『スライムバスター3 ~境界線からの使者~』





「……」

不機嫌そうな表情のライムが右手を伸ばしてきた。

僕はその手を掴み、ホコリを払いつつ立ち上がった。


「ありがとう。敵がいきなり襲いかかってきたけどライムのおかげで、う、うわあああっ!!」


ぱしッ

「…ねえ、さっきのだらしない顔は何なの?」

「ええっ!?」

ホッとしたのもつかの間、突然ライムに足を引っ掛けられた。


(せっかく立ち上がろうとしたのに酷い!)

寒空をバックに、彼女の顔が逆さに見える。

しかも滅茶苦茶怒ってる!

なんでそんなに怒ってるんだと問いかける間もなく、ライムは両膝で僕の肩を抑えこんできた。


「痛い痛い! あっ……」

フワ…

ライムのミニスカートの裾が僕の顔を撫でる。


「えっ、え、なんで!? ちょっ……」

「フンッ、あれがそんなに良かったんだ……」

クチュッ…

視界がピンク色に変わる。

僕の両肩を押さえつけていた彼女の膝が少し動いて、ちょうど顔の上で正座するような格好になって…


(が、顔面騎乗!? なんでこんなことにいいいい)

必死で体を起こそうとしても無駄だった。

少しだけ顔は動かせるけど、僕が動けないことには変わりないようだ。


「もっと喜びなさいよ、ほらぁ!」

「んふうううっ!?」

スリスリスリッ…


ほんのりと温かい彼女の太ももに挟まれながら、局部を鼻先に擦り付けられる。


「んっ、うぶうううううう!!」

しかも何度も何度も、スカートに中でショーツ越しにライムの体温を感じさせられる。

「こう? もっと強くした方がいいのかしら……んっ、ぁんっ!」

グチュッ、クチュチュ……

(ああああぁ、ライムも濡れてるじゃないか。それにこの匂い、たまらない……)

これは汗の匂いじゃない、サラサラした透明なしずくが僕の鼻先を濡らしてる。

しかも少しだけライムも喘いでいたようだ。


「ぁ、それ……ウィル……ん♪」

イヤイヤをするように顔を左右に振ってみると、たまらなくなったのか少しだけ彼女が腰を浮かせた。


「はぁはぁはぁ…」

「少しだけ息を吸ってもいいわよ?」


「ライ…んむ、ヤキモチは、あとで、あ、あぎいいいいいいいいいい!!」

クチュウウウウウウウウッ!!


ライムが急に上半身を押し倒してきた。

そしてすっかり膨らみきったペニスを両手で荒々しくしごき始めたのだ。

「あああああ~~~~~~~~~~っ!!」


ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅっ

ぎゅむっ、ぎちゅっ!

「べ、別にヤキモチ焼いてるわけじゃないわよ! なんで私がウィルに」

時々思い出したようにお尻で僕の顔を踏みつけながら、ライムは手コキを繰り返す。


「生意気ね……もっと美味しく味付けしてあげる」

トロ…

「っ!!」

ふいにやってきたヌルついた違和感…

これはああああ!?

「ストップ、ストップだよライム! そんなにされたらああああああ」

「聞こえなーい。全然聞こえないわー」

トロッ、トロリ……ジュルルルル…

ライムの手コキが回数を追うごとにどんどん滑らかになってゆく…

それだけじゃなく、僕が受ける快感も飛躍的に跳ね上がって――、

「うあああああっ、スライムつかっちゃダメええええええ!!」

「え~、あらやだ! 全然気づかなかったわ~」」

ライムはくすくす笑いながらこちらを見つめてる。


(嘘だあああああ、絶対わかってるくせに! ライム、ライムッ!!)

スライムローションを出した時の彼女の手コキや足コキは、通常時の攻撃力を軽く数倍上回る。

ニュルルル…


「はううううっ!!」

さっきまでの荒々しい手コキは息を潜め、変わって優しくいたわるように亀頭を何度も撫で回す動きでライムは僕を翻弄していた。

(この動きはずるいよおおおおぉぉぉ!!)

あまりの心地よさに体がしびれだす。快感を逃がそうとして悶えた先へ、ライムの手は当然のように追従してくる。

逃げられない快感に蝕まれた僕は、彼女に組み敷かれたまま往生際の悪い蛇のように体をくねらせていた…


「あ…うぁ……」

「そろそろスッキリしちゃおうか? フフフ…」

酸素を求めて口をパクパクさせてる僕を見ながら彼女が言う。僕は全く身動きができない。

ライムは僕の顔の上で座り直すと、うんしょ…と言いながらゆっくりと足を伸ばした。


その先にあるのは僕の真っ赤に腫れ上がったペニス。

そ~~っと伸ばされたしなやかな美脚がその先端に触れ――

ピチャッ…

「ひゃうううううううううっ!」

ローション漬けにされたペニスに舞い降りたライムの足指。

親指と人差指がクパァ…と開いて、優しく握りつぶすように亀頭を掴んできたああああ!


ヌル、チュヌッ、クリュクリュクリュ…

それは手の指と同じくらい繊細な動きをするライムの足技だった。


クチュチュッ、ニチュ、チュッチュッチュ……

「あがっ、あ、あああぁぁ……そ、こぉ……ひいぃぃ! 指先でこねるのらめえええ」

「可愛い声…最高ね、ウィル」

再びライムがしっかりと僕の顔をお尻で潰してきた。

鼻先に彼女の香りを感じながら、足の指で弄ばれる快感……しかも全く身動きができない屈辱感が僕の心を追い詰める。

(でちゃうっ、出したいよおおぉお! はやく、早くっ、ライム!!)


ライムの足コキが容赦なく僕の精神を削り取ってゆく。

いつの間にか両足がペニスを挟み込んでいた。片方は根本を固定して、もう片方は先端を優しく擦り下ろしてくる…

「ふあっ、あっ、あ、あ、あ!!」

「まだ駄目よ…もっと悶えて見せて?」


チュルル、ピチャッ、チュククク…

ローションの量が増えた。同時に与えられる快感もまた跳ね上がってええええ!


「うあっ、あああああ! イくっ、イきたいよおおおおお!」

「我慢よ。もっと、もっと……ほらぁ、これがいいんでしょう?」

ライムは右足の指全てで亀頭をふんわりと包み込んだ。


「あああぁぁ……気持ちい、いけど…これじゃああぁぁぁ!」

「じれったい? 切ないわよね。うふふふふ♪ もっと遊ぼ?」


先端を優しく掴んだまま、ライムの右足が弧を描いた。

「ひぐっ、ひっ、あふっ、ライム~~~~!!」

残酷なまでに焦らされ、犯され、高められる。

それでも僕は彼女に愛されてる気持ちでいっぱいだった。

だから早く……僕を早くうううぅぅぅ~~!


「顔がもうグシャグシャになってる。素敵よ、ウィル。大好きな足でイキなさい」

その直後、ライムの右足が小刻みなピストン運動を始めた。

「ああ、あ、あ、あ、あああ!」

背筋に走る快感の予兆。

根本に留められていた精液が噴出す、一気に上がってくる!


「ああ、ら、ライムッ、いいい、イ、イくうううううううううう~~~~!!」

ドピュルルルルルルルル~~~!!


腰をガクガクさせながらの射精。

その最中で、ライムは体をスライドさせて
さらにしっかりとペニスを太ももで挟み込んできた。

「もっと出しなさいよ」

ライムのツヤツヤの髪の香りを感じながら、彼女の体重をかけられて、また僕は快感の高みに押し上げられる。

クチュッ、クチュ、クチュ…

「ひいいいっ、あ、あ、ああ! イクうううう!!」

倒れこみ背面騎乗位の体勢で、腫れ上がったペニスから根こそぎ精液が搾り取られてゆく……

ピュウウウウッ!

「くはあ、あああっ!!」

ライムの足の指に続いて今度は太ももに……敗北の証をまき散らしてしまった。


「こんな北の果てでも熱いミルク出せるんだ。さすがスライムバスターだわ」

体を反転させたライムは、息切れする僕の顔を見ながら満足そうに笑う。


「あうぅぅ、ひどいよライム、あんないきなり……」

チュッ…♪


「んううううっ!?」

不満を全て言い終わる前に唇が塞がれた。

トロトロの唾液が流し込まれ、優しく飲み込まされる。


(こんなのズルいよおおおおぉぉ……)

僕の弱点を知り尽くしたライムのキスは甘くて、一方的にこちらを降参させた。

ピチュッ、レロレロ……

「んっ、ウィル……もうっ、ん、ん~~ッ!」

「ああぁぁ……!!」

熱心に舌先をしゃぶられ、顔を抱きしめられながらのキスは反則みたいな威力だった。

ライムへの抗議の心も全て蕩けさせられた上に、だんだん頭がぼんやりしてきた。


それから数分後――、


チュポ…ンッ…

やっと解放された。

しかし僕はもう、うっとりとライムを見つめることしか出来ない。


「……また今度も敵に見とれてたら、こんなもんじゃ済まさないからね!」



よく見れば目の前のライムは恥ずかしそうな表情をしていた。

やっぱりこれってヤキモチだったんじゃ……


「ぅん…気をつけるよ……」

一瞬でも不埒な考えを起こした僕は、敵から受けたダメージの百倍くらいキツいお仕置きをライムから受けとったのだった。








それからしばらく休憩をして、僕はどうにか立ち上がることができるレベルまで回復した。

ライムも無言で肩を貸してくれた。今度はもちろんお仕置きなしで。
彼女も少しやりすぎたと感じたのだろうか。




「境界線」を越えた僕たちを包む風は徐々に冷たさを増してゆく。

白いものがうっすらと積もる山が視界に増えてきたような気もする。

ライムは僕を風よけにしながら少し寒そうにしている。


二人で寄りそうながら3つ目の丸木橋を越えようとした、その時だった。




「ウィル、あれ……見て!」


ライムが突然足を止め、僕にささやいた。
その視線の先には一人の美女が立っていた。




見つめているだけでこちらが凍りつくような青さ。

それが第一印象だった。

切れ長の目尻とクールな視線を送りつつ、彼女はこちらをじっと見据えている。




「ライム、あれは敵なのか」

「うん、きっと味方ではないよ」

ライムの表情が硬い。
それほどまでに警戒が必要な相手なのか。


「……」

青い美女は口元を全く動かさず、ライムと僕を交互に見比べている。

透き通るように青く長い髪、氷の意志を秘めた瞳、強きな表情……初めてなのにどこかで見たことがある気がしてならない。

白い雪のようなケープを肩に羽織り、大胆に開いた胸元には宝珠が輝いている。


「あれはエレメント…」

ライムが呟いた。

そうだ、あれはまるで……


「変な言い方だけど、キミに似てるよ」


それについてライムは何も言わなかった。
僕と同じことを肌で感じているのかもしれない。


「私もそう思う。不思議なくらい鼓動が共鳴してるの」

表情こそ変えないものの、ライムはかなり動揺しているようだ。



こうして一分ほど睨み合いが続いた後に、青い美女がこちらをスッと指さした。


「な、なにっ?」

身構える僕達を見て美女は微笑んでいる。
さらに彼女はゆっくりと口を動かして何かを語りかけているようだった。

だがそれはあまりにも遠く、聞き取れない小さな声だからわかるはずもな…


「なっ!……そんなの嫌よ!」

「っ!?」

突然ライムが叫んだ。

その間にも青い美女は語り続けている。

僕には聞こえないけれど、ライムは何かを感じ取っているのだろう。

徐々に表情が険しくなってゆく。


「待ちなさい! 今すぐ決着つけてあげるッ」

まだ遠くにいる敵に飛びかかっていきそうなライムを必死で取り押さえる。

今の彼女にはいつもの冷静さがない。このまま行かせるのは危険だ。


「とにかく落ち着けよライム」

「離してウィル、あいつはここで倒さないと駄目な相手よ! だから……あっ」


青い美女は小さく微笑んでから、僕達の視界から静かに消えていった。

まるでこの風景に溶け込んでいくかのように。




「あ~~! もうっ、ウィルのせいで逃げられちゃったじゃないの!!」

「……」

勝てない敵ではなかったのかもしれない。

でも今は戦いたくなかった。


取り乱すライムを抱きしめながら、僕はミッションの一時停止を決断した。

相棒が冷静さを欠いたまま、これ以上の探索は危険を伴う。

漠然とそんな予感がした。


ワープポイントを地中に設置してから、僕達は一旦この地を離れることにした。

とりあえずターゲットのホワイトレディは駆逐できたから、ハンター協会に報告へ行こう。





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