「たのしく書こう! 小説講座1-1〜好きなものを存分に語れ!〜」  <前へ><続く>


あらためまして、塔の講座へようこそ!
まず、ノートに現在の年月日を記入してください。
ではさっそく最初の質問、いきますよ!

Q. あなたの好きな食べ物は何ですか?

はい、小説とは何一つ関係ない質問ですね!
でも、ふざけてるわけじゃないですよ? 次の条件を加えれば、どうでしょうか。

Q補足. 以下の詳細質問に答えながら書いていくこと。
1.what なにが 好きですか?→食べ物の名前
2.when いつ 好きになったの? きっかけは?→時期と思い出エピソードなど。できるだけ自分の記憶を頼りに!
3.where 最初(きっかけ)の 場所は?→その時いた場所
4.who だれと楽しみたい? ひとりがいい?→正直に
5.why どこがどう 好き?→好き要素をお好きなだけ
6.how どのように つきあうのが好き?→これも正直に

はい、ご存知、作文の基本「5W1H」要素です。
これに答えていけばあら不思議、ちょっとしたコラムのできあがりです。日記とかのネタにいいかもしれませんね。

ちなみに以下は塔の例です。……東ハ○の回し者じゃないですよ!!
1.what →キャラメルコーン ノーマル味
2.when →二人目出産後、上の子用ミニパックが賞味期限切れしてたのを食べて「うまあ! こんなうまかったっけ!?」ってなったのがきっかけ。
3.where →自宅。
4.who →ひとりがいいですねえ、奪われないように……いっそこっそり食べるから蜜の味なのか? スリルがスパイス?
5.why →授乳中で糖分不足のせいか、少し食べるだけで頭がしゃきっとする。絶妙な歯ごたえが好き。さらに口どけも良くあとに残らないのもいい。なぜなら今は、「上の子に隠れつつ大急ぎ」でしかおやつを食べられないから。いつまでも残ると勘付かれてしまうので。香ばしいピーナッツのお楽しみが最後にあるのもいい。
6.how →一週間に1個買ってちまちま食べてる。イライラしたときの気晴らし用、がんばった時のごほうび用。

「だから、小説の話は!?」とお怒りの方、ごもっともです。
次の質問はもう少し近づきますからね。それっと。

Q. あなたの好きなエンタメ作品は何ですか?
映画、ドラマ、舞台、アニメ、ゲーム、漫画、小説、どれでもOK。
※注意 「明確なストーリーを内包するもの」のみ。

(後でストーリーを分析するワークをやってもらうため)

Q補足. 以下の詳細質問に答えながら書いていくこと。
1.what なにが 好きですか?→エンタメ作品の名前
2.when いつ 好きになったの? きっかけは?→時期と思い出エピソードなど。できるだけ自分の記憶を頼りに!
3.where 最初(きっかけ)の 場所は?→それを知った時いた場所
4.who だれと楽しみたい? ひとりがいい?→正直に
5.why どこがどう 好き?→好き要素をお好きなだけ
6.how どのように つきあうのが好き?→これも正直に

塔の例
1.what →天空の城 ラピュタ
2.when →
小学校低学年、金曜ロードショーで。城でロボット兵の群れが暴れはじめるシーンで、ハラハラドキドキするあまり腹痛起こして、ラストを見られなくて大泣きしたなあ。ビデオがまだ家になくリアルタイムが全てだったので(見逃したら取り返しがつかない)。結局ちゃんと最後まで見れたのは数年後の金曜ロードショー。レンタルビデオ店さえ町内になかった時代でした。(年がばれる!)……しかし、こうして書き出してみて初めて、この「ものすごく見たいのに見られない」という飢えが、「展開を色々妄想し、創作して楽しむ」という動きにつながったのかも? と思い至りました。ううむ、結果オーライ……?
3.where →実家のこたつ。
4.who →これは家族と見たい。
5.why →
王道明快テーマはっきりなストーリーだから。そしてキャラクターがその流れに埋没しておらず生き生きと魅力的。音楽もストーリーにぴったり合わせて作られてて、すごく贅沢でいい。あと単純に、空ネタが大好きだから! 空の城ってワードを見るだけでワクワクしてくる。
結末の雰囲気も好き。一味と別れてグライダーが水平線へ飛んでいくだけ、なのがいい。少年と少女がどこへ行き着いたかを入れなかった判断に拍手を贈りたい。だって、もうそんなの不要だから。エンディング曲と共に「星のどこかにあなたがいるから、もう一人でいても一人じゃない」ってメッセージを受け取れたから。
6.how →
見るたび発見がある(自分の見る角度が変わる)ので試金石のように数年に一度見たくなる。
子供に見せて感想を聞きたい。

「結局好きなもの語ってるだけじゃん、ただの感想文でしょ!?」とお怒りの方、ごもっともです。
でも、この二つに答えてもらっただけで、じつは一石二鳥な意義があったんですよ?

1. 「自分の中の記憶・イメージ=”ぼんやりしたもの”、を文字化してアウトプットする」
2. 「あなたの中の、確固たる”好き”を可視化する」


どちらも、小説を書くうえで必要不可欠な要素である、と塔は考えています。
目的をより詳しく説明しますと、以下のようになります。

1. 「イメージの文字化アウトプット」 → 表現・描写のトレーニング
2. 「好きの可視化」 →「作品内容の”マイ評価基準”の確立」


いきなり何を言い出すんだって感じでしょうけど(笑)、詳しい説明は長くなるので別ページに分けます。
ますは今回のワークをすませてしまいましょう。

好きエンタメについての質問ですが、これに「嬉々として」応じられそうな作品、まだまだ眠っていませんか?
「これこそが自分にとって”印象深い名作”だー!」と思えるものを取り上げて、どんどんノートに書いてっちゃってください、走り書きで大丈夫ですから! PCで打ち込みや、携帯端末でメモを取るのでもいいですけど、ここはパッションのまま書き殴れるノート&ペンが最強! このノートは他の誰にも見せないものですから、本音をどこまでも吐き出しちゃってください。嬉しかったことも、もやもやしたことも、ここだけは許せないと思ったことも、ぜんぶ好きに書いていいんです!

思いつかない人は、時系列、ジャンル別などで思い出してみるといいですね。
最終的には、5点ほど書いてみると、よりあなたの「好き」の傾向がはっきりすると思います。

さて、今回はこれにておしまいです。お疲れ様でした。
次の講座では、より詳細に、あなたの「好き」を探っていきたいと思います。
さあ、だんだんと「感想文」の域から脱していきますよ? お楽しみに。


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