ひぐらし繋がりでひさしぶりにうみねこも色々見返してました。
うみねこはねー音楽がめっちゃよくて、話も1章1章燃える展開で好きだったんです。しかし、最後の最後で謎は謎のまま終わるうやむやエンド。上にあがったベクトル分下に落ちてしまったのか総評価はふつーよりも下に。
途中までは本当に面白くって、掲示板とかで推理や雑談とかを見るのがホンっと楽しみで。なのになぜこうなった…ってのが感想なのですが。どうやら数年たった今になって、コミカライズ版でそのすっきりしない部分をきちんと説明して、きれいに完結というではありませんか!
そしてようやく読んだのですが、たしかになぜこれをゲームでやらなかった…!ってくらいの出来栄えでした。そして伏線がすごかったのを再認識。
もともと推理物は読み物として見ているので、粗とか矛盾とか全然気にならない人でして。(回答を出されて、あーそうなんだ!ってようやくわかるレベルなせいもあります)それだけに、あやふやなまま終わったうみねこは「結局よくわからなった」の感想になったんです。
んでおそらく読者が一番望んでいたであろう犯人の動機を明らかにした漫画版を読んだら、すべてが繋がりました。そして、もう一度見返すとあまりにも複雑で緻密な話であるのがようやくわかったんです。
<ここからちょっとネタばれします>
話は、「殺人事件が起こりました〜」のミステリーに「魔女」というファンタジー要素を加えた特殊なものになっています。
それに加え、ひぐらしのように何度も話がループします。被害者が毎回違うのです。ここだけでかなり混乱します。
で。さらに上位の構造がでてきて、さらに数年後の話が同時進行してて…ってもうこんがらかってしまいました。
私がゲームをして思ったのはこんな感じ。
(EP1〜4あたり)
親族会議に殺人事件が起きたぞ→魔女がでてきた→主人公が犯人を当てろといっているぞ→結局解けなかった→反省会
(EP5〜)
違う時間軸の妹登場→探偵と前作のキャラっぽい魔女×2登場→魔女、ベアトリーチェがなぜこんなことをするか掘り下げ→主人公、いつの間にかベアト(魔女)側につく
(EP7)
唐突にイケメン初登場にて謎をあっさりと解く→探偵とベルンカステル(前作キャラの別人格)が完全に悪役に→いつの間にかくっついているベアトと主人公→一応犯人らしき独白があるけど結局誰かは明かさない
(EP8)
妹がメインの話。妹だけが違う時間軸なのは実は過去の話だったから。結局魔女ってなんだったの?EDのさらに時間が飛んで…って?よくわからないまま終了
こんな感じで私のうみねこは止まっていました。
でも漫画版。そして感想サイトでようやく真実に至れたわけです。
どうやら作者的には「推理物」として見てほしかったらしく、ミステリーのようなファンタジーを自分で補完してほしかったんだろうなとは思います。しかし、私のスタンスはあくまでも「読み物」なので、やっぱり最後まで明かしてほしかったと思いました。
この話が難しいのは3次構造になっているところでした。
それに気づかないとほんと混乱します。
1)殺人事件が起きた空間
2)その殺人事件をメタ的にみる空間(言わば本を読んでいる読者の立ち位置)
3)現実世界の空間
ここまでは何とかついていけました。
が、最後の魔女(ファンタジー)と探偵(ミステリー)の戦いが、恐らく作者が一番言いたいんであろう所なんだと思われる場所が、ストーリーを訳がわからないものにしている気がしてならないのですよ…。
現実はこうだったでしょう(謎は完全に明かさないよ)。でも本当はこうかもしれないですよね?愛があればね!…みたいな感じで終わったんですよ。ゲームは。
推理するだけの物は別だけど、読み物としては、殺人事件はどうして引き起こされたか、犯人の動機は重要だと思うのですよ。それがゲームにはなく、漫画にはあった。ただそれだけでこんなにも評価が変わるものなのかと驚きました。
漫画版だけでいいかなーって思ったんですが、やっぱり音楽いいんだよなぁ。
作者が意図的に仕掛けたとはいえ、ホント、もったいない作品です。
<追記>
作者がめっちゃんこ叩かれていて、作品も叩かれていたのを知ってちょっとショックでした。
主人公、最後まで活躍しなかったのがちょっと不満かな。良いトコなかったし(無能呼ばわり)、いきなりベアト側についたのも腑に落ちなかった(後から見返したら解かったけど)