳三の心情というものを理解もせずに詰られ、歳三は総司にとって理不尽な行いをしたにも拘らず、酒の酔いの勢いもあり激昂して襲い掛かった。
「なっ……」
歳三の乱暴な行動に驚き総司は身を捩るが、立ち上がれば大人の男を優に越す歳三の巨躯に圧し掛かられ、総司には逃れる術もない。
総司の初めての抗いに、歳三は牙と爪で衣服を引き裂いた。


歳三は総司を犯した。
狼の姿のまま、それこそ獣のように。
驚いて抵抗することを忘れたかのような総司を。
「な、……に!?」
仰向けに倒れた総司が身を翻そうとするところを、背後から圧し掛かった。
それでも、まさか犯されると思わなかっただろう総司の抵抗は弱い。
だが、熱い火傷をしそうなものが、菊口に押し当てられた時、やっと歳三の行動を総司は理解した。
人の時と比べ大きく固い逸物は、総司の中にめり込まれていく。
「ひっ!! やっ、あ――」
総司の肩には鋭い爪が立てられ、前へと逃れることもできず、奥深くまでずぶずぶと呑み込まされた。
「あっ、あぁ……。く、うぁ――」
引き裂いた総司の服をそのままに、無理やりに体を開かされ、太い楔を打ち込まれ犯されながらも、快楽に咽ぶ姿を満足に見遣りながら、歳三は激しく腰を振るった。


最初は強引な挿入の痛みに青褪め震えていた総司だが、歳三に開発された躯は歳三の無茶な行為にも、快感を拾って色付いていく。
歳三に捧げるように高く掲げられた総司の尻は、歳三の律動に合わせて淫らにくねる。
内壁もうねり歳三を締め付け、いつしか勃ち上がっていた総司の先端からも、蜜がたらたらと零れ落ちていく。
噴出した総司の汗を、歳三が腰を使いながら舐めていくと、さらに総司の躯が桜色に染まる。
歳三のどんな行為も総司は快感に変えて拾っていくようだ。
そうして狂った宴は、飢えた狼が満足するまで続けられた。




過激なエロ挿絵にクラクラです(@_@;)
そんな絵になる文章を書いたのは私なんだけども……。
サーバーをお引越しした甲斐があったなぁ。



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