『スライムバスター3 ~境界線からの使者~』






――それから三日後。

実際は休養をとるつもりはなかったのだけど、とある事情があって僕は一昨日の夜まで動く事ができなかったのだ。

でもライムとリィナを連れ添って今は目的地へと向かっている。


「ふあ~あ、相変わらず遠すぎるよね、ここ」

「でもお姉さま、みんなでピクニックしてるみたいで楽しいじゃないですかぁ」

不満そうにつぶやくライムを慰めるようにリィナが笑顔で言葉を返す。


「そりゃそうだけどね。リィナは気楽でいいわ……」

僕たちの住む地域から約一日半、北西へと向かったところにスライム界の女王が住むクリスタルパレスが存在する。

そこは険しい山々に囲まれた神聖なる結界。


「ふぅ……」

僕の目の前ではしゃぐ二人を見つめながら、協会からの指令書をもう一度読み直す事にした。

ずっと気になっているのはこの一点。

ライムとリィナを随伴させる事にどんな意味があるのか。


(まさか彼女たちをスライムの世界におびき出すための企みなのでは……)

以前、あちらの参謀ルシェがリィナを無理やり連れ戻そうとして、弟子のマルクが半ば暴走気味にクリスタルパレスに潜入したときのことを思い出す。

今の僕にとってライムはもちろんリイナも大切な家族のような存在。絶対に失いたくない。

僕の考えが杞憂であって欲しいと願うばかりだ。



「あ~~~、クリパレ見えてきました!」

ぴょんぴょんと跳ねるように歩きながら、リィナが大きな声で目的地到着の知らせを告げる。

ちらりと顔を覗いてみたけど、ライムは相変わらず不機嫌な様子。








「門番のミウです。あ、あの……どういったご用件、でしょうか……」

クリスタルパレスの入り口が見えてきてすぐ、衛兵らしき少女が近づいてきた。

装飾されたなめし皮の鎧に、小さめの盾を身構え、右手には仲間を呼ぶためのホイッスルを手にしている。


(なんて弱そうな衛兵。でも、この子……どこかおかしいぞ!)

得体の知れない強さをうちに秘めた色白の美少女。

きっと剣や魔法で一撃で倒せる。でも倒してはいけないニオイがする。


これは見た目にだまされちゃいけない、気の抜けない相手だと僕の直感が警鐘を鳴らす。

不審に思った僕が彼女に声をかける直前、


「なにしてるのルシェ。そういう変装が最近マイブームなわけ?」

ライムがずいっと一歩前に出て、少女に向かって悪態をついて見せた。


「わっ、ホントだ! ルシェ様のオーラを感じちゃいますぅ」

「えええっ!?」

リィナまで嬉しそうにそんな事を言い出した。

このおとなしそうな子が、スライムの淫界参謀・ルシェだと二人は言うけど――、


「ふふっ、こんなに早く見破られてしまうとは。さすが『LIPS』の精鋭さんたち……」

少女の声色が変わった!

それだけじゃなく、緑色のオーラが彼女の背中からあふれ出し、体型もすらりとした7頭身の美女へと変化してゆく。。

数秒後、見覚えのある顔に変貌した少女……いや美女が僕たちをじっと見つめて微笑んだ。


「女王様がお待ちですわ。ライム、それにリイナ、そして、スライムバスター……ウィルさまあああぁぁぁ♪」

どんっ!

驚きの声を上げる間もなく、ルシェは僕に抱きついて子犬が尻尾を振るように頬ずりしてきた。

「ああ、この匂いすごく懐かしい……お会いできて何よりですわ」


「……うわぁ、ルシェ様が大胆モードですぅ」

「リィナ、じっと見てないで僕を早く助けて」

救いを求める僕を見てリィナは横を向く。四面楚歌かよ!



「あれから全然こちらへ遊びに来てくださらないんですもの……体液で枕をぬらす夜が続きましたわ」

そんなことより早く離れてもらわないと、またライムにボコられるっ!


「ルシェ……いつからそんなキャラに転向したの?」

「たった今ですわ!」

ライムが呆れたように尋ねると、ルシェは面倒くさそうに手短に答える。

今僕に抱きついているのがスライムの淫界きっての策士・ルシェその人に間違いはないのだけど――、


(な、なんでこんなにスリスリされてるんだ!? もしかして彼女、僕を誰かを勘違いしてるんじゃ……)


ふよんっ

「うぷっ、んうううあああっ!」

程よい弾力というより、全てを包み込む柔らかさを持つスライム乳が僕の顔に押し当てられた。

でも僕を窒息死させる類の密着感ではない……。



彼女は、ライムと同レベルに近い高密度の淫気を纏い、分身術で僕を射精寸前まで追い詰めた強敵。

僕の家の結界を破ってリィナを連れ去り、洗脳した上でマルクと戦わせた残酷な嗜好の持ち主。

そんな彼女を打ち倒した僕だから、憎まれる事はあっても好かれる理由が見つからない!


何よりも以前はライムと同じクール系のスライム美女という印象だった。

間違ってもこんなにフレンドリーな空気の持ち主ではなかった。


「あのさルシェ……あたしたち、今日は招待客のはずなんだけどー」

「おなかペコペコですー」

しばらくの間、僕らの様子を眺めていたライムとリィナがつまらなそうにもう一度口を開く。

そしてルシェの動きが少し止まった瞬間、僕が彼女の背中をタップするとようやく正気に戻ってくれた。


「はっ、そうですわね……とにかく謁見の間へお連れしますわ」

ルシェは任務を思い出し、恥ずかしそうに立ち上がると、僕たちの先頭に立ってお城の中へ通してくれた。







ルシェに連れられた僕たちはいくつかの大きな扉をくぐり、城の奥へと向かった。

門番たちはみな透き通るような肌をしたスライムの美女。僕たちの姿を見ると何も言わずに先へ通してくれた。


そして赤じゅうたんが敷かれた通路の先、ひときわ大きな扉の前でルシェが足を止める。

左右に控える衛兵も今までとは違い、褐色肌と真っ白な肌……いかにも格が高そうなスライムだ。

そのうちの一人が僕たちの姿を見て顔色を変えた。

「おおっ、久しいなライム殿とリィナ! いつここへ戻ってくるのだ?」

褐色肌の衛兵がライムたちを交互に見比べている。


「そちらがスライムバスター・ウィル殿ですね」

白い肌を持つ衛兵が微笑みながら会釈してきた。

この子も綺麗だな…。


「ふたりともライムの知り合い?」

「まぁね…」

衛兵たちについて尋ねてみたものの、ライムは憮然とした表情だった。あんまり仲が良いわけでもないのか。


「ごくろうさまです。少し控えてください」

ルシェの言葉を聞いて、衛兵たちが慌てて扉の脇へと下がる。


「ただいま戻りました。人間界からの特使をお通しします」

ルシェは扉の先へ向けてピンと張り詰めた声を投げかける。

この先に恐らくスライムの女王がいるのだ。

数秒後、衛兵が二人がかりで重厚な扉に手をかける。

ぴったりと呼吸を合わせた無駄のない動き。この扉はそうしないと開かぬ作りなのかも知れない。


僕の目の前で両開きの扉が静かに開いてゆく……





「ようこそ、クリスタルパレスへ」

開かれた扉の先は透明度の高い大理石で出来たような空間だった。

赤いじゅうたんがなければ宙に浮いているような感覚になれるかもしれない。


スライムの女王は僕の予想と少し違って、じつに穏やかな表情をしていた。

半透明の肌を持ち、包み込むようなオーラを醸し出している高貴な存在。

かつて僕を支えてくれたルルやミリアと同じ雰囲気……それが皇族たる証なのかもしれない。

しかしどこか憔悴しきっているような、もの寂しげな印象を受けた。


「以前からお会いしてみたいと思っておりました」

「ルシェの報告どおり、魅力的な男性みたいですね。ライムやリィナが惹かれるのもわかります」


「ちょっ、女王様! 私は別にウィルに惹かれてるとかそういうんじゃ……」

「はいはーい! あたし惹かれてますぅ!」

リィナが勢いよく手を挙げてアピールする姿を見て、ルシェが羨ましそうに唇をかんでいる。


「あちらでも大事にしてもらっているようですね、ライム」

「……はい。ウィルのおかげで」

ライムの口から珍しい言葉が出た。
女王様の前だということを差し引いても、少し嬉しくなる。

「幸せです! あたしたちっ」

リィナも元気いっぱいに答える。

しばらくの間、僕たち三名を順番に見つめながら女王は満足そうな、穏やかな表情を浮かべていた。

「ルシェ」

「はい、女王様」

「ライムとリィナを応接間へ案内してあげなさい。旅の疲れを癒して差し上げて。私は彼にだけ伝えたいことがあるのです」

「かしこまりました」

うやうやしく一礼してから、ルシェが立ち上がり二人を連れて別室へと向かった。
ライムは一度だけ振り返ってこちらを見つめた。僕も見つめ返す。

(大丈夫、一人きりでも何も心配ない……)

交差する視線は会話と同じ意味を持つ。
スライムの女王が危害を加えるつもりなら僕はもう既に討ち取られているだろう。
僕の意思を感じたのか、ライムは少しだけ微笑んでみせた。


ルシェとライム、リィナの姿が消える。

そして静寂――、

どうやら女王は僕と一対一で話をしたい様子だ。

「本当に遠いところまで来て頂きましたね。ウィル殿、私の自己紹介がまだでしたね」

にこやかに女王が語りかけてきた。

シアノ――それがスライムの女王の名だという。


「お呼びたてした理由は、彼女たちに全てを聞かせられない事情があったからです。人間界、ハンター協会を通じてのお願いとなりましたが……平和と秩序の安定のため、私は早期解決を望んでいます。スライムと心を通わせる事ができるあなたにお願いしたいのです」

女王はゆっくりと立ち上がると、僕に背を向けて巨大な窓の向こう側をじっと見つめた。


「スライムの淫界は今、危機を迎えているといっても良いでしょう。じつは私が所有していた『ブルーティアラ』が盗まれてしまったのです」

「えっ!!」

ブルーティアラというのは僕も一度だけ見たことがある、スライム界の至宝のこと。

スライムの特徴である粘体を制御する力と、粘体に命を吹き込む事ができるSレアアイテム。

しかしその冠は装着するだけで絶大な魔力を消費するため、並の魔法使いでは扱う事ができないとされている。

かつてリィナを復活させるために、ライムがごく短い時間だけ装着していた事を思い出す。

その宝物が盗み出されたのだと言うのだ。


「しかもそれは……『境界線』の向こう側にある氷の城『ティフォリア』に運び込まれてしまいました。ブルーティアラを持ち去ったのは、北の世界を統治する淫界の手の者……ここに監視の記録が残っています」

女王は目を閉じたまま話し続ける。
そして魔力をこめた左手をかざすと、監視記録というべき映像が空中に映し出された。

映像の場所はおそらく夜中の宝物庫。
その暗闇の中で淡い光を放つブルーティアラ。

そこへ突然なだれ込んできた三つの影が、部屋の中央に鎮座していた獲物に手を伸ばした。

一人目はティアラに手を触れた瞬間に何故か倒れた。
どうやら一瞬で体力と魔力を吸い尽くされたようだ。

二人目は直接触れぬように布のようなものを被せてから、ティアラを抱えた瞬間に倒れこんだ。
どうやら並大抵のことでは触れることすら許されないようだ。
それがブルーティアラのセキュリティにもなっているらしい。

三人目はため息を一つついてから、顔を隠していたヴェールを剥ぎ取った。



「ああああっ!」

僕は小さくうめいた。見覚えのある顔だった。


暗闇を照らす光が徐々に増えてゆく。賊の体がうっすらと青い光を放っているのだ。その光がティアラとシンクロする!
光に照らされた賊は、とても綺麗な女性だった。ティアラが彼女のオーラに共鳴している。


その間にも映像の中で時間は進み、三人目は何かの呪文を唱えてから難なくブルーティアラを奪取した。

画面が急に真っ暗になる。

記録映像はそこまでだった。

監視の目に気づいた賊が、部屋を出る直前に冷凍魔法を直撃させたのだ。


「こ、この映像に出てきた人……」

それは青い髪をした細身の女性だった。
まるでライムのような美しさを持つ彼女は、先日境界線の向こうで見かけた人物と同じ。


「……ここからが本題です。少し長くなりますが今回の事件を理解してもらう上で重要なので聞いてください」

僕の方に向き直った女王が静かに語り始めた。





昔々――、

境界線の向こう側に、北の淫界を統括していたティフォリア王という人物がいた。

彼は氷の魔術に長けており、仲間からも信頼されていたが、一つだけ悩みを抱えていた。
それは「境界線の向こう側に行ってみたい」という個人的な願いであり、同時に王としての悩みであった。


一年中冬である北の大地に住む魔物は、境界線の向こう側では生きられない。

春や夏の気候に体が耐えられない、適応できないと彼は先代の王や側近から聞かされていた。

しかし彼はあきらめなかった。

王家に伝わる秘宝・炎のエレメントさえあれば寒さと暑さを調節できる。
すなわち暖かい気候にも適応できると考えていたのだ。

そしてある日、ティフォリアは自らの考えを実行した。
エレメントを携え、境界線の向こうへと足を踏み入れたのだ。


はじめは何も問題は起こらなかった。

しかし、数時間後にはティフォリアは虫の息となっていた。灼熱の砂漠に投じられた氷の塊のように体が徐々に溶けていく。やはり急激な変化に体がついていかない。


炎のエレメントは極寒の地での活動半径を広げてくれる効果はあるが、暖かな地ではその効果が暴走してしまうのだ。

氷の魔法に詳しいティフォリアではあるが、炎の制御は得意ではない。


(もはやここまでか……民に申し訳が立たぬな…)

どこまでも青い空を見上げながら王は涙を流した。

少しの後悔を胸に秘め、ティフォリアは死を覚悟して目を閉じた。



だが彼があの世へ旅立つ事はなかった。

偶然通りかかったスライムの女王・シアノの一行が彼らを助けたのだ。

シアノはティフォリアを回復させると、自らの持つ「水のエレメント」の一部を彼に与えた。

逆にティフォリアは自分の持つ「炎のエレメント」の一部を彼女に与えた。


同時に二人は恋に落ちた。しかしそれは許されない恋。

境界線を越えての逢瀬は数回続き、そして大事に至る前に双方の重臣たちとの協議により、二人は無理やり別れを余儀なくされたのだった。




それから歳月は流れ……シアノはふたりの女の子を授かった。

ほどなくしてティフォリア王にもその知らせは届く。

誰の子種かは調べるまでもなかった。


種族としての「境界線」を越えた二人が正式に結ばれる事は無い。

されど、この喜びは何とか伝えたい……幸せを分かち合いたい。



分かち合う?


シアノは熟考した結果、ふたりの子のうち一人をティフォリアに任せることにした。
ちょうど跡継ぎに困っていた北の淫界にとってそれは朗報だった。
送り出す子供の名前には自らと同じ「シアノ」の名を授け、ティフォリアと交換した水のエレメントの一部を与えた。


逆に手元に残すほうの子には炎のエレメントの一部と、愛する夫である「ティフォリア」の名を授けたと言う。





そこまで話してから女王・シアノは僕との距離をつめてきた。

部屋の入り口を一瞥してから、さらに小さな声で続ける。


「私は自分の子、ティフォリアの名を持つ子が幼いうちに、この城から引き離しました……もちろん寂しさはありましたが、それ以上に皇族であることよりも自由を掴んで欲しいという親としての願いがあったのです」

「……」

女王にとって最初で最後の恋。
そして生まれてきた子供との別れ。
しかしシアノ女王は悲しい様子を見せず、変わらぬ笑顔で言葉を続ける。

「ふたりの娘達がやがて北の淫界とスライムを結ぶ架け橋になってくれるのではないか、と期待した時期もありましたが……その願いは残念ながら叶いませんでした」

女王の娘が北の淫界に旅立ってから数年後、ティフォリア王はこの世を去ったという。
そこまで話してから数秒間の沈黙があった。
黙り込む女王の姿は、自分が愛した男性の死に目に会えなかった事を悔やんでいるようにも見えた。


「失礼。話を続けましょうか。さて、もう一人の私の娘ですが……親元を離れてから立派に成長していったみたいです」

「……?」

「次に私と出会った時、炎のエレメントのように紅い瞳と髪を持つ立派な…」

「紅い髪と……紅い瞳……っ!」




胸の中にモヤモヤした何かが生まれるのを感じていた。
戸惑う僕を見つめながら女王はにっこり微笑んだ。


「ふふふ、勘の良いあなたならもうお分かりですね。娘の名前はライム・ティフォリア――あなたがよく知っている彼女です」

「なっ!」

しばし絶句。女王が「ライム」と確実に言ったのだ。

炎のエレメントを生まれながらにして持っていたのはそういう事情が……いやいや、そんなことよりもやっぱりライムのこと!? 彼女、スライムのお姫様だったのか。

桁外れに強いわけだよ。足コキなんか殺人レベルに気持ち良いし、気が強いのも含めて絶対おかしいと思っていたんだ。

僕は何も知らずに長い間そんな女性と一緒に……

「うっ、うわああああああああああああ!!」


さすがに堪えきれなくなって、僕は思わず叫んでしまった。

その瞬間、


バタンッ

「女王様、ご無事ですか!!」


「どうしたのウィル!!」

勢いよくドアが開いて、ルシェとライムが駆け込んできた。
リィナの姿は無い。
二人とも心配そうな顔をしている。


(ウィル殿……今の話、まだライムには伏せておいてくださいね?)

シアノ女王が小さい声で言った。

そして話をはぐらかすかのように、もう一度左手を宙にかざした。

さっき僕が見たのと同じ映像が流れる。


「あああー! この子、北の大地で見かけたメンヘラだわ!!」

ブルーティアラが盗まれた瞬間、ライムが声を上げた。

自分にそっくりな青い髪の女性に気づいたらしい。


(でもそれがライムの姉妹だなんて言えないわけで……)

ドキドキしながら口を押さえてる僕を尻目に、女王が言葉を続ける。


「ブルーティアラを持ち去った賊の名はミルティーユ・シアノ。現在の北の淫界を統べる者……氷の魔術の使い手です。奪われた我らの至宝、どうか取り戻してください」

これが女王からの依頼。同時に協会からの依頼でもあるのだ。


「はあああぁっ!? あのブルーティアラ盗られちゃったの! バッカじゃないルシェ、何してたのよアンタたち。平和ボケしてるんじゃないわよ!」

ライムが大げさなジェスチャーを交えて悪態をついた。

「ぐぬ…」

ルシェはとても悔しそうだけど女王の前だから気持ちを抑えているようだ。


「ライム、詳細はウィル殿にお話しておきました。旅の疲れを抜いてから任務を遂行してください。貴女の活躍にも期待してますよ」

女王はそういい残して、奥の部屋へと姿を消すのだった。









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