僕は自分の部屋で長瀬さんと抱き合っていた。

『中谷くん、好き……ずっと好きだったの、だから……』



体操服姿のままで切なそうに彼女が言う。

軽い感動を覚えつつ、しなやかな体を抱きしめ、甘酸っぱい香りに包まれる至福の時間。

今まで意識してなかったけど長瀬さんってすごく可愛くて魅力的だ。
普通のクラスメイトだと思っていたけど……いいところがいっぱいあるじゃないか。
ツインテールも似あってるし、見とれてしまうほど脚が綺麗。
それに少しエッチで刺激的な一面もあって――

(でも体操服? なんで……)

頭の中をよぎる些細な違和感が目の前の景色を曇らせる。

好きな人の部屋にいるのに、なんでいつもどおりの部活前スタイルなんだ?

視界の端から甘い世界が途切れてゆく気がした。

そして――







「夢か……」

そこは放課後の教室だった。今日は水曜日だ。

すでにホームルームも終わり閑散とした様子。
あまりにも退屈な担任の話を聴きながら、ついつい眠ってしまったようだ。

でも良い夢が見れたからプラスマイナスゼロというか、むしろ嬉しい気分。

願わくばもう少しだけ続きが見たかったなぁ……。

あの後二人はどうなったのか、妄想するだけでも顔がほころんでしまいそうだ。



「それで、どんな夢だったの?」

ぐーんと背伸びをしてる僕の背中に、夢の中と同じ声が浴びせられた。
恐る恐る振り返ると……

「ん?」



僕と抱き合っていた張本人がそこにいた。

「うわあああああぁぁっ!」

思わず机を蹴って立ち上がってしまう。


「ひどいなぁ……人をお化けみたいな目で見て」

長瀬さんがぷくっと頬を膨らませる。
こちらとしては恥ずかしい気持ちと申し訳ない気持ちが入り混じったような状況。

そしてようやく気持ちが現実に引き戻されてきた。
今日も僕は彼女と二人で掃除当番なのだ。

長瀬さんは一昨日と同じように体操服姿だった。
夢の中と違ったのはスパッツ姿ではなくてブルマー……って、こっちのほうが凶悪じゃないか!
机に腰掛けながらクスクス笑っている彼女の姿は眩しい。

しかも擬似的とはいえ夢の影響で恋人補正が入ってるから真正面から見つめることは不可能。
早く現実モードに自分を戻さないといけない。


「お掃除しよう? 中谷くん」

長瀬さんは手に持っていたモップをひとつ僕に手渡してくれた。









それから暫くの間、僕は雑念を振り払うかのように一生懸命掃除をした。

こんなに熱心な掃除当番は他のクラスに居るだろうか?

昨日とは比べ物にならない速度で机を動かし、ものの数分で掃除は完了してしまった。


「中谷くん、そんなに教室汚れてなかったね」

「うん、昨日よりも全然楽だった……」

肉体的には疲れてるはずなのに気にならない。
取り立てて掃除が好きというわけでもないけど、自分の淫らな思考を追い払うには最適だと知った。


「今日は私も遅刻しなかったし!」

チロッと舌を出しながら彼女がおどけてみせた。
昨日のことをまだ気にしていたのか……。


「むしろ僕のほうが居眠りしちゃってたからね……」

しかも彼女に寝起きの一部始終を見られていたわけで、担任にチクられたら来週も掃除当番を命じられそう。


「じゃあこれでチャラってことにしない? 私と中谷くんだけの秘密ってことで」

ニッコリと微笑む長瀬さん。
その笑顔がとんでもなく可愛く見えるのは、きっと夢を見たせいだけじゃないと思う。

僕がその提案を快諾すると、ホッとしたように彼女も息を吐いた。

そして僕が浅く腰掛けている机の脇にちょこんと座ってから、ジッとこちらを見上げてきた。



「ところで中谷くん……どんな夢を見てたのか、そろそろ白状する時間だと思うんですけど?」

「いいいっ!? なんでそんなこと……」

夢の中のヒロインが意味ありげな表情で問い詰めてきた。
もちろんまともに答えるなんてできるわけもなく、


「そうだ! え、映画の夢……だったような」

「ホントに?」



やばい……食い下がってくる。
別に良い人ぶるつもりはないけど、僕は嘘をつくのが上手ではない。

だがここはなんとしても乗り切らねばならない気がする。


「え、えと……たぶんそう! SFモノだったような気がするッ あんまり覚えてないなぁ……なんて……」

「神に誓いますかぁ~?」

あくまでも問いかけをやめない彼女の視線を避けるように何度も首を縦に振る。


「ふふっ、約束だからね……」

すると長瀬さんが自分の鞄からなにか小さな黒い棒を取り出した。
嫌な予感がする。


「こ、これは……」

「本当は部活で自分の出した音を確認するために使うんだけど……中谷くんがあまりにも面白いことを言うから」


黒い棒には小さなスイッチがいくつも付いている。
中には赤い丸が……見たことあるぞ、これはボイスレコーダー!

「あとで聴こうと思って録音してたんだよねぇ」

「や、やめて……」

どんな声が入っているのか、想像に難くない。
自分が寝ている時に発する言葉なんて、夢の影響をもろにウケてるわけで――!

「どんなSF映画だったのか教えてもらおうかな?」

狼狽する僕の様子をうかがいながら、長瀬さんは容赦なく再生ボタンを押した。





「……その、ごめんなさい」

「ねー? はじめから素直に言えばいいのに」

およそ一分間、僕は彼女の目の前で辱めを受けた。
ボイスレコーダーに収録されていた音声は間違いなく僕のもので、話していた内容も身に覚えがあるもので……


「うわぁ、私だよね、この相手……ずいぶん楽しそうな夢を見てたのね? ふふふっ」

「……」

やばいよ、背中に流れる汗が異常に冷たく感じる。

彼女には僕の妄想が筒抜けだったわけで、何も弁解できない状態。


(早くここから解放して……!)

もはやその一念だけである。


「じゃあ……夢の続きしようか?」

石のように固まってる僕の肩に長瀬さんの手のひらが置かれた。


「えっ?」

「ただし今度は私のターンだよね。動いたり抵抗したら……わかるよね?」


「ち、ちょ……」

肩に置かれた手に力が入る。
あっけなく僕は机の上に仰向けにされてしまった。






「あ、あのっ! 長瀬さんこれはッ!?」

「中谷くん、あんまり声を出さないほうがいいと思うよ。また私に録音されちゃうかも」

「ぅぐっ……」

これ以上弱みを握られたくない!

彼女のたった一言で沈黙せざるを得なくなる。
この場での主導権は完全に長瀬さんが握っている。

そして僕が不安そうに見守る中、彼女の指先がズボンのファスナーを下ろし始める。

「う、ああぁぁ……」

僕は動けない。女の子に解剖されてるような、支配されてゆく感覚がジワリと胸の中を侵食してくる。
ファスナーだけでなくベルトも緩められ、その隙間からひんやりとした長瀬さんの手が滑りこんできた。

ニュルッ……

「んんっ!!」

そっと先端を掴まれ、優しくこね回され……

見えない角度でペニスが弄り回されてゆく。
柔らかい指使いのせいでさっきよりも僕自身が張り詰めて、彼女の指を押し返す。

「こんなに元気にしてるんだ。私が全部むいてあげる」

「!!」

さらに数秒後、僕のあそこは完全に長瀬さんの前に晒されてしまった。
ビクビク震え続ける棹を、彼女の細い指がそっとなで上げる。

「ああぁぁぁ!」

「いい声♪ もっと切なそうに鳴いて見せて、中谷くん……」

真っ白な指先がゆっくりと棹をしごくと、我慢汁が涙のように溢れだす。
それを指先に絡め、敏感な粘膜を彼女はくすぐるように何度もなぞり続ける。

人差し指がヌルヌルになり、続いて親指と中指も……ペニスの表面を滑る指の抵抗がなくなってゆく。

そのまま数分間僕を弄んでから、彼女がゆらりと立ち上がった。


「今日はこの中に入れてあげる」




長瀬さんは体操服の裾をピラッとめくってみせた。
指先以上に真っ白な肌と形の良いおへそが見え隠れする。

ゆっくりと僕に体を重ねるようにして、体操服の生地と自らの素肌の間にペニスを滑りこませる。

(あ、ああぁぁ……女の子の体って暖かくて凄いエッチで……)

彼女に包み込まれるという言葉がぴったりな状況だった。
むき出しになったペニスを覆い隠す彼女の体操服と、そっと押し当てられる大理石みたいな女の子の肌。

その感触が夢の中の彼女よりも数段なまめかしくて、エッチな妄想がどんどん増殖してしまう。


「私の体操服の中に、男の子の大事なところを隠しちゃうの……♪ こんなに大きくしちゃって……今日もいけない男の子だね、中谷くん」

さらに長瀬さんの目線がさがって、上目遣いのまま僕を抱きしめてきた。

体操服に閉じ込められ、ヌルついたペニスが密着度を増す。

彼女の柔肌を滑って、おへそからさらにバストの方へと向かわされる。


「恋人として付き合ってるわけでもない私の体に興奮しちゃって、おうちでいけないことのオカズにしてるなんて……」

「お、おか……僕は決してそんなことし……」

ふにょんっ♪

「ふあああっ!」


「クスッ、なぁに? 私の肌をヌルヌルにしておきながらそんなことを言っても説得力ないよ?」

熱く柔らかい何かによって、ペニスの先端が押しつぶされた。

ふっくらとしたそれが彼女のバストであると気づくまでにそれ程の時間は必要としなかった。

ふにゅっ、ふるんっ♪ クニュクニュクニュ……

「あ、ぎいぃ、あああぁっ!」

僕が悶えてもお構いなしで彼女は微笑むだけだった。

長瀬さんは素肌の感触を刷り込むように何度も何度もバスト責めを繰り返す。


柔らかな女性特有の膨らみを強制的に味わうことになったペニスは、今まで以上に我慢汁をまき散らした。

そのせいで彼女の体操服に小さなシミが生まれ、瞬く間に広がってゆくことになる。


「どう? 脚よりも手よりも気持ちいいんじゃない?」

彼女の問いかけに僕は応えることが出来ない。
叫ばずにいるのをこらえる作業で精一杯だった。

服の上から見る限りそれほど大きくは見えない彼女の胸。
それでも破壊力は想像以上で、気を抜いたら本当に射精してしまいそうだった。

(大きさなんて関係ないんだ……! こんなの我慢できないッ~~~)

ヌルヌル感が増した肉棒をいたぶるように、彼女が左右のバストの間に挟み込んできた。




服の上から見ただけでもわかる。
僕はもう完全に彼女に囚えられてしまった。

「行くよ? 女の子のお肌に触れたら、男の子は降参するしか無いんだから……」

「まっ……て、えええぇぇぇ!」

僕の体を抱き寄せる彼女の腕に力がこもる。


グチュ、キュウウウウウウ~~~~~♪

「ああっ、んっ、んんん~~~~~~ッ!!」

必死で声をこらえるが、どうしても漏れだしてしまう。
彼女が脇の下を締めてペニスが圧迫されている。
柔らかな2つの球体の間でペニスがもがき、その苦しみにも似た快楽が僕を叫ばせようとしていた。

クチュクチュクチュクチュ♪

僕自身を強く挟み込んだままで彼女が体を上下に揺さぶってきた。

「あっ、あ、あっ、ああぁっ!」

もがき苦しむ亀頭に、痺れるような甘い刺激が注入される。
お腹の奥がむず痒くなって、今すぐにでも発射してしまいそうにいいいいぃぃぃい!

「ね? 男の子って弱いんだよ。だから嘘ついちゃ駄目……」

子供を叱るように長瀬さんは言う。
そして今度は左右の手を自分のバストに添えて、リズミカルにギュッギュと締めあげてきた。


「わかった? 中谷くん……」

「うあ、うんっ、あふあぁぁっ、もう嘘つかっ、ああぁ、つかないからああぁぁ!」


「……そろそろイキたい?」

与えられすぎた快楽に悶え、痙攣すらし始めた僕に優しく微笑む彼女の顔が天使に見えた。

イきたい……このまま射精したい。
長瀬さんの清らかなバストに精液をぶちまけたい。

教室であることも忘れて僕は願った。
誰かに見られるかもしれないという恐怖心すら濁らせる彼女の誘惑に屈してしまった。


「いいよ。じゃあこれで……」

無言で何度も首を縦に振る僕を見ながら、長瀬さんがニュルッと舌を伸ばす。
すっかり唾液で濡れた真っ赤な舌先が体操服の中でもがいてるペニスの先端を捉える。

「クスッ……」

そして軽く笑いながら、張り詰めた先端をクリクリとえぐり始める。


(ぁ……お、ああぁ、何……これぇぇ……!?)

服の上から舐められてるだけなのに、すごく感じる!

彼女の舌先がヌルヌルのペニスを先端から溶かしてゆく……。


『我慢しなくてもいいよ。降参でしょう?』


彼女と目と目があった瞬間、心の中まであの真っ赤な舌先に舐め取られてしまった。



ドピュッ、ドピュウウウウウウウウウッ!


体操服に包み込まれたまま、ペニスが盛大に爆ぜた。

声を押し殺したまま僕は彼女の肩を掴みつつ、子犬のように何度も腰を揺らすのだった。







「いくらなんでも出しすぎ……」



すべてが終わった後で恨めしそうに彼女が言った。
長瀬さんは体操服の下で盛大に射精してしまったペニスを優しくハンカチで拭い、僕の体についた精液なども綺麗に拭き取ってくれた。

「もちろん着替えはあるけどね。だとしても、もう少し遠慮した方がいいと思う」

「ごめんなさい……」

僕はと言えばとにかく謝るしか無かった。
こんな時、他にどんなことを言うべきなのかわからない。

「長瀬さん、ホントに……その、申し訳ない……です」

謝りつつも、僕はさっきまでのことを思い出していた。

女の子の胸に挟まれるって、あんなに気持ちいいことだったんだ。

正直なところ、今夜は思い出しエッチをしない自信がない。



「また明日も色んな所を一緒に掃除しようね!」

意味深な言葉を残して、彼女は教室から出て行ってしまった。



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