This Charming Man / Black Cloud /
リバプールは英国ツアーの最後を飾るアリーナ公演になるはずだったが、途中2曲目でキャンセルになった。
1曲目"This Charming Man"が終わり、2曲目"Black Cloud"の途中で、透明な液体(おそらく水)がフルで入った500ml大のペットボトルが、モリシーの左頭部に"ガコッ"と音が聞こえそうな感じで当たり、モリシーは少し間をおいた後、一言静かに「グッドバイ」と呟いてステージを後にした。私は最前列左側にいて目の前で見た。(※プラスチックカップだったという報道があるが、私の眼にはペットボトルに見えた)。
ペットボトルは観客側中央のおそらく4〜5列目あたりから投げ込まれ、フロントローに集まったセキュリティ達がしきりに「どいつだ!出てこい!」と怒鳴っていた。そこで、一人の男性がその辺りから引っ張り出され、当初は彼が犯人なのかと思われたが、どうやらその人は混乱で揉みくちゃにされたため助け出されただで、結局犯人は捕まらなかった。
会場にモリシーの再登場を祈るモリシーチャントが響いたが、暫くして「シンガーは戻らない。チケットは返金される」と発表があり、公演は打ち切られた。こんな終りになってしまい、本当に残念だ。1曲目のTCMから「今夜は良いステージになるぞ」という予感がしていただけに。
会場を後にし、やるせない気持ちに耐えきれなかった私は、パブをはしごし、観光客のおじいちゃんと踊り、3軒目のトイレで吐いて、4軒目に入ろうとしたところで「もう閉店だから」と断られ、泣きながらリバプールの夜をひとり彷徨ったのだった。
ああ、泣きながらというのは嘘です。もうキャンセル経験も3回目ですから。