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『何度でも抱きしめて』 第二話



 昼休みまでまだ一時間以上ある。
 この時間帯になると、何故か僕は頭痛や目眩に襲われる事が多い。
 仕方がないので授業を抜け出し、保健室へと向かう。
 ドアを開けると佳奈先生が迎えてくれた。

「あら、蓮くんいらっしゃい……じゃなくて、こんにちは。どうしたのかな?」
「なんだか頭が痛くて」
「そうなの……体が疲れ気味で、気分がすぐれないのね。そこへ座ってもらえるかしら」

 先生に促され、僕は腰を下ろす。
 僕は佳奈先生が好きだ。
 まるでずっと前から恋い焦がれていたように、ここにくると気持ちが和らぐ。

「お茶を淹れるわ。それを飲んで、気持ちが落ち着いたら、お話を聞かせてね」

 先生の笑顔が好きだ。立ち振舞いも好きだ。
 穏やかな表情も声もたまらない。

「くすっ、どうしたの? そんな目で見つめて……」
「あ、す、すみません」

 指摘された僕は慌てて視線を落とした。
 出された紅茶を少しだけ飲んでみると、何故か記憶にある味わいだった。

「ん……キミ、とてもきれいな目をしてるのね……うふふ、どうしたの? お顔が真っ赤だよ♪」
「えっ、あっ、先生!?」

 視線を戻すと目の前に、本当に10センチ以内の距離に先生の顔があった。

「そろそろ落ち着いた頃かしら。それで、きょうはどうされたい?」

 落ち着くどころかドキドキしっぱなしだった。でも何か違和感を覚えた。

「どう、された……い?」
「あっ……失敗失敗、なんでもないわ♪」

 普段は冷静な先生が慌てた様子はどこか可愛くみえる。
 僕の違和感はそこで消滅した。

「キミはここにくるの、初めてだよね? うん、そうだよね」
「いえ、おそらく何度か……」
「そうだった? まあいいわ。体調以外でも、何か悩み事とかあるなら、先生に教えて欲しいな」
「えっ」

 先生は腰に顎を当てて僕を見つめている。
 もしかして体調が悪くないのを見抜かれてる?

「くすっ……どうかしたの? そんな驚いた顔をして」
「はい、少し驚いてます。どうして悩み事があるとかいい出したのですか……」

「うん、そうね~……仕事柄わかっちゃうの。
 悩みを持っている人は、スイッチが壊れかけてるから」
「スイッチですか?」
「たとえばほら、キミの肩にも……壊れかけのスイッチが見えるよ?」
「まさか」
「本当よ。ほら、パチン♪」

 先生は僕の顔の脇あたりをさしてそう言った。
 その声が耳に届いた瞬間、肩から指先までがじわりと痺れた。

「どう? 急に肩が重くなった気がするでしょ。反対側も、ぱちん♪」
「な、なんで……」
「これで肩に力が入らなくなっちゃったね。動かせるけど、だるいでしょう?」

 まるで微弱な電気を流されて筋肉がピリピリしているような状況だった。
 動くことはできるが、全身がうまく動かせない感じ。

 先生が不意に立ち上がり、僕の背後へ回る。

「ほら、スイッチを入れ直してあげる。ぱちん、ぱちん♪」
「うあっ、あ、あれ……?」
「どう? これが私の専門よ」

 先生の白い手が、少し強めに僕の肩を揉む。
 たったそれだけで正体不明の重みが霧散した。

「まだ信じられないって表情ね。でも人間の心って素直でシンプルなのよ」
「人間の心……」
「すがりたいものがあればそれにすがり、力にすることができる。
 だからスイッチのオンオフで、気持ちをリフレッシュできるの」

 にこやかな表情で、透き通るような声で先生は言う。

「くわしいんですね」
「私ね、大学でそういう研究をずっとしてきたの。だからぁ……」

 そして今度は正面から、僕の肩に手を置いた。
 自然と首元からバストへ視線が泳ぐ。
 そして腰のくびれまで……ほっそりしていて綺麗なラインを描いている。

「どこ見てるの?」
「あ、あっ! すみませ……」
「キミにもスイッチ、つけてあげようか?」
「っ!?」

 とっさに身の危険を感じたが、すでに僕は動けなくされていた。
 先生の手の力が少し強くなっただけで完全に動きが封じ込められているようだ。
 しかも恐怖で萎縮しているわけではなく、先生の視線に射抜かれているようで……まるで魅了されているように。

「オンにされちゃうと、とても気持ちよくなっちゃうスイッチ……」
 先生の目を見なさい。瞳の奥に居る、あなた自身を見つめてご覧なさい……」

 言われたとおりに先生の目を見つめる。
 大きな瞳の中に、僕の姿が写ってる……。

「蓮くん、抱きしめてあげる」

 先生がゆっくりとまぶたを閉じる。
 僕は美しい瞳の中に閉じ込められてしまった。

「あっ……吸い込まれて、は、あああぁぁぁ」
「ほら、力が……抜けてきちゃう……5つ数えたら、本当に抜けちゃうかも……」

 先生は目をつむったまま、僕に語りかける。
 ゆっくりと始まるカウントダウンに、僕は何故か期待してしまう。

「あ、あっ、まずい……せ、先生!」
「5……4……3……2……1……、ゼロ……すとーん……」
「くっ、あ……ぁぁっ……」

 一瞬で脱力した。いや、させられた。
 肩から先、肘も手首も指先も、全く力が伝わらない気がした。

「腕、重い、せ、せんせ……」
「ほぉら、全部オフにされちゃった♪」
「い、いやだ……これ、やばい……!」
「気持ちだけ自由で、ふわふわして気持ちいいね?
 でも体は石になったみたいに固まったまま……かわいそう……」

 先生は優雅に立ち上がり、身動きの取れない僕に正面から抱きついてきた。
 膝の上に柔らかいお尻が乗って、ドキドキする。ペニスはすでに固くなりつつあった。
 腕を顔に回され、抱きしめられると、ミントのような清潔感のある甘い香りに包まれる……。

「キミのここも、かわいそう……解放してあげる♪」

プチ、プチ……

 ゆっくりと上着を脱がされ、シャツも肌着も取り払われた。
 それからもちろん下着も降ろされた。
 ほとんど丸裸にされた僕を見ながら、先生は手のひらで僕の肌を撫でながら微笑む。

「ふふっ、脱がされて恥ずかしい? でも抵抗できないね~」
「うああぁぁ、はっずかしい、のに……うごけないよぉ……」

 先生が立ち上がり、勢いよくペニスが跳ね上がる。
 その震える肉棒に細い指先が絡みついた。

きゅ……

「あああっ!」
「きれいなおちんちん、今日もかわいがってあげる……」

 髪をかきあげ、先生がゆっくり腰を下ろす。
 そして左手でペニスの皮を剥いて、根本を掴みながら片膝をついた。

「ふうぅぅ~~~」
「えっ、せんせ……あ、ああああっ! そんなああああ!」

 温かい吐息に包まれて、プルンとペニスが跳ねる。
 天使の息吹にまとわりつかれた肉棒が歓喜の涙を流している。
 僕の股間に、憧れの先生の美しい顔が舞い降りた。

 そっと舌先を伸ばしながら先生がこちらを見た。
 目が合った瞬間、ねっとりとした感触がペニスに押し付けられた。

「ちゅるっ、ちゅ、ちゅうう……」
「んひっ、ふあああああ!」
「吸うよりも、舐められる方が好き? じゃあ……」

ぱっくん♪

「えっ、あ、せん、せええ!」
「れろぉ……ん、くちゅ、レロレロレロ……ゆっくりぃ、とろけちゃえ……」

 恥ずかしそうな表情をしたまま、先生が口を大きく開く。
 トロトロの唾液がたっぷり詰まった口の中に、僕の先端が包み込まれた。

「~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!!」

 あまりの気持ちよさに僕は声も出せずに震えている。
 この小さな口の中で、本当に溶かされてしまうのではないかと思った。

「んふ、ちゅ、る……くぷ、ちゅ、激しいのより……体に、響くでしょ……くちゅ……」
「んひ、せんせ、い、そ、それええ! いいっ!」
「舌の先で、えぐってあげる……ぺろ、ぺろぉ♪」

 ブルブル震えながら喘ぐ僕を、先生の大きな目が観察してる。
 感じるポイントに舌をおいて、さらにグリグリと刺激してくる。

「たっぷり、唾液をまぶして、おちんちんを……ちゅぷうっ、れろ、ピチュ♪」
「うあ、あ、ああっ!」
「その手、握ってあげるぅ……指と指、絡めよう?」

 無意識に伸ばした指先がふんわりと包まれる。
 暖かくて、少し硬い指先の感覚が先生との密着感を高める気がした。

「おちんちん、どんどん固くなってる……もっとやさしくしてあげるぅ……」
「すごい、これ、すご、いいぃぃ!」
「じゅりゅ、ぴちゅ、ぺろぺろぺろぉ♪ くすっ、おいし……」

 淫らな音を立てながら、先生は同じ動作を繰り返しながら少しずつ変化をつけてきた。
 僕の体が一番感じてしまう部分をあぶり出すように……もしくは、新たな性感帯を増やすように。

「体中の血液が、おちんちんに向かってるでしょ? だから、ここにスイッチを付けてあげる~」
「や、やめ……」
「いくよぉ? あーん、はむっ♪」

 一度口を大きく開き、狙いすましたように咥えこまれ、当たり前のように喘がされた。
 感じやすい部分はすでに把握されているようだった。
 先生になら、何をされても気持ちよくされてしまう気がしていた。

「じゅるじゅるじゅる、ぴちゃっ、れろぉ……」
「あっ、あっ、あああぁぁ! なにか、来ちゃう、先生ッ! うああああああああああああ!!」

 ニュルニュルの舌先がカリ首をえぐり、裏筋を優しく突き刺す。
 口の中で何度もツプツプと舌でこねられているうちに、亀頭が敏感になってきた。

「押されたら、甘く悶えちゃうスイッチ……今日も一つ増やしてあげる。ほらほらほらぁ~」
「だめええええ! そこにスイッチつけないで! うあっ、あああああ!!」

 もがいてもどうにもならない。手も繋がれ、ペニスは口の中で溶かされてる。
 絶対逃げられないのに、どうしてなのかわからないけど気持ちいい。

 またひとつ増やされちゃう! でも逆らえない。
 そのうちペニス全体がひとつのスイッチにされてしまうんだ……。

 華奢な先生に弄ばれているうちに、僕は普段以上にとても興奮してしまった。
 先生に自分の知らない一面を開発されてしまったんだ……。

「いじめられて元気になっちゃうの? ヘンタイくん……♪ もっと優しくしてあげるぅ」
「も、もう力が、ぜんぜん……はいんない……」
「んふふふ、もう限界だね。じゃあ、舌先でトドメ、さしてあげる……」

チュルルル、ツプリ♪

 尿道に浅く侵入され、許される。
 その繰り返しが毒の理性を吹き飛ばす。

「ひいいいいいっ!」

 舌先を尖らせ、先生は何度も裏筋の柔らかい部分だけを貫く。
 ドクドクと新しい我慢汁があふれ、先生に貢いでしまう。

「せんせ、せんせええええ!」
「ペロペロされながら、お口の中で、思い切りイっちゃえ~~~!」

かぷり……キュウウゥゥ♪

 絶妙な締め付けが、僕の心にある最後の砦を簡単に崩してしまった。

「で、でるっ、出るううううううううううううっ!!」

 無意識に腰を前に突き出し、僕は先生に……先生の淫らな舌使いに屈服した。

ビュルルッ、ビュルルルルル~~~~~~~~~~~~~~!!!

 射精している最中もおねだりするように腰を前に突き出す。
 先生はそんな僕を優しく見つめ、すべてを受け入れてくれた。

「いっぱいでてるけど、まだ許さないよ? 全部吸い出してあげる~~~♪」

じゅる、ちゅうううぅぅぅ!

「あ、ああぁぁ、吸われて……ダメにされてるぅ……!」

 射精直後のペニスに対して、ねっとりと優しく愛撫されたらどうしようもなかった。
 抵抗できないまま、ただただ先生のテクニックに溺れるしか無い。

「くすっ、もうダウンしちゃうの? じゃあ今日も刻みつけてあげなきゃね」

 美しい先生の顔が、淫らな微笑を浮かべた。

「はぁ、はぁ、はぁ、き、今日、も……」
「ぱちん♪」

 僕の疑問は、先生の声に打ち消された。

「あ…」
「魂に首輪をつけてあげる……心が勝手に私を求めちゃう、魅惑の鎖よ……」

 感じる! 先生につけられた首輪の感触と、それに繋がれた鎖の重さを。
 声だけでスイッチを、いじられた……思考が完全に止まる。
 そして急に頭の中がぼんやりしてきた。

「今日もここで起きたことは、全て夢の中の出来事だよ……
 キミはもう抜け出せない、私を好きになる、好きになる……もっと好きになる……」

 顔を抱かれ、柔らかな胸を押し付けられながら先生に語りかけられる。
 言葉のすべてが優しくて……それは天使の囁きだった。

 刷り込まれるように、先生の言葉が素直に心に突き刺さり、溶けて染み込んでくる。

「好き、好きです先生、好き、すきいぃぃ!」
「いい子ね……優しい舌使いも、手を握られた感触も、心を抱きしめられた快感も、感じた全てが体に刻まれちゃうの……」
「ああああぁぁ! 刻んで、もっと僕に刻んでくださいいいぃぃ!」

 すっかり従順になった僕を見て、先生は口づけをしてくれた。
 完全に密着した状態で呼吸を支配される。
 トロリとした唾液を飲まされ、さらに意識が曖昧になっていく。

「今日はこれでおしまいね」
「うあ、ああぁぁ……」
「告白した記憶は消しちゃうけど、私を好きな気持ちは残してあげる……
 目が覚めたら体も心もスッキリしているはずよ。
 明日もまたいらっしゃい。待ってるわ♪」
「はい、来ます……また、ここへ……」

 うわ言のようにつぶやきながら、僕は今日も思い出す。
 閉ざされた時間の流れの中で、先生が僕の心につけたスイッチのことを。

 もはやスイッチはたくさんつけられているみたいだ。
 きっと僕は何度ここへ来ているのだろう……思い出せない。
 そしてまた忘れるのだろう。

 僕を見つめる妖しい笑顔に見惚れながら、今日もまたゆっくりと意識が遠のいていく……。




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