『いつの間にか美少女になっていた親戚の子と交際を賭けてゲームすることになったというお話』
「どうぞ」
「朋花、はいりま~す」
開いたドアの隙間に体を滑り込ませるようにして、遠慮がちにトモが入ってきた。
日焼けした細い脚が魅力的で思わず見とれてしまう。
テニス部らしく引き締まっていて、スラリとして長い。
スパッツとシャツの隙間から見え隠れする素肌にもドキッとさせられた。
ナチュラルな色気を振りまきながら彼女は笑う。
本人はいたってそんなつもりはなさそうだけど。
「にいちゃん、あのねー……」
トモは立ったままであれこれ話し始めたのだが、どうにも頭に入ってこない。
シャツの上からでもわかるほど主張するバストや細い腰のくびれ、
それにさわり心地が良さそうな引き締まったお尻……
ちょこんとひとつに結んだプチポニテもかわいい。
「ねえにいちゃん! トモの話聞いてるの?」
「あ、ああ……なんだって?」
「もうっ、聞いてなかったじゃん! 昔みたいに一緒にお風呂入ろうよー」
「は?」
大胆すぎるトモの提案に絶句してから、俺は目の前がクラクラしてきた。
一緒に風呂に?
それってもちろんお互いに裸だよな。
「はいろうよー」
「待て待て待て待て!」
こいつ、全く悪意がなさそうな顔しやがって。
それとも意識し過ぎなのは俺だけか。
もう一度トモの全身を見る。
完全に女の体だ……
目の前でニカッと笑うその顔は、昔から見慣れたトモに間違いはないのだけれど。
「にいちゃん、私いつまで待てばいいの?」
「もう待たなくていいけどさ」
「じゃあお風呂だねっ!」
「おっ、お前には恥じらいというものがないのか!」
「? あるよー」
「だったら!」
「あー、そっか! ふっふっふ~♪」
ふいにトモが近づいてきた。
目の前まで来て、おもむろに背中を向けて俺の膝の上にペタンと座り込む。
大人があぐらをかいた上に子供を座らせたらこんな体勢になる。
多少ドキドキするけど不思議と落ち着くというか……しっくり来る。
思い出した。
これは昔、俺がトモと一緒に格闘ゲームをする時にしてた体勢だ。
ぴったり体を寄せながら一緒に画面を見つめていたっけ。
「にいちゃんはずかしいんだ?」
「え」
黒髪が俺の鼻先をかすめてくすぐったい。
膝の上にトモの体の重みと柔らかさをしっかり感じる。
「ねえ、どうなの? にいちゃん」
「何いってんだお前! 俺はお前のことを思って――」
「ふぇ、私のこと? それよりこの部屋暑くない?」
俺の言葉を聞いて不思議そうに首を傾げながら、トモはTシャツの裾をめくってパタパタと煽り始めた。
角度的に俺からは見えないが何をしているのかは理解できる。
(う、うう、ちょ、ちょっとだけ覗いてみたい! トモの素肌、それに――)
一緒に風呂に入るというのはそういうことだ。
胸もアソコも、見ていいというのなら見ておきたいのが本音だ。
でも立場上それは許されないのではないか?
もしもこの状況を知られたら母親に顔向けできない。
そんな葛藤を繰り返すうちに、むくり……と体の一部が反応してしまった。
ペニスの真上を柔らかいお尻が圧迫しているのだからしかたない。
でも流石に恥ずかしいのでトモには気づかれたくなかった。
さりげなく少しだけ腰を引いてみる。
「にいちゃん、トモの裸がそんなに気になる?」
「なっ、ならねーし!?」
「ええー、でも家の誰にも見せたことないから超レアだよ」
「はぁぁぁ……だったらなおさら俺には見せちゃダメだろ」
「ううん、それは違うよー。
だってトモは、にいちゃんになら……って、きゃあああっ!?」
さすがに限界だった。これ以上は俺の理性が吹っ飛ぶ。
そうなる前に心を鬼にして彼女を押しのけた。
跳ね飛ばしたと言ったほうが近いか。
「にいちゃん、どうして――」
「だ、駄目だよっ!」
自分としては強い口調でトモを叱りつけた。
多少のためらいはあったけど、ギュッと目をつむったまま一気にまくしたてる。
「俺たちはもう昔とは違うんだ。
だからお前はもっと自分を大切にして――、
あれ? トモ、どこいった……」
言葉が終わる頃にまぶたを開けば、そこに彼女の姿はなかった。
俺は誰もいない空間に力説してしまった恥ずかしさに赤面した。
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