森の仲間たちin新撰組

「ふくろう先生」



山南さんは新撰組一の博識です。
なにせ森の賢者といわれるふくろうさんですから。
総司が宗ちゃんと呼ばれていた頃、山南さんには色々と教わりました。
近藤さんや土方さん、源さんからも、色々なことを教わっていた宗ちゃんでしたが、お空の飛び方だけは教えてもらえませんでした。
まぁ、みなさん羽のない身ですから、教えたくても教えられなかったのですが。
だから、宗ちゃんのせっかく立派な羽も、ぱたぱたと意思表示に動かすだけでした。
ですから、空の飛び方を教えることに関しては、山南さんの独壇場だったのです。
懇切丁寧に羽の動かし方から風への乗り方、止まる枝の見極めから獲物の取り方まで、実にさまざまなことを手取り足取り――いや、羽取りですね――、教えました。
宗ちゃんの頑張っている間、毎日長い時間つきっきりでした。
それが良かったのか、宗ちゃんは目を瞠るほど上達が早く、いつもは謙虚なふくろう先生山南さんも鼻高々でした。
しかし、どうやら土方さんのご機嫌を損ねてしまったようです。
いつでもずっと一緒にいた土方さんにすれば、とっても面白くないことだったのでしょう。
総司が飛べるようになったことをとっても喜びつつ、山南さんに対してはちくりちくりと嫌味を言います。
迂闊さを悔やんでみても、時すでに遅しです。
これからどうしようかと、気苦労を抱え込んでしまった山南さんでした。



あなたはさらに、誰に会いに行きますか?
      カバ     

山南さんは、賢い感じだったので、森の賢者といわれるふくろうさんにしてみました。



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