Elbereth
「……時刻表を見てよく考えたら、どうやっても家まで帰るのは無理そうだってわかったんだ」
「それでどうしたの?」
近くに引っ越してきた友人のために新居で歓迎会をしてきたことを話せと柊柯がうるさいので顛末を簡単に話している。
「3人で喋りながら川崎まで歩いてね。駅前に着いたんだけど、0時を過ぎたのにゲーセンが開いてたから入ってみたんだ。しばらく遊んだんだけど1時には閉店になった。その後CINE CITTAへ行ってスケジュールを確かめてみたらE・Tをやるみたいだから見ようかという話になったんだけど、なんとなく次の日がつらそうだとかなんとかいう理由でやめて、結局居酒屋に入って5時まで喋りながら酒を飲んだ」
「それから?」
「電車で帰ったよ」
「ふぅん……」
柊柯はソファーにもたれて物憂げにうなる。
「楽しかった?」
「楽しかったけど……」
「そう」
喋るだけ喋らせておいて、柊柯は立ち上がって居間を出て行ってしまう。
「……のくせに」
去り際に柊柯が何かを呟いたが、よく聞き取れなかった。
Elbereth
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