「おれたちがとれるようになりゃ、問題はねえもんな!」
「PBには、夢がない」と書いた矢先ですが、CPに比べてそう感じるのであって、ほんとは夢と現実がいいぐあいにミックスされてるなって思います。
それが色濃く出ている田所キャプテン時代もすごく好きなんですよ。
一番読んでていいなあって思ったのは、谷口に触発されて、勝利の味を知ってからチームメイトがどんどん成長していく姿。
ほんとにどーしょーもない部員だったのに、1試合ごとに、試合中にも進化していくんだよね。
谷口がバウンドボールで送球できたときのみんなの喜びようって、読んでるこっちまで嬉しくなる。
そして、谷口がバウンドでしか返球できないのなら、フォークでしか投げられないのなら、自分たちがそれを受ける練習をすればいい、って自然に思えるようになって。なんともいえない温かみを感じます。そして、夢がある。泣けるぜ。
(泣ける場面といえば、サッカーに挑戦するもやっぱり野球が忘れられなくて、サッカーボールが野球のボールに見えてしまうとこも。あれは泣けたなあ…)
だからといって、いきなり優勝までしちゃうような、明らかなウソは描かれません。あの東実との3回戦で勝ってたら、ものすごくうそ臭くなったと思う。
谷口がキャプテンになってからは、夢よりも現実の部分が大きな割合を占めてきたと思います。
最終回も、そこまでせんでええやん、というぐらい残酷だよね。自分たち、そこそこいけるんじゃない?と思うようになったところで、練習試合でボロ負けして甲子園出場校との差を思いっきり見せつけられて…。でもそれが現実なんだろうなあ。
そのへんの、夢と現実の混ぜ加減が絶妙だと思います。ちば先生って素晴らしい。
ちば先生としては、体調が許せばもう少し続けて、もっと違うかたちの最終回を考えておられたようですが、それもこれも現実。
「バカに野球は向かねぇってのは真理だな!」
CPやPBをゆっくりゆっくり毎日読み返してるんですが、飽きません。読むたびにあらためてその魅力にとりつかれています。
淡々としてるようでスピード感をすごく感じるし、攻撃する側、守る側、応援する側、それぞれの緊張感がびしびし伝わる。
CP、PBを読んで私は今更ながら悟りました。「バカに野球は向かねぇってのは真理だな!
by丸井」ということを。野球って頭脳戦、心理戦なんですね。何もかもがトロい自分には絶対できないスポーツだと思いました。丸井にドツかれるのは必至だ…。
だからこそますます谷口たちがかっこよく見えます。あの、谷口・倉橋バッテリーの阿吽の呼吸の絶妙なこと!しびれます。(時々、テレパシーでも使ってんのか!?とか思うけど(笑))
そのかっこよさが、あの素朴な画面から伝わるのがすごい。キャラクターも、いわゆる見た目が美形な人って誰もいないのに、どんどんかっこよく見えてくる。イガラシなんか、単体で見たらただのチビのおサルにしか見えない。でもこれがマンガの中ではめちゃくちゃかっこいいの。これはもう、読んでみないとわからない魅力ですよね。
見た目がかっこよくないのに(見ようによっては、いいのかな?)かっこよく見えるのは、倉橋もそう。
やること言うことがいちいちかっこいい。一番はあれだ、「たのむよ、船長!」。
最初、キャプテンとしての谷口を頼りなく思っていたけど、それでもこのチームでキャプテンを務められるのは谷口しかないという考えは一貫してるのよね。自分もキャプテンの経験があるんだし、キャプテンはお飾りで自分が実質のリーダーに…って考えるかというとそうじゃない。
谷口のキャプテンとしての資質を見抜いていて、自分がサブとして補佐するほうが絶対に成功するということがわかってたんですね。
とはいえ、やはり未熟なキャプテンです。サブなりの意見はする。それは谷口がリーダーとして成長するためでもあるし、チームの成長のためでもあると思ってるんでしょう。
(ようし、こうなったらなんとしてもサードには打たせん!)
ところで、CPでのイガラシと谷口の絡みで、すっごいツボなシーンがあるんですよ。マンガよりもアニメのほうに萌えたんですが…
青葉との再試合。爪をはがしてしまったためにイガラシのリリーフができなくなった谷口。疲労困憊なマウンド上のイガラシを気遣うのですが、いまだサードを降りない谷口こそが指の痛みの限界状態です。ファーストへの送球にも遅れがでてしまいます。
(セリフはうろおぼえ)
「やっぱり代わったほうがほうかいいんじゃないですか」
「すまんすまん、今度はましな送球をするよ」
「……」
アニメでのイガラシは、黙ってグラブに右手のこぶしを「バスン!」とぶつけて、マウンドに戻ります。そしてモノローグ。
(ようし、こうなったらなんとしてもサードには打たせん!)
で、その言葉どおりに打ち取るんですね。かっこいい!
「黙って」マウンドに戻るところがね〜、いいんだわ。棒読みのセリフもいいのよ。きゃー。(分かってくださいます?この気持ち…)
なんかね、極端な話、この人のためなら死んでもいいっていうぐらいの勢いを感じるんですよ。丸井のような妄信ぶりはみせないけれど、イガラシもけっこう最初から谷口のことは信頼してましたよね。この人は口ばっかりじゃない、努力する人なんだっていうのが見抜ける人間なんでしょうね。
ただ、イガラシが、野球を超えて谷口の愛情を得たいと思っているかどうかは、私にはまだはかりかねております。修行します!(妄想の)(笑)
2005.12.18