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第三章 第一話(後半)  ~ルートL~



――次の日。

 俺は夢の中で結菜と二人で悲恋湖へ出かけていた。
 それは夢だった。
 どこかちぐはぐなので、なんとなくわかる。
 それに俺が妹と出かけることなんて最近なかったからだ。

 それでも覚めたくない夢だってあるだろう。
 夢とわかっていても続きを見てみたい、そんな気持ちで俺は結菜と一緒に走る。
 穏やかな風が吹く道を自転車で駆け抜ける。

 それからしばらくして、俺と妹は無事に湖に到着した。
 見慣れた自転車置き場に鍵をかける。
 お互いの車輪を重ねるようにしてロックする。
 これなら簡単には解けないし盗難にも遭いにくい。

 もっとぴったり寄せて……

むにゅっ。

 そう、こんな風にぴったりと――って待て、何だこれは。
 不意に息苦しさで俺は目覚める。
 だが視界は真っ暗なままだ。

 それでも感じるのは不自然なほど柔らかくて温かな何か――、

ふにゅんっ……!

 ちょっと待て、柔らかいってなんだ!?
 それにこの感触は思い当たるフシがある。
 視界はあいかわらず真っ暗だ。

むにっ、むにゅううう~~~っ!

 首を左右に振ってみても世界が明るくならない!
 息苦しさも極まってだんだん焦ってきたその時だった。

「うにゅ……んぅ……おにい、動いちゃダメェ」

むぎゅうううううううう!!

「ぅお! いっ、やめろ結菜! 死ぬ死ぬ死ぬ!!」
「えー」

 反射的に俺の口から声が出た。
 そうだこれは結菜だ、この凶悪な胸の感触は!!

 懐かしいような、安心するようなフワフワ感こそ我が妹の証。
 密着して汗ばんでいるせいで、妹の魔乳が俺の顔に吸い付いてくるから抜け出せなかった。

「まじで、やば……い……」
「おにいのわがまま! もー、しょうがないなぁ」

 結菜がしぶしぶ俺を解放した。
 まるでペリペリと音がするように、白い肌が名残惜しそうに吸い付いてくる。
 そしてようやく光が差し込んできた。

「うっ……!」
「えへへ、ごめんね?」

 ふたつにくくった髪型と大きな目。ニコニコしたまま結菜は俺を見て挨拶する。
 こいつ、どこまでマイペースなんだろうか……

「あっ、挨拶! まだだったよね。おはよう、おにい!」
「おはようってお前なんでここ、え! お、おい、おま、なっ、な……!」

 シーツに包まったまま身を起こした妹を正面から見て絶句した。
 大きくて柔らかなバストが目の前でふよふよと上下に揺れていたからだ。

「えへへ、脱いじゃった♪ 最近あついもんネ?」
「あほかお前ええええええええええええ!!!」

 ヌードになった結菜は悪びれずに微笑む。
 堂々と存在を主張する豊かな果実の先で、桃色の蕾が控えめに尖っていた。

(あ、あれ、なんだかいつもより色っぽい……)

 見慣れた形のはずなのにどこか新鮮。
 右手で思い切り鷲掴みしたくなる衝動。なんだこれは……

 そんな疑問を抱くまで、俺は思わず見とれていた。

「おにい、どしたの?」
「い、いや、これは」

 それでも恐る恐る手を伸ばす。
 片手では掴みきれないと思った俺は、人差し指だけを伸ばして……

ツプンッ♪

「いやぁんっ!」

 指先が1センチほど乳首を押してから妹が声を上げた。
 だが恥ずかしそうなふりであっても、実際は恥ずかしくなさそうだ。
 顔を見ればわかる。

 戒めるつもりで強めにバストをこね回してやると、結菜は瞳をうるませておねだりしてきた。

「おにい、やさしくしてぇ♪」
「お、おう……」

 こういう時の妹は可愛い。
 しかし甘い声で可愛くねだれば俺が何でもしてくれると思ったら大間違いだ。

 いや、何でもするよ!!!!!!!!!!

「もっと強くしてぇ~」
「な、なんだと……こうか!」

 どうやら弱すぎたらしい。力加減の調整が難しいな。
 でもそれよりもコイツの胸の谷間からいい香りがしてきた……気のせいだろうか。

「じょうず~~」

 今度は褒められた。良かった。
 いつしか俺は両手で夢中になって妹の胸を揉みしだいている。
 それにしてもつややかで重量感のある球体だ。
 学園には香織さんをはじめ美少女系は多く存在するが、我が妹ながらバストに関してだけは他の追随を許さないのではないかと思う。

「あはぁっ♪」
「ど、どうした? 痛くしちゃったか」
「ううん、だんだん気持ちよくなってきたネ」

 そうか、それなら良かった。なんだろうこの幸福感は。
 結菜が頬を上気させて喘いでいるのを見るだけで心が満たされる。

 それに下半身もだんだんと……

「なんだか一生懸命だね~」
「はぁはぁはぁ」
「ねえ、聞いてる? おにい」

 もちろん聞こえてる。でも今はそれよりもこの巨乳を……

「お、おかしいぞ……なんで俺が……」
「ふふふふふ♪」

 揉めば揉むほど気持ちよくなっていく。俺の中に快感が溜まっていく。
 まるで自分のペニスを扱いているかのように、俺は夢中になって目の前のバストに挑み続けた。

 すると結菜がぽつりとつぶやいた。

「もっと激しくして、ユウマ」
「お、おう……」

 言われるがままに乳首をこね回したり、胸に添えた指先に力を込めた。
 ほんのりと色づいたバストは悲鳴を上げることなく俺の握力を全て吸収していく。
 こちらが愛撫しているはずなのに、何故か結菜に愛撫されてるような錯覚が……って、なんだこれ!?

「ホント、上手になったよねぇ」

 いつしか俺の股間に、妹のほっそりした脚がこすりつけられていた。
 気持ちいいはずだ……俺の手の動きに合わせてカウンター技を打ち込んでいたのだから。

「ほらほらどーしたの?」
「く、くそっ、偉そうに……って、ああああ、なんでっ!」

 俺は、わずかに結菜の目尻がつり上がっていることに気づく。
 それだけじゃない。
 肌の色もいつもより濃くなって、これじゃあまるで!

「おっ、お前、リンネだろ!?」
「正解~、さすがはユウマだね~」

 美脚で俺を刺激しながら淫魔が笑う。
 それになぜかコイツの胸から指が離れない!?

「くそっ、なんで今まで気づかなかったんだ!」
「ほら、手を休めちゃ駄目でしょ? おにーちゃん♪」

 リンネが俺の両手を自らの手のひらでフワリと包み込む。
 なんとも言えない艶めかしい感触……

「こ、こいつ、結菜の体を使って……」
「それがどーしたの? 本人許可済みだけど」
「結菜が!? まさか」

 見た目は結菜のままだというのに、俺の目の前にいるのは完全に別人だった。
 しかもとんでもない色気を部屋中に撒き散らして――、

「妹ちゃんとあたし、すごく相性いいって言われなかった?」

 そういえばリリスがそんなことを言っていたような気もするが、正直なところ記憶が曖昧だ。
 戸惑い続ける俺を観察しながら、リンネは小さく微笑むと両手で俺の顔を挟み込んだ。

 きれいな目で俺を見つめ、もう一度微笑む。

「だからこんなことだってできちゃうんだよ。簡易催眠淫魔術!」

 次の瞬間、俺の体から何かが抜け落ちた気がした。
 魂が溶け出して、その代わりにリンネが入り込んできたような感覚。
 包み込まれるような快感に身を任せていると、その感覚はすぐに消えさってしまった。

「今から一時間くらい、ユウマの右手はあたしの思うがままだヨ?」

 目の前でリンネがニヤリと微笑む。嫌な予感がする。

「な、なにをするつもりだ……」
「そうだなぁ~、じゃあ操り手コキしてあげるっ」

 そう宣言してからリンネが右手をさっと揚げると、俺も彼女と同じ動きをしてしまった。
 さらにリンネの指が空中で輪を描く。

「ほらほら、シコシコして~」

 俺の右手がペニスを掴み、絶妙な強さでしごきはじめた。
 抗おうとしても無駄だった。
 むしろ抵抗するたびに腰のあたりから力が抜けて、ますますリンネの言いなりにされてしまうようだった。

「くっ、くそおお、なんだよこれええ!」
「あはっ、操られるの気持ちいいよね~」

 ケラケラ笑いながら淫魔が顔を寄せてくる。
 果実のように甘い香りが強くなって、俺を包み込んでくる。

(それともあたしに、直接シテほしい?)

 かがみ込んだリンネに囁かれてドキッとする。
 こいつは今、妹に違いない……妹の体に違いないのに、なんでこんなに俺を気持ちよく出来るんだろうか。

「もっとやさしくいじろっか? シコシコシコシコ……ふふふふ」
「ま、まってくれ! このままじゃ……んはあああああああああ!?」

 操られたままシコりつづける俺の手に、リンネの指先が重なった。
 続々するような肌触りがますます俺に快感を注ぎ込む。

(イっちまう、妹の目の前で……そんな、お、俺はああああ!!)

 操られた右手でオナニーしながら左手でリンネの胸をもみ続ける。
 これだけでも刺激が強すぎるというのに、リンネは俺を片方の腕で抱き寄せながらもう片方の手のひらでペニスやその周辺を撫で回してくるのだ。

「そろそろ限界かな~? この記憶は妹ちゃんの頭に残るからね」
「や、やめろ! やめてくれえええええ」

 完全に支配された空間で俺は快感に悶える。
 抱き寄せられたまま視線の高さも合わせられ、リンネと妹に見つめられながら射精なんてしたら……

「頼む、本当にやめ――」
「ふふふ、イ・ヤ♪ イっちゃえ~~~」

ちゅっ……♪

 リンネの腕が俺を抱き寄せ、熱い抱擁とキスをお見舞いしてきた。
 それと同時に美脚が、太ももがペニスの根本をサラリと舐め回した瞬間、

ビュクウウウウウウウウウウウウ!!!!!!

「うあああああああああああああああああああああああああーーーーーっ!!」

 腰をガクガクさせながら俺は爆ぜてしまう。
 しかも射精している最中もリンネの愛撫は続き、切れ目なく二回目と三回目の射精まで導かれてしまうのだった。


(2019.10.24. 更新部分)




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