Elbereth

 メイドが深々と頭を下げる。

「お帰りなさいませ」
 帰るのが遅くなっても待っているし、どうして遅くなったのかを質したりはしない。当然今日だって質したりはしないが、心なしか眉尻が下がっているように見えた。
 その意を見定めようとすると、それより早く彼女は言った。
「……ご主人様」
「ん?」
「……あまり根を詰められますと、お体に障ります」
 鏡を見てみると、そこには確かに凶悪な人相が映っていた。
「……気をつける」

 メイドが深々と頭を下げる。

Elbereth

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