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第十二話 後半 効果測定
むき出しにされたペニスに黒崎さんの指が絡む。
「うあっ!」
人差し指がそっと触れ、カリに巻き付いた瞬間に声が出た。
この間とぜんぜん違う刺激だ!
「たしかここから滑るようにして全体を……」
真剣な表情で黒崎さんがペニスを握り直す。
その際にも指先が離れない。
ずっと彼女とつながっている状態にドキドキしてしまう。
白い指先が上から下へと何度もペニスの筋を撫でてから、ふわりと両手で包み込んできた。あまりにも優しい刺激にまた声が出てしまった。
(こ、こんなにいたわるように愛撫されたら我慢できない! み、右手で先端をこね回さないでええええ!!)
ガチガチと歯が鳴り出しそうな絶妙さ。すでに俺の腹筋がワナワナと震えてるけど黒崎さんは構わず同じ動き繰り返し、少しずつ速度も上げていく。
「ここで動きを変えます」
先端をこね回す時の手首の回転運動が止まった。
その代わり、指先でカリを引っ掛けるのみの動きに変化した。
「ミナトくんの顔が可愛いよぉ……」
「部長、今は興奮しないで」
「そうだよね。ごめん」
黒崎さんのテクニックを検分している二人の声が遠くに聞こえた。
でも今はそれどころじゃない。
この性技によってペニスの先端に刺激が集まってる。
少しでも気を抜いたら漏らしてしまいそうだ。
それに軽く指先であしらわれているようで、気持ちいいけど悔しい!
「まだ耐えますか」
黒崎さんの声に焦りが混じってくる。
左手をゆっくりと乳首に移動させてきた。
「悶えてもらいますよ先輩」
きれいな指と冷たい声。
その二つを感じた直後、乳首に電流が走った。
「ふあああああっ!」
恐ろしく優しげな指先。しかし凶悪な快感だった。
ペニスを弄ぶのと同じように黒崎さんは乳首を責めてくる。
特に指先で乳首を挟まれると亀頭を弄ばれた時のことを思い出してしまう。
わざとそうすることで効果を倍増させているんだ。
「もうすぐ落ちますね、これ」
黒崎さんがほっと息をつく。
彼女は俺の急所を優しく包み込みながら決して指先に力を入れない。
それがもどかしくてたまらない。
まるで羽が舞うような手付きにひたすら焦らされる。
(ここで思い切り握られたら、イけるのにいいいい!!)
頭の中に射精したい気持ちばかりが膨らんでくる。
しかし足りない!
美しい指先はペニスの先端より内側、広くなっているところを撫でるばかりで、決して裏筋を責めてこない。その責めが数分続き、俺はスタミナを絞り尽くされた。
「終わりです」
やがて獲物である俺を焦らすのをやめ、黒崎さんは握り方を変えてゆっくりと上下に肉棒を擦り始めた。
逆手握りでふわりふわりと、最初は右手だけ……
(うあっ、あああああああ!! はやく、早くうううううっ)
必死で声を出さずにいる俺を見ながら、片手扱きから両手で緩やかにひねりを加えながらの動きに変化させてきた。もちろん俺はもう陥落寸前だ。
「この段階で射精してしまう男子がほとんどなのに、大井くんはさすがね」
「でも五分も続ければこの通りになっちゃう。リッカの技の変形だから当たり前といえば当たり前だけど」
部長と副部長が黒崎さんを評価している。
「私のテクニック、どうですか? 大井先輩」
くすっと笑いながら黒崎さんが首を傾げている。
その様子が可愛らしくて我慢しているはずの心が緩んでいく。
(こんなの無理だ、限界……ッ!)
答えを口にする代わりに、俺の体が彼女に対しておねだりをし始めてしまう。
「いいですよ。受け止めてあげます」
両手でキュッと握りしめられる先端と根本。
さらに指先がうねりだし、射精を促すマッサージが始まる。
「あっ、あああっ、出るううううーーーーーーーーーーーっ!!」
ガクガク震えだす俺を見て、彼女がペニスから手を離す。
もう止まらない。
カウントダウンなしでも射精してしまうことがわかる。
「先輩、いっぱい出して♪」
両方の手のひらを俺の方へ向けてにっこり微笑む黒崎さん。
その笑顔を見ながら、俺は後輩の手に向けて盛大に射精してしまうのだった。
(2021.02.01更新)
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