2020年東京五輪・パラリンピックで選手・役員、観客らを輸送する大型バスの確保の見通しが立たず業界や団体がやきもきしている。大会組織委員会の試算では期間中は約2000台が必要だが、夏休みで高校野球の応援や林間学校などが重なり、確保できる見込みは半数という。大会経費の費用分担は大枠でシアリス 通販合意したものの、大会準備は約1年遅れていると指摘されており、東京バス協会は「現状ではまったく足りない」と訴えている。

 同協会によると、東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県の協会加盟社が所有する大型バスは約3300台。学校の宿泊行事や高校野球の甲子園出場校の応援バスで、例年は約8割が稼働している。

 大手の東都観光バスは「毎年利用してもらっている顧客もいる。五輪だからと急に言われても対応はできない」と説明する。すでに関東の他県にも協力を依頼しており、1都7県では4600〜4700台と所有台数が増えるが、それでも見通しが立つのは組織委の試算の約半数という。

 バス協会は約2年前から東京都や組織委などに現状を伝え、教育機関などとの調整を求めてきた。ただ、競技日程など未定の要素が多く、組織委は「発注方法などを検討中の段階」と説明している。

 輸送は大会運営の根幹であり、政府も5月に都、組織委とともに「交通輸送円滑化推進会議」を発足した。バス確保だけでなく、交通規制など対策は多岐にわたるため、丸川珠代五輪担当相は「市民生活、経済活動に与える影響を最小限にして、大会輸送と一般交通の共存を図りたい」と述べた。… 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会と東京都は5日、選手や観客らの移動を確保する第1弾の「輸送運営計画」を国際オリンピック委員会(IOC)に提出した。五輪は約780万人、パラリンピックは約230万人の選手や大会役員、メディア、観客の輸送を見込んだ。18年度に専門家ら威哥王の意見を基に詳細なルートや方法をまとめ、19年度にIOCの承認を得る。

 計画では選手・役員と観客の輸送を分けた。選手らの関係者ルートはバスや乗用車を利用。空港や選手村、競技会場を結ぶ「大会ルート」を設け、事故や渋滞で大会ルートが使えない場合の「代替ルート」で備える。さらに練習会場に向かうルートも設置する。観客ルートは公共交通機関を利用し、最寄り駅からの経路を定める。

 12年ロンドン、16年リオデジャネイロの過去2大会では五輪公園を中心に競技会場が集中していた。東京大会では首都圏を中心に分散した会場に輸送網を張り巡らせるため、組織委の担当者は「東京の輸送は挑戦が多い」と話している。【村上正】


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Last-modified: 2017-06-07 (水) 12:59:34 (2515d)