1・「美優先生とキスをして、たくさん撫でられたい」
橙矢が口にした言葉を聞いた美優は、無意識に唇の端を吊り上げた。
「そんなに先生とキスしたいんだ?」
「は、はい……」
恥ずかしそうに答える彼をじっと見つめ、わざと舌先をチロリと見せつける。
それだけで橙矢はますますドキドキしてしまう。
「いいよ。してあげる」
そこから美優はゆっくりと彼の顔を手のひらで包み、ほほえみながら時間をかけて彼を攻略し始めた。
ちゅ……
そっと触れ合うようなキスで彼を魅了する。
プチュ、レロ……ジュッ……
数回ほど軽いキスをしてから、控えめに舌先を突き刺してみる。
彼からの抵抗はなかった。
美優にされるがままになった橙矢は、既に次のキスを求め続けている。
(もっともっとしてください、美優先生ぇ……)
口元をパクパクさせながら、薄っすらと涙さえ浮かべている。
そんな年下の彼が美優にとっては愛しくてたまらない。
「かわいい……橙矢くん、もっとおかしくしてなっていいよ」
わずかに呼吸を乱していることに美優自身も気づいていなかった。
あまりにも従順で、素直な獲物を目の前にして理性が崩れていく。
先程よりも荒々しく彼を抱きしめ、熱い口づけを与えた。
「ん、ちゅっ、ちゅぷ……ふふふ、私にキスされて、私のことだけ考えてるエッチな男の子、好きぃ♪」
舌先で彼を蹂躙するたびに、腕の中で力が抜けていくのがわかる。
それでも美優は徹底的に彼にキスを重ねた。
もはや愛撫と呼べるくらい激しい接触。
「で、ちゃううううっ!!」
不意に橙矢は叫び、全身をギュッと硬くして何かを耐え忍ぶ表情を見せた。
「キスだけで気持ちよくなっちゃった?」
一筋の涙がツゥーっと少年の頬を伝い落ちるのを、美優の舌先が遮る。
(み、美優先生の舌で、もっと舐められたいよぉ……)
美貌の家庭教師のおかげで新たな性癖まで植え付けられてしまった橙矢。
切ない目で美優を見つめると、全てを察してくれたように彼女は頷いた。
「じゃあこんなことまでされたら……」
すっかり骨抜きになった彼を立たせ、美優はファスナーを下ろしていく。
「あっ、あああっ!」
ズボンがその場に落ちて下半身がひんやりとした。
そのことよりも彼を驚かせたのは美優の好気の眼差しだった。
(先生に見られてる、恥ずかしい! でも、なんで大きくなって……)
彼の羞恥心は確かなものであったが、その思いに逆らうようにペニスがゆっくりと持ち上がっていく。
否定しようとすればするほど、美優の手の中へ落ちていくような感覚。
「よくできました。ご褒美あげる」
ちゅぷっ……
「あ、あああっ、せ、先生!?」
既に半分以上勃起した肉棒を美優がそっと頬張る。
その唇の感触と口内の熱さに橙矢が戸惑いの声を上げた。
(もう何も考えられなくなっちゃうかもね? うふふふふ)
微笑みとともに彼を舐る美優。
その淫らな表情を、快感にたゆたう橙矢が窺い知ることはできなかった。
じゅる、じゅるる、じゅぷうぅ……
ねっとりと時間をかけて顔を前後させる。
時折顔を左右に振って粘膜でペニスを喜ばせる。
橙矢の驚きの声が快感への喘ぎに変わるのにそれほど時間を要しなかった。
それから数分後、初めてのフェラは彼の抵抗力をすべて溶かしきった。
「はぁ、はぁ、はぁ、先生……僕、もう立ってられない」
ギブアップ寸前の彼を支えながらベッドに横たえ、美優が口元を拭う。
まな板の上の鯉となった橙矢は息も絶え絶えに彼女を見上げていた。
(つ、次は何をされちゃうんだろう……)
期待と不安が入り交じる中、美優の美しい手が下半身へと伸びてゆく。
「私の手はね、橙矢くんのことをよく知ってるんだよ」
そのままふわりとペニスを掴み、亀頭を優しく揉み込んでゆく。
あまりにも柔らかで滑らかな手付きに橙矢の全身が一瞬で固くなる。
足の指先から脳天までがピンと張り詰めた。
それでも美優の手付きは変わらない。
少しずつ少しずつ彼の性感を支配し、新たな快感を植え付けながら開発してゆく。
指先の間に亀頭をくぐらせ舐めるようにしごく。
親指で裏筋を抑えたまま小刻みにシェイクする。
何をされても橙矢は声を殺してあえぐことしかできない。
「気持ちいいでしょう?」
「は、はぃ……ああ、そこ……!」
「ゆっくり時間をかけて慣らしてあげたんだから」
手コキを継続しながら美優は彼に顔を寄せた。
「首筋、弱い子だったよね」
ペロ……
「ふああああっ!」
突然首筋を舐められた橙矢が思わず叫ぶ。
美優の愛撫は精妙を極めた。
無防備だった弱点への強襲……それは橙矢に全身がペニスになってしまったかのように錯覚させた。
「望み通りいじめてあげる。私の舌と指をいっぱい味わってね」
柔らかな手付きでペニスを制圧しながら、美優は首筋や胸元へのキスで彼をさらに酔わせていく。
童貞の橙矢にとってそれは未知の拷問であり、苦しくも気持ちよくもあった。
ただ自分が静かに崩れていくことだけは彼も感じ取っていた。
それでもやめられない気持ちのほうが圧倒的であり、無意識に彼は美優の空いている手を握りしめていた。
「せ、先生ぇ……僕、もう……」
「じれったくなっちゃったね。この先に進みたい?」
相変わらず優しく問いかけてくる美優に、橙矢は頷くことしかできない。
「いい子ね。じゃあ、導いてあげる」
軽く唇を重ねてから美優はベッドに上がる。
添い寝をするような体勢で彼と更に深く密着した。
(先生の香りが強くなっていく……)
「ね、さっきよりも硬いよ」
美優に囁かれてハッとする。
橙矢のペニスは完全に勃起しており、彼女の手の中で脈を打っていた。
「私の指で気持ちよくなっちゃおうか」
「おねがいしま、あ、あああぁぁっ……」
ペニスをいじる指先の動きが変わった。
先端をヌルヌルカリカリとひっかくような動きのせいで、勝手に腰がよじれ始めた。
「これ好きでしょ?」
「すき、すきですっ、あ、あああああーーー!」
快感に身悶えすると、ぎゅううっと抱き寄せてくれる。
恥ずかしい気持ちを見透かされているのに目が離せない。
橙矢には、真横で自分を見つめている美優が女神に見えてきた。
「このままくすぐり続けたら、もうすぐ元気よくドピュってしちゃいそうだけど、その後はどうされたい?」
クチュクチュと先端をしごきながら橙矢を陥落させていく美優。
指先の動きは決して単調にならず、人差し指と中指の腹でカリ首を撫でながら側面を削り取るように軽く爪を立てている。
「せ、せんせぇ、もっと、もっとしてください、あはああぁぁぁ!」
「ふふ、そっかぁ」
淫らなくすぐりが続く。
美しい指先は確実に少年の性感に食い込み、堕落させてゆく。
「このままだとお漏らししちゃうよ? いいの?」
しゃくりあげるように裏筋と鈴口を結ぶ直線を刺激され、橙矢の顎が跳ね上がる。
「私にはじゅかしいお顔見られちゃうけど、それもいいのね?」
ろくに返事もできない状態での問いかけに、必死の思いで彼は首を横に振るのだが、
「んふふっ、もう手遅れでーす。スイッチ入っちゃったから」
美優は指先すべてを使って橙矢のペニスを真上から包み込む。
そのままゆっくりとひねりを加えるようにして肉棒全体を指で味わい始めた。
(ああ、で、でちゃうっ、こんどこそおかしくなっちゃうううう!)
橙矢は美優にすがりつきながらガクガクと震えだした。
玉袋の奥からグツグツと滾った性欲が吹き上がろうとしていた。
ここで初めて美優は、握っていた彼の手を離した。
そして両手を使って肉棒と先端を別々の動きで責め始めた。
(なにこれええ、きもちいいっ、きもちよすぎてっ!)
ほっそりした指先10本を総動員した男性器への愛撫。
まだ女を知らない彼にとって、それは到底耐えきれるものではなかった。
「くすっ、もうイっちゃいなさい……ボ・ウ・ヤ♪」
美優が声を潜めてささやく。
すでに射精することしか頭に浮かばなくなった彼にとって、それはトドメとして充分な役割を果たす一言だった。
「うあっ、あああああああああああああーーーーーーっ!!」
ビュクビュクビュクウウウウウウウウッ!!
二度三度、さらにそこからゆっくりと時間をかけて橙矢は何度も絶頂してしまう。
射精が収まらなかった理由は脈動の最中も美優がしっかりと次の射精を促していたからだ。
身悶えして逃げ出そうとする橙矢を抱き寄せ、口づけを与えて麻痺させる。
完全に自分の支配下に置いた彼に対して容赦なく美優は手コキを続けた。
その一時間後。
「可愛い鳴き声だったわよ、橙矢くん」
きっちりと彼の精巣から一滴残らず精液を搾り尽くしてから美優が微笑んだ。
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