This Charming Man / Black Cloud / When Last I Spoke To Carol / How Soon Is Now? / Ganglord / Cemetry Gates / I'm Throwing My Arms Around Paris / Teenage Dad On The Estate / Ask / Irish Blood, English Heart / Why Don't You Find Out For Yourself? / One Day Goodbye Will Be Farewell / Death At One's Elbow / The World Is Full Of Crashing Bores / Is It Really So Strange? / The Loop / Because Of My Poor Education / I'm OK By Myself // First Of The Gang To Die
シティー・ホールは収容数1000人程度の中規模な会場だ。こじんまりとしたステージで、文字通り目の前にモリシーが!という感じ。
ただ、どういうわけかステージ前にセキュリティがぴっちりと隙間なく並んいる。ロンドンの会場でだってこんなにいやしないのに。バンドが隠れて見えないぞ。後から、morrissey-soloのメインボードにも「入口で金属探知機まで使ったへヴィーセキュリティに驚いた。ここは退屈なる眠れる町ソールズベリーでブリクストンじゃないんだぜ!」と書込みがあった通り、観客は盛り上がりながらも概してお行儀よく、最前列でも全く辛くないくらいだったのに不思議だ。まあ、普段が平和な町だからこそ、モリシーのショーが時として荒れるという噂を必要以上に警戒したとか?
モリシーは黒いジャケットに黒いシャツ、ジーンズを穿いて登場。モリシーのファッション・ヴァリエーションの中でも、ジャケットにジーンズの組み合わせが一番好きな私としては、念願叶ったり(今まで私が観に行ったショーでは、何故かジーンズを穿いてくれたことがなかったもので)。バンドはおそろいのチェック柄シャツにジーンズ。
"When Last I Spoke To Carol"では、印象的なスパニッシュ・ギターのフレーズをボズが担当。"The Loop"についても言わずがなで、これに限っては一番の聴きどころ、見どころはモリシーのヴォーカルでさえなく、ボズのロックンロールなギターとダンスだ(華麗なるステップさばき!)。
それでなくとも、このところギター・パートの美味しいところはボズがもっていく気がする。ジェシーの見せ場がちょっと少ないかも……ジェシー、がんばれ。
"Why don't you find out for yourself"で、昔アランが入れていたコーラス部分をボズが申し訳程度に歌っていた。やっぱりアランのようにはいかない。そのアランのコーラスの代わりにアコーディオンでのメロディが追加されているが、個人的な好みから言うとやや余計な演出だと思う……「プア〜ン」とした音に何だか気の抜けるというか……。また、95年当時にはベーシストが弓を使ってコントラバスを弾きメロディをつけていたが、最近のショーでは指弾きのタッピングとなっている。
歌の合間に、モリシーは観客から手渡された「Frinky」と書かれたボードをわざわざドラム前に立てかけていた。さすがにもう誰かから「Frinky」の意味を教わっているだろう。これは"frisky" と "kinky"を合わせた造語で、日本語的に言うと「エロ〜萌え〜」みたいな感じ(ただし女子言葉だ)。彼自身、意外に気に入っていたりして。
"Death At One's Elbow"狂騒曲。この曲調、もし91年の若りしオリジナル・ラッズで演っていたら最高だったろうな。スペンサーのめちゃくちゃなドラムに、ギャズの乱暴なベースが絡んで……と、聴きながら妄想が入ってしまった。
"Is It Really So Strange?"は、大好きな曲で聴けて嬉しい。モリシーの可愛らしさがぎゅっと詰まった曲だと思う。
Oh yes you can kick me
and you can punch me
and you can break my face
but you won't change the way I feel
'Cause I love you
And is it really so strange?
Is it really so strange?
Is it really so, really so strange?
I say NO, you say YES
(but and you will change your mind!)
"I'm OK By Myself"この曲はアルバムで聴くより、ライブの方が数段良いかもしれない。今回もソロモンのベース・ソロは健在。彼が弾いている間、モリシーは後ろからじっと見つめている。
アンコールで投げたエメラルドグリーンのシャツは、5月23日のマンチェスターで着ていたのと同じデザイン。お気に入りのシャツは、同じデザインを何着も持っているんだろうな。
全体的に、とても良いショーだった。観客達の暖かな雰囲気も素晴らしく、モリシー達もそれに応えていたと思う。終演後、幸せな気分でパブに立ち寄り、エールを2パイント飲んだ。ちょうどエール祭り開催中で1パイントが1ポンド75ペンスとお安く、幸せ感倍増の夜だった。