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第十一話  蔵瀬立華と黒崎風花





 私、黒崎風花が彼女に襲われたのは完全な誤算だった。
 この部屋には誰も来ないはずだったのに。

 膣内にペニスを迎え入れた状態で背後から乳首を中心に責められた。
 そもそも正式なバトルファック部員として修練を積んでいない自分がそんな目にあえばひとたまりもない。

 しかも相手は蔵瀬立華……バトルファックにおいてこの学園屈指の実力者。
 彼女の性技であっという間に私は下半身を腰砕けにされてしまった。

 快感にあえぐ私に肩を貸しながら蔵瀬立華は何一つ語らずに廊下を歩く。

 しっかり腕を絡め取り、逃げようとする隙を与えない。
 噂通り冷徹な印象の人物だった。

 捕らえたその場で私を尋問したところで簡単に口を割らないと判断したのだろう。
 おそらくこれから私は快楽拷問を受ける。
 絶望感とともに重たい足を前へ進めているのだ。

 この鷹見学園の理事長と確執の深い霧爪学館(きりつめがっかん)の学園主任が私の依頼主だ。そして私は霧爪学館の生徒会役員をしている。

 生徒会役員とはハニートラップ……色仕掛け担当でもある。
 春や夏の大会前に私たちが暗躍するおかげで運動部は比較的容易に勝利を拾える。
 部活動が脚光を浴びれば学園の評判も上がる。
 そのために私は汚れ仕事でも引き受けた。

 状況は絶望的だ。
 だが私にも意地がある。
 この先どんな拷問を受けようとも決して秘密を口にするわけには行かない。

 そう決意していたのに。



「んはぁっ、ああああーーーーーっ!!」

 防音室の中に私の声が響く。
 椅子に縛り付けられ、脚を閉じることができない。
 蔵瀬立華にここはバトルファック部の特別修練場だと言われた。

「どれだけ叫んでもいいわよ」
「ぜ、絶対に負けない!」
「あっそ。せいぜい頑張ってご覧なさい」

 蔵瀬立華は右手の指先でクリトリスの先端をフワリと包み込む。
 左手は私の腰に添えて動かさない。

 表情を変えずに淡々と同じ動きを繰り返しながら途中で左手に切り替える。
 右手でクリの皮を剥きながら、左手の指先で先端を包み、何度も擦り上げた。

「わたし、女の子を相手にするの苦手じゃないの。
 あなたみたいに生意気な場合は特に」
「くっ!」
「可愛いわよ。黒崎さん?」

 蔵瀬立華は左手の親指で私のクリトリスを巧みに刺激しながら、右手の人差し指を膣内へ容赦なく送り込む。
 そこから内部をじらすように指の腹でクリ裏をすり潰してきた。

「うっ、ううっ、うううああああああ!」
「またなにか出てきたわよ?」
「やめ、言わないで……あっ、あああぁぁーーーーっ!」

 蔵瀬立華は意地悪だった。美しい指を全て使って私の性感帯を弄び、快感の出口を塞いだまま何度も焦らし続ける。

 膣内のクリトリスの真裏あたりを左手の指でなぞりつつ、右手の中指と人差し指で真っ赤に腫れ上がったクリトリスを丁寧に磨く。

「たまらないでしょう? 腰がジンジンして感覚が麻痺して」
「こ、こんなのって……ふああ、あぁぁぁ……」
「休ませないわよ」

 今度は左手の指すべてを使ってクリ先端をつまみ、こね回してきた。
 さっきの逆だが彼女の左手は私の愛液まみれでヌルヌルしている。
 触れられているだけでもどかしくなるというのに、決して力を込めず羽が撫で回すような指使いが憎らしい。

「あんっ、はぁぁんっ、あああああーーーーっ!」
「まだまだ我慢できるよね? スパイなんだから」

 私の口からは絶えず喘ぎ声が溢れていた。
 蔵瀬立華は左手でアナルをマッサージしながら右手でクリをもみほぐし、ゆっくりと指で円を描いた。

(つ、爪の先でクリトリスをなぞられると、意識が飛びそうになる!)

 アナルから上に滑らせた指がいつのまにか膣内をピストンし始めた。
 変幻自在のテクニックの前に、私はもう限界だった。

「イかせてっ、おねがいだからイかせてよおおお!!」

 しかしあと二往復もすれば絶頂となる寸前で彼女は手を止めた。
 そのまま興奮をキープするように右手にひねりを加えながらのクリ愛撫。

「勝手にイけると思ってるの?」
「んあっ、ああああああーーーーーーーーーっ!!!」

 私の叫びを無視して再び彼女の指が快感の旋律を奏で始める。
 だがそれは決して私を果てさせない魔性の愛撫。

 彼女が奏でるそれは、卑猥な音を立てながらの調教だった。
 悔しいことにそれが私を大いに喜ばせた。

「イかせてっ、イかせ、おねがい、イかせてよおおおーーー!!」

 叫ぶ私を見ながら蔵瀬立華は試すように何度も愛撫を変えて、私の反応を見極める。

「言うことを聞いてくれるなら願いを叶えてあげる」
「なんでも、きくからっ、あ、ああああ……」

 懇願する私を見て頃合いと思ったのか背後へ回った。

「思い切りみっともなくイきなさい。全部録画しててあげる」

 彼女は右手を私の乳首に添えて、左手でクリトリスを弄び始める。
 焦らすような動きではなく、私を果てさせるための動きだった。

「あっ、あ、あっ!」

 勝手に腰が跳ねる。
 足の指先がピンと張り詰める。

「んひっ、ひいい、ああああああっ!!」
「イったわね。
 じゃあこのままもう一度」

 無慈悲なリズムで愛撫は続く。

「イくっ、もうイってるからぁ!」
「わかってるわ」
「とめて、いったんとめてえええ!」
「ダメ」
「いやああああああああああああああああああああ!!」

 言葉は冷淡だが指先の動きは優しすぎた。

 絶頂直後なのに快感だけがどんどん積み重なっていく。

 ドライ絶頂したクリトリスを彼女は丁寧に指先で撫でる。

 何度も、何度も……

 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!!!!!!

「イってる、イく、またイくううう!
 もうイってるのおおおおおおおおーーーーーー!!」


 こうして私は、蔵瀬立華のテクニックに堕とされた……






(2021.01.30)

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