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第九話



 俺の両脇に腕を通した彼女に抱きしめられる。
 小さな掛け声とともに黒崎風花は体を捻り、俺をフロアへ押し倒した。
 厚手のウレタンマットが敷いてあったので冷たさは感じない。

「この状況でも目が死んでいませんね。さすが」
「負けるもんか……!」
「ではもっと優しくしてあげましょう」

 彼女は小さく笑いながら髪留めのゴムを解いた。
 フワリと髪が広がる様子を見せつけられる。
 甘い香りが強くなる。

「ポニーテールのほうがお好みでした?」
「……!」
「ふふふ、良い反応です」

 見抜かれてる。
 わずかに俺が動揺したことを。
 髪が解かれた時、彼女を綺麗だと感じてしまった

 バトルファック部以外の女性とこういった流れになること自体が初めてなので、緊張してすまうのだ。
 まして相手は美少女である黒崎さん。
 ミズホの言葉を思い出す。

『見とれてもいいけど魅了されちゃダメ』

 やっぱり無茶だと思う。

 静かな葛藤を続ける俺に上に彼女がペタンと腰を下ろす。
 女の子らしい軽さなので苦痛はない。
 むしろお尻の柔らかさのほうが厄介だった。

「また私の足で虐めてあげます」

 じっと俺を見つめたまま彼女が足を組み替える。
 俺に添い寝するような体勢になり、片足を持ち上げて股間に乗せてきた。

(うあっ、な、なんだ……? んっ! ああああーーー!!)

 白くて細い魅力的な足、その膝裏とふくらはぎにペニスが挟み込まれた。

「性技・膝車(ひざぐるま)です。力加減が難しい技のひとつですね」

 そのままゆっくりと動き出す美脚。

「うっ、ううあっ、そんな! 動かさないで」
「あら? もうこれがそんなに気に入ったのですか先輩」
「ち、ちがっ! だから、動かすなって!!」
「ふぅん? 動かしてほしいのですね」

 ぐにぐにとしごかれ、ペニスが硬さを増していく。

 ほんのり温かくて張りのある足に完全に囚われてしまった。
 しかも彼女の端正な顔立ちがそばで俺を見つめている。

(見ないでくれ、恥ずかしくなる! それに、これ気持ちよすぎるっ)

 ゆったりと自転車を漕ぐような動きに慣れることができない。
 快感がじわじわと積み重なっていく。

「力加減が難しいと言っても私にかかればこの通り」
「ふああああっ!」
「失礼。締め過ぎちゃいましたね? ふふふふ♪」

 快感で体が浮き上がらぬよう俺の胸に手を添え、淡々と愛撫を重ねていく。
 しかも足技に加えて、露出した亀頭を指で弄び我慢汁を広げていく。

 まだ自由になる左手で彼女の体に触れる。
 こちらからも愛撫すれば責めの手が緩むと考えたのだが、動きを予測されてやんわり抑え込まれてしまった。

「私を気持ちよくしてくれようとしたんですね。ありがとう先輩」

ちゅ……

 彼女はそう言ってから頬ずりをして、そこに軽くキスを重ねてきた。

「ドキドキしちゃいますか?」
「く、ううぅぅっ……」
「あとでちゃんと唇にもしてあげますよ」

 甘く囁かれると気持ちが変になりそうだった。
 相手は男子部を混乱させた張本人だと言うのに!

 さらに何度もキスをされ、ますますおかしな気持ちになってきた。

 黒崎さんの唇は薄く、形が整って魅力的だ。
 だけどこの誘惑に負けてはいけない。
 取り返しがつかない状況になる気がする。

(だ、だんだん力が抜けていく……腰から下の感覚が鈍くなってる、まずいぞ)

 状況が好転しないので焦る俺に、彼女が顔を寄せてきた。

「そろそろ入れたくなってきましたか?」
「えっ」
「私の膣内を、頑張ってる大井クンのおちんちんで責めてみませんか」
「ぐっ!」

 まただ……年下の彼女にタメ口を聞かれただけで、負けたような、むず痒い気持ちにさせられてしまった。年下に見下されてるような気持ちになって興奮してしまうなんて認めたくない!

「ふふっ、戸惑ってるお顔も素敵ですよ」

 すべすべした両手で頬を撫でられる。
 これだけでうっとりしてしまいそうな手付きだ。

「このまま責めさせてもらいます。
 私に勝ちたかったら、これはチャンスですからね」

 自分を見上げる俺を観察しながら彼女が自分の下着に指をかけた。
 するりと片足を抜き取って顕になった彼女の秘部は、陰毛が全く見当たらないきれいなものだった。

(は、はじめてみた……パイパンってやつか……)

 直感的に綺麗だなと思った。
 そしてあの中に自分のモノが埋まっていく姿を想像すると異常な興奮を覚えた。

「くすっ、やる気まんまんという表情ですね」
「……っ! そんな、ことは……」

 言葉を濁した俺の顔に手を添え、彼女は無理やり自分の方に向ける。

 真っ直ぐに見つめられるとドキドキする。
 ポニーテールじゃない彼女も十分魅力的だ。

「私を……」
「!?」
「思い切り突けば感じてしまうかもしれませんよ?
 あなたにとって憎い相手です。
 男の力を見せつけて屈服させてみませんか」

 涼しげな瞳で挑発され、俺はたまらなくなって腰を突き上げた。
 既に接触直前だった亀頭と膣口の距離がゼロになり、マイナスになる!

ずちゅうううっ……

「あっ、ああああーーーーーーーーーーっ!!」

 声を上げたのは俺の方だった。

「やっぱり単純ね。大井クン♪」

 黒崎さんはすぐに上体を倒してきた。
 耳元に届く見下すような声が俺をゾクゾクさせる。

「もっと仲良くなろうね先輩」

 彼女は抱きつきながらかかとを俺の膝裏へと滑らせ、ぐいっと足を広げながら密着度を高めてきた。
 俺が腰を突き上げた姿勢をキープしてから上体を起こし、背中を反らせながら両手を俺の太腿に置いた。

 膣内が急激にペニスを締め上げてくる!

「性技・下方固め。これであなたは腰を振れない。」

 突き刺した先がどうなっているかなど想像できない。
 さらに自分から腰を引けなくされたのだ。

(しまった! こんなに深く差し込んでしまったら戻れなくなるッ!)

 もがいてみても手遅れだった。

 それ以前に俺は彼女に心をむき出しにされていた。

 男の欲望を煽られ、バトルファック部としてのプライドをくすぐられ、何より彼女の容姿に魅了されながらの挿入はとても甘美なものだった。

「年下の女の子にリードされるのはどんな気持ち?」

 ニヤニヤと俺を見つめる彼女の顔を見ても魅力的にしか見えない。

 屈辱を感じて腰を跳ね上げなきゃいけないのに、腰が動かない!

「少し甘やかしてあげる。悶えていいんだよ? 先輩♪」

くにゅ、うううぅぅぅ……

 内部で熱く渦巻く彼女の膣襞が優しく俺を撫でまくる。
 感じやすい場所に絡みつき、吸引してくる。

「あああっ!」
「クスッ、これがいいの?」

 ファサっと髪をかきあげながら彼女は言う。

「さてと、たっぷり時間をかけて可愛がってあげる。
 自分から私に溺れてくれたんですもの」

 ゆらりゆらりと彼女の細い腰が、声も出せずにいる俺の上で揺れ始める。



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