オドロキ(うう…やっぱりキンチョーするよ…)
霧人「やぁ、おはよう。」
オドロキ「あ。お、おはようございます、先生!」
霧人「やれやれ。ずいぶんカタくなってるみたいだね。」
オドロキ「そ。そんなコトないです!カンゼンに大丈夫ですから、オレ!」
霧人「声がウラ返ってるよ…まぁ。ムリもないかな。初めての法廷が、殺人事件とは。まさしく”オドロキ”ってヤツだね。」
オドロキ「だ、大丈夫です!今朝は5時に起きて、発声練習をしてきましたから。」
霧人「そうみたいだね。声がウラ返った上、カスれて聞き取りにくいよ。」
オドロキ「…げほ。」(やりすぎたか)
オドロキ「あの…ホントによかったんですか?オレで。」
ナルホド「………」
オドロキ「牙琉(がりゅう)先生は、超一流の弁護士です。それなのに、どうして…」
ナルホド「………いずれ、わかる。」
オドロキ「え?」
ナルホド「きみなら、やれる。自信をもつことだ。」
サイバンチョ「ええと、牙琉弁護士?」
霧人「…なんでしょうか。」
サイバンチョ「この件は、あなたが担当するものと聞いていましたが…?」
霧人「私もそのつもりでいました。しかし…。弁護士は依頼人の希望を最優先させなければなりません。この王泥喜くんは、依頼人のご指名なのですよ。」
サイバンチョ「ふむう…わかりませんな。現在、最高の弁護士と言われる牙琉霧人(がりゅうきりひと)それをさしおいてこんなワカモノがねぇ…」
オドロキ(だ、大丈夫。発声練習の量なら、先生にも負けないさ!)
霧人「…オドロキくん。」
オドロキ「はいッ!」
霧人「今の証言…ちょっと、おもしろいですね。」
オドロキ「え…」
霧人「私ならば…そう。証言に加えていただくところですが。」
サイバンチョ「いかがですか、弁護人。今の、証言の発言は…?」
>やめておく
オドロキ「モンダイありません、裁判長。」
霧人「そうですか…まぁ。弁護人はキミですからね。」
オドロキ(うう。そんな言い方されたら気になるじゃないか…)
オドロキ(…牙琉先生は、この証言が重要だって言ってたけど…)
オドロキ(正直、どうってコトないような気がするんだよなあ)
↓からの
オドロキ「くそ。牙琉先生のせいでハジをかいちまったぞ…」
霧人「オドロキくん。私にハジをかかせないでもらえますか?」
オドロキ「え!オレがですか!
霧人「今まで集めた情報の中に致命的なムジュンがあるんですよ。」
オドロキ(なんだって…)
霧人「カンタンな計算です。やってみることをオススメします。…小学生じゃないんですからね。」
オドロキ(…”けいさん”…?)
霧人「さすがオドロキくんですね。まるで自分で見つけたみたいに見えます。
オドロキ「まぁ…こいうのはホラ。言ったヒトが勝ちですから!
オドロキ「ええと…牙琉先生?
オドロキ「なんですか?”ふるはうす”って。
霧人「さあ…オドロキくん。そろそろ出番、ではないですか?
オドロキ「モチロンです!ダマってるつもりはありません!
霧人「オドロキくん…気づいていますか?
霧人「彼女の証言は、さきほどから二転、三転している。
オドロキ「はいッ!カクジツにアヤシイと思います!
霧人「まずは、彼女の言う”イカサマ”の正体を見極めましょう。
オドロキ「はいッ!まかせてください!
霧人「オドロキくん。
霧人「裁判長にもわかるように、教えてあげましょうか。
霧人「…その指で、指し示して!
霧人「"直感"というのはなかなかバカにできません…
オドロキ「牙琉先生!
霧人「…何かあるのかもしれません。この先に、まだ。