Elbereth

 翌日が休みなので今日は存分に時間を潰して帰宅すると、メイドの出迎えがなかった。
 遅くなった手前、あまり大きな態度も取れないので、何も言わずに部屋に向かうと、廊下で右往左往しているメイドに出くわした。
「何をしているんだ?」
 心からそう思ったので、彼女より先に発した。
「あ……お帰りなさいませ。それが、その……」
 掌の鍵束を忙しなく転がしながら口ごもる。

「柊柯様がお目覚めになられました」

 地響きのような轟音が微かに足元を揺らしている。近所の工事か何かかと思ったのだが、これはもしや……家の中からだったのか。
「開けて差し上げようと思ったのですが……扉が……怖くて……」
 とても嫌な予感がする。
 要領を得ないので、現場の地下室へと向かうことにした。

Elbereth

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